6話 爆発とダンジョン
カナとセシルの前には、地下へと続く階段がある。まわりの綺麗な住宅街にこの階段だけ荒廃していて、とても目立っている。
「よし。じゃあ頑張ろうね、カナ!」
そう、ここは先週約束したダンジョンだった。カナも今日は、手に拳銃を持っている。そして、2人は階段を下っていく。
「何があるかわからないから気をつけてね」
数十秒降りると、階段がなくなった。中は神殿のようで、薄暗い。慎重に進んでいくと、奥行き100メートルくらいの小部屋に出る。奥には、虎
カナとセシルはグレネードと銃を構える。それに反応したのか、モンスターがこちらに走ってくる。3秒足らずですぐそこまで近づかれるが、2手に分かれてやり過ごしていた。置いておいたグレネードが炸裂し、モンスターが体勢を崩す。そこへ銃弾が撃ち込まれ、やがてモンスターが光って消えた。奥の扉が開き、さらに進んでいく。
しばらくいくと、モンスターが待ち構えていた。それを倒すと、また違うモンスターがいる。どうやら迷宮ではなくて、ほとんどモンスター戦のようだ。
6体めのモンスターを倒すと、宝箱が落ちてきた。罠ではないかと危惧して、箱を撃ってみるが反応はない。開けてみるとグレネードが12個ほど入っていた。しかし、カナのもっているものとは違って、紫色だった。疑問が生まれるより早く、セシルが説明を始めた。
「あぁ、それはポイズングレネードだね。カナが持ってるのは普通のグレネードと違って、これは毒
状態にすることができるの」
「へぇ。じゃ、じゃあ! いろんな種類があるの!?」
「そうだね。炎とか風とか、いろいろあるよ。宝箱からグレネードが出るのは本当は外れだけどね」
カナは、半分を腰につけて半分をストレージにしまう。ストレージとは、いつでもだししまいできる見えない収納のようなもので、自分の筋力パラメータに応じて入れれる量が変わる。
さらにモンスターを4体倒すと、次の扉はひと際大きかった。
「多分、ここがボスだね。準備はいい?」
「うん! 頑張ろうね」
そういいながら扉を開く。
中では、もう戦闘が始まっていた。3人の男たちがモンスターを撃ち続けている。熊のようなボスのHPは、3分の2ほど削られていたが、男達もすり減らされかなり厳しいようだ。
「よーし、くらえっ!」
カナがポイズングレネードをぶん投げる。他パーティーの獲物を取らないとか言うマナーをガン無視した攻撃がモンスターに激突して物理ダメージが入った後、破裂して毒をまき散らす。
モンスターが叫び声をあげ、近くにいた男へ向かって突進し男を投げ飛ばした。男が光の泡になり消える。さらに口から熱光線を打ち出し、もう1人も消えた。残りはカナとセシルと、1人の男だけになってしまった。その男が近づいてきて、カナ達に向かって話しかける。
「よお! 先週会ったな。」
「あ! アルガさん!」
「お前たちもダンジョンに来たんだな。で、今は……、おぉと」
モンスターの口が明るくなる。アルガはそれに気づいて避ける。ワンテンポ遅れてカナとセシルも後ろへ下がり、熱光線を避けた。アルガが話の続きを喋る。
「今は共闘しようぜ! とにかくこのボスをぶっ倒そう!」
2人はどうしようか一瞬迷ったが、意見は同じようだ。
「分かった、勝ちましょう!」
すぐに3手に分かれ、グレネードと銃弾が飛び交った。
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