「サナエ先生による講座会」その2
「うっ、また勉強?」
早朝から突然いつもの二人が押し入りテーブルを囲うように私と何故か凄い近いアスカちゃんとまるで面談かのように目線の先にサナエちゃんが何故か胸元が開いたセクシーなスーツを着て両手で持てるサイズの黒板に何かを書いている。
「あのさ、近くない?」
「気の所為だよ?」
「いやいや、近いって」
「三人の時大体近いでしょ?」
「そうだった!?椅子一つ分の空白あったと思うけど!?」
腕に胸を押し当てながらアスカちゃんはまるでカップルのような状態、それすら気にせずサナエちゃんは何かを書き続ける。
「そんなことよりほら、今回は魔力についてよ」
「えっ、進めるの!?」
「うるさい!」
「ぴぃ!?」
そ、そんなに無理矢理推し進めなくても・・・
「ユカリちゃん、頑張ったらご褒美あるよ♪」
耳元で囁く甘い誘いに耳が少しこそばゆい、私の知らないうちにアスカちゃんどんどん厭らしくなってるような?
「よ、よし・・・なら頑張ろうかな?」
「それで良いわ、早速質問だけどユカリちゃんは魔力は全星中の人の体内に誰でも秘めてるのは知ってるわね?」
「うん?それに関しての職業も変わるから大体の人は戦士か平民、魔法使いの生徒になるんだよね?」
コクリと笑みを浮かべながら次の事を書き記す。
「んじゃあ何故皆魔法使いにならないのかしら?」
「ふえ!?ええっと・・・星界のバランスを取るとか?」
「悪くないけどバツよ、魔力の量は個人差があり、大人になるとその量はどんどん減っていくそれを見越した上で人々は生きる為に必要な術を得る為に先祖達それぞれの役割を創り出したと言われてるわ、大体十歳前後で決まるらしいけど魔力をより多く所持する者は半分の割合で学生申請所が届くわ」
「ん?私達は来なかったよね?」
アスカちゃんに聞くと微笑みながら相槌を打つ。
「私達は特別待遇と言って魔法学院や学校の上の奴等から期待されていたり注目されてると推薦状が届く仕組みになってるわ、ちなみにアンタは私が申請したから入れたのよ」
「学費高いのに何で?」
確か卒業するまで何千万ベル必要だったような?貧乏の私達には到底無理なのに。
サナエちゃんは少し照れ臭そうに口籠るとアスカちゃんは頭を撫でてくれた。
「それは私達がユカリちゃんに期待してたからだよ?」
「私に?」
「二人が金出し合ってアンタを優しくて立派な素直で可愛い人間にしたかったのよ、私達はアンタが好きだから・・・所長になったのも大部分がアンタを幸せにする為よ?」
「サナエちゃん・・・ごめんなさい・・・不出来で・・・」
「冒険者になるって言われた時はちょっとムカついたけど、正直に言うと私はアンタの個性を取り上げようとしたんだって後々気付いたからもう怒ってないわ」
少しだけしんみりとした空気になりアスカちゃんが気を利かせて少し休憩することにしたよ!




