4、企画はノーメイククイーン
食事をしている間も、4人は次のイベントの企画を話し合っていた。決定してはいないが、浴衣クイーンとか、メガネクイーンとか、クイーンコンテストを行うことまでは決まっていたが何のクイーンコンテストを行うかは決定できなかった。
「シェフ、どんなコンテストがいいかしら」ドクターシェフに何かよいアイデアはないかと社長が相談した。
「ノーメイククイーンがよいのでは」と提案した。一定の期間化粧、パーマ、毛染め、マニュキアをしていない人が条件になる。
「今時そんな女の子はいないでしょう」弥生が反対し4人とも最初は否定的だった。ドクターシェフは化粧品やパーマなどの有害性を医学的に説明し、ノーメイククイーンをきっかけにおしゃれ障害を啓蒙できるのではないかと話をした。ドクターシェフの説明は医者のような話だった。
「シェフは詳しくてお医者さんみたいだね」社長が不思議に思い聞いてみると、ドクターシェフは以前医者であることを打ち明けた。しかし、なぜ医者を辞めてシェフをしているかの詳しい実情までは話をしなかった。
この企画にはドクターシェフが協力することになり、社長は今までにない面白い企画なのでやってみようと3人を説得した。ドクターシェフの提案でノーメイククイーンのキャッチコピーは『きれいより美しい』に決まった。
4人が『おためし屋』を出ようとした。
「今日の料理のレシピです。簡単ですから作ってみてください」ドクターシェフは1人1人にレシピを渡した。
「早速明日からこれを見て自炊しまーす」弥生は張り切って言った。
「どうせ三日坊主で終わるんでしょう」すかさず栄子がつっこんだ。
「三日ももてばよい方じゃないの」社長が追い打ちをかけた。
「今日をきっかけに頑張ります」からかわれていることに意を介さない弥生は宣言した。