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おとぎばなしまえ ― オニのはなし ―  作者: ぽすしち
 ― みにゆけば ―

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65/91

かなしい

残虐表現あり。ご注意を


 あっけないほどのできごとのあと、そこには、子どもだけが残った。



   「と、トクさん!まて!」



 影をはらっておろした刀を手に、ゆっくりと子どもに寄る男を、セイテツは必死でとめようとした。




 だが、止まることもなく、子どもの前にトクジは立った。




「―― こえエか?」




 涙で目をぬらした子どもは、顔をあげ、首をふる。




「・・・つらいか?」




 子どもは口をしめてから、か細い声でこたえた。



   「 か・・なし・・い・・・ 」





「―― ・・・ そうか。 ・・・おれもだ」


 空いた手をのばすと、子どもの頭をつかむように抱え込み、引いて腹におしつけた。






「――― あっ」


 気づいたセイテツが声をあげるが、刀はすでに、 ―― 子どもの体をつらぬいている。


 トクジは身をかがめ、子どもの頭にじかに経をふきこんだ。





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