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汚物は消毒だぁ〜ッ!!!!

作者: HasumiChouji

 最近、休日に趣味で書いてる小説の執筆場所として主に使っているのは……近所に有る公立図書館の読書室だ。

 と言っても、例の伝染病が流行っている御時世なので、使用出来る席数は以前より大幅に減り、閉館時間も早まっている。


 そう云う訳で、今日も、朝からその図書館にやって来た。

 開館三〇分前に来たので、読書室の電源が使える席は確保出来た。……バッテリがヘタりつつある5〜6年前のモデルのノートPCを電源に繋ぎ……あれ? 近くの席のオッサン、何やってんだ?

 顔にはマスク……そりゃ、当然だ。この御時世だもの。

 手には透明な使い捨てのビニール手袋。……まぁ、この御時世だから、そう云う人も居るだろう。

 そして、鞄から消毒用アルコールらしきスプレーを取り出し……。……神経質な人なんだろうなぁ……。


 十分以上が経過した。

 オッサンは、まだ、机や椅子や床に、スプレーを撒き続けている。

 えっと……それはいいけど……わざわざ、図書館の読書室に来て、何をやりたいか判らないけど、そこまで神経質になるんなら……自宅でやった方が……。


 約二十分が経過した。

 オッサンは、まだ、スプレーを撒き続けている。

 ちなみに、スプレーは2本目だ。一体全体、何が、どうなってんだ……?

 まぁ、いいや、変な人だけど、俺に危害が及ぶ訳じゃないから、無視して自分の作業に集中しよう。


 1時間近くが経過した。

 俺は、ある短編のアイデアを思い付いて、プロットを練り上げ、そして……。

 執筆している小説が何かは言うまでも無い。

 貴方が今読んでいる、この小説だ。

 もうすぐ書き終え……あれ……そう言や、さっきの変なオッサン、どこに行った?


 オッサンが居た席には、空になっているらしい約五百㎖のスプレーが……4つ。えっ? 4つ? 最低でも一・五ℓ……最大で二ℓの消毒液を使い切ったのか?

 その時、背後に人の気配を感じた。

 恐る恐る振り向くと……あのオッサンだ……。

 オッサンは……俺のPCの画面を覗き込む。

 勝手にマウスを操作し……この小説を読んで、無表情なまま何度も頷く。

 そして……俺に、消毒用のスプレーを向け……消毒液を噴射し……。

 うわあああああ……ッ⁈

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