「たまには甘えたい」
「キリキリちゃん〜ちょいちょい」
夜遅くまで仕事をしていた私達は錬金アイテムや雑貨、服に装飾品から武器防具幅広く売っている二人の仕事場、看板名はいつも思いつきで変えており今は【アルケミープレアデス】と名乗っている。
皆面倒くさくなってキリエミの家と呼ばれてる。
疲れ果てた身体に鞭打ってブラック労働を強いられて朝開店なのにもう夜、辛いな。
「ん?どした・・・うわっ!?」
アタシはソファーに座りながらキリを手招きして座った所ですかさず太腿を枕にする。
「ちょっと〜!?まだ片付け終わってな・・・」
「ぐご〜・・・ぐご〜」
「寝るな〜!」
無理矢理起こされ片付け終わったら寝て良いの条件に則りアタシ達は手早く片付けた。
終わった瞬間に太腿に再度埋まりアタシはすぐに寝てしまった。
☆☆☆☆
「全く・・・いつもご苦労さま」
結った髪が七色とは派手な服と過激な着方をするギャルを目指すアタシ達にとって太陽のような明るさと眩しさを魅せるエミ、本当は自分に自信がなくて寂しがり屋、見栄を張るためにギャルに憧れて明るく振る舞ってる。
ガサツだけど整理整頓は得意でその気になればお洒落さんのお嬢様になれるのにケープと混合した上着なんか少しズレたら丸見えよ?
今も丸見えだしいくら貧乳だからってもっと女の子らしくして欲しい。
この見た目で結婚メルヘン乙女なのがまた可愛い。
「今どき白馬の王子様を信じてるなんて馬鹿馬鹿しい・・・そんなピュアな心も子供っぽい所もアタシは好きだよ?」
都合良く撫で撫で出来た、お腹丸出ししてる服装だから風邪引きそうなので近くにある毛布を掛けてアタシも瞳を閉じる。
エミは明るくて毎日楽しそうで羨ましい、そんな彼女にアタシはいつの間にか憧れて惹かれて友情とは少し違う特別な感情が芽生えてきてる。
恋とはまた違う別の何か・・・守ってあげたくなるカンジ?
「アタシの前では素直な癖に皆の前でギャルしてるのバレバレだよ?」
本当は根暗で自己肯定感低いけど誰よりも友情と芯があるエミが好き、これからも一緒に頑張っていこうね。
頬に唇を押し当てながらおやすみと私もいつの間にか寝てしまった。
翌日のアタシはソファーで寝たせいで首が死ぬ程痛かった。




