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待っておりました
「 ―― あんた、わざと受けただろ?」
ほめられたトクジが、ため息のような笑いをもらす。
サモンの両腕の着物がきられ、布が、赤い血を吸い始めていた。
「いや。本当に強い男で助かった。 わたしも加減できる自信がなかった。 なにしろ今は、この通り ――― 」
言葉の途中でがくん、と膝が折れたサモンに、セイテツは駆け寄った。
そこでようやく、遠巻きにこちらを心配そうに眺める壱の宮の兵たちに気づく。
スザクが、兵の中でも顔なじみの側近を呼ぶ。
「おい、サモンの『オニ』は退治した。もう近寄ってもなんともねえぞ」
とたんに、うようよと大きな男たちが湧き出てくる。
「 スザク殿、そちらの御仁は高山の御坊か? まことにすばらしい太刀で、われらもいたく感服いたしましたぞ」
サモンの側近、ボッコウがトクジに頭をさげた。
四十をすぎているが、体も頭もずば抜けた男で、サモンをいまだに子どものように扱うことがある。
倒れたサモンにわらわらと寄った兵たちが、椅子や水さしを持ち寄り、あっという間にサモンの着物をぬがし、傷の手当てを始める。




