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優柔不断

暑い…!



鹿児島城の中の一角にある部屋に通されて30分ほども経っただろうか


一向に当主様はこない


そしてもうひとつ問題が…。


「あのう、トイレ…。」


「トイレ?便所のことか。窓から逃げたらどうするんじゃ」



「だからその諜者とかじゃないってばあ」


そのときだった


「殿さあ!」


「中馬か。で、そいつが…。」


「肥後の諜者でござい申す」


「おまんを送ったのは誰か?」


「だ・か・ら未来からき・た・ん・で・す」


「ミライ?来世んことか?」


「だから今が西暦1583年で自分は西暦2010年から来たんです!」



「つまり、嘘だな。」

「首を打っぱねい!」


「いやいや死にたくないし。」


「男なら潔く死ねい!」


「じゃあこれならどうでしょう」


「なんじゃ!」


「私がこの薩摩島津に精一杯奉公させていただきます。どうぞこの命、お好きにしてください」



「しかし…。」


「それぐらいにしてはどうですか?客人でしょ?兄者。」


「おお、帰ってきたか。」


「すでに知っているかと思いますが日向はすべて島津の土地となり申した」


「うむ。ご苦労だった。」


「まさか、あなたは…。」


「そういえばこの者は?」


「そうか、いっておらんかったな。肥後から…」

「いいかげんにしろーーーーー!!!」


「だから敵じゃないっていってるでしょ!」


「誠か?」帰ってきたらしい男が言った

「はい!」

「うむ、兄者、この者の目には濁りはのうござる。ここは義弘の名で、許してはござりませぬか?」

「そちがそこまでいうなら信じてやろう」


「やっぱり!」


「なにがじゃ?」

「あなたは島津義弘ですね?」

「いかにも、わしが島津義弘じゃ」

「では兄者。何かさせてこの者の資質を試しては見ませんか?」


「何を言っておる。こんな者入来院衆にでもほうっておいたらよかろう。」


「いえいえ。まだ家久に世継がいませんし…。」

「ならよかろう。何をさせる?」


「いまから七日ばかり中馬に預けたらよかでしょう。それで中馬に決めてもらい申そう。よかか、中馬?」

「じゃっどんおいがそんな重要なお勤め…。」


「おまんだから…じゃ。どうか頼みを聞いてもらえんだろうか。」

「わかりもした。行くぞ。」


「あ、ちょっと待て」

「どうし申したか?」


「おはん、名をなんと言う?」


「山本豊太」


「そうか、名を考えておこう。」


「へいへい」

「早よう来い!」


まあ、死ななくはなったんだ。少しは未来も明るくなっただろう


鹿児島城を出ながらそう考えた

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