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乾坤一擲

薄く目を開けて朝になったことに気づいた。

そろそろ母さんが俺を起こしに来るはず。それまでのあと30秒ぐらい寝よう。



異変に気づいたのはそう思った瞬間だった。


風が耳元でヒューヒュー音を立てている。布団がない。そもそも朝日を薄目を開けたぐらいで気づくはずがない。部屋にいるはずなのだから。1分たっても母さんが起こしにこない。そもそもベッドで寝てるはずなのに草の上で寝てる



ガバッっと起き上がった。そこは少なくとも自分の家ではなかった。


周りはすべて草原で遠くにバカでかい山が見える。その山は白煙を吹き上げ続けていた。


ここで疑問が生じる


Why なぜここにいる?

How どうやってここにきた?

When いつここにきた?

Where ここはどこ

What いったい何???


とにかく疑問だらけだった


そのときだった


「なにもんじゃあ!」といきなり怒鳴られた。声の聞こえた方向を見ると、男が槍をもって立っていた


「さてはおまん、肥後の諜者かあ!」

その男はかなり聞きづらい言葉。おそらく方言でそういってきた。しかしそんなことは問題ではない。

ヒゴってなんだ?


「覚悟せい!」

といって男は槍をこっちに向け、突進してきた。


「うわあああああああああああ!助けてくれええ」

「助けるわけなかろうが。男なら潔く死なんかあ!」


ブシ???豊太の顔が青ざめた


「死ねえ!」


「ストップ!」とっさにそういった

「すとっぷぅ?それはどこの方言じゃ?」

今の反応で豊太の顔はまるで死人のように白くなった

「ちょっと待ってください。今って何年ですか?」

「何年かじゃと?そんなんも知らんのに諜者なんかしとんのかあ?」

「いやまず諜者じゃないし。」

「うそんつくな!」

「いやとにかく何年ですか?」

「今は天正11年じゃ」


天正11年っていったら1583年っていったら・・・戦国時代!?。豊太は転げるように笑った

「何がおかしいとじゃ!」

豊太は笑いながら「あなたねえいくらまだ俺が子供だからってこんなドッキリに引っかかるとでも思いました?ここってどっかのスタジオかなんかですか?とにかくそんなもん下げてくださいよ」


「どっきりってなんじゃ?」


「もう芝居はいいですって。だれがさせたんですか。あなたの名前は?」

「何が芝居じゃ!おいは薩摩島津、市来郷地頭比志島国貞が配下中与八郎重方じゃあ!」

「はあ」

「おまんに小西がなぜお前を送ったか吐いてもらう!いまからひっとらえて鹿児島城に連れて行く!殺すのはそん後じゃ!覚悟せい!」


「だから諜者じゃないってばあ!」


「来い!」


小西って熊本の小西行長か?じゃあヒゴって肥後?薩摩ってことはここって鹿児島??????


じゃあまさかほんとうにタイムスリップしたのか?


ちょっと待て

話を整理しよう


「ではただ今から山本豊太、第3億8955万(中略)回脳内会議を始める。まず俺は昨日福岡県にある自分の家で午後11時37分52秒に眠った。そのあと起きたら草原にいて変なおっさんにあって・・・。

結論。今俺は危険である。以上!」


「ここが鹿児島城じゃ!」


そこは城とは呼べないほど質素なものだった。城というよりむしろ…館?


「諜者をひっとらえた。いまから殿様ん前でなにしようとしたか聞く。通してくれい!」


「かしこまった」


今からどうなっちゃうんだ?不安が体を押しつぶしそうになりながら、豊太は鹿児島城に入っていった・・・。




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