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3、エキストラ料理

 料理はオードブル、スープ、魚料理、肉料理というようなコース料理ではない。和洋中にこだわることのない美味しい料理だ。少なめの量で品数は8皿出てくる。それには理由があった。

コース料理を食べ終わった頃だった。

 「最後にエキストラ料理があります。今日の料理の中でもう一度食べたいものがあればお出しする料理のことです」デザートの前にドクターシェフが追加のエキストラ料理の注文を聞いた。

 「嬉しいわね。レストランでコース料理を食べた後もう一度食べたくなる料理があるよね」社長は喜んだ。

 「追加の料理はいくらですか」幸恵が心配そうに聞いた。

 「追加料金はいりませんよ」

 「じゃあ、私はたくあんの煮付けを食べたいな」社長が注文したたくあんの煮付けは関東ではなじみがない料理だ。関西ではよく食べられていたが、最近では少なくなった。

 「私は白菜の昆布じめがいいな」富山出身の栄子は昆布が大好きだった。

 「私は一口カツにしてください」幸恵が頼んだのはチャーシューとベーコンのミルフィーユの2種類の一口カツだ。

 「最後の卵かけご飯がもう一度食べたいな」弥生は卵かけご飯コンテストにレシピを応募したことがあった。

 「さっきはわさび醤油で食べてもらいましたけど、こんどはパルメザンチーズを粉にしてリゾット風にしましょうか」ドクターシェフがアレンジを勧めた。

 「それでお願いします」弥生の注文した卵かけご飯はいつも最後の料理に出す定番だ。

 「私、卵かけご飯が大好きでいろんな作り方をしたことがあるんですが、こんな美味しいの初めてなんです。作り方なんか教えてもらっちゃってもいいですか」弥生は自分で作って食べたかった。

 「いいですよ」ドクターシェフは作り方を説明しながら作り始めた。

 「まず、茶碗に半分の量の熱いご飯を炊飯ジャーから入れます。ご飯の真ん中を箸でへこませてまわりを高くして穴を作ります。茶碗の底が見えてしまわないように注意してくださいね。この穴に生卵をかき混ぜずに割ったらそのまま入れるんです」

 「かき混ぜないでそのまま入れちゃうんですか」弥生は卵をかき混ぜないで卵ご飯を作ったことがなかった。

 「そうなんです。この上に残りの半分の熱いご飯を入れて卵が見えないようにします。茶碗の上に茶碗より少し大きめの皿で蓋をして3分間蒸らします」3分待っている間にドクターシェフはデザートの追加注文を4人に聞いた。

 「3分経ちましたね。皿を取って箸で全体をかき混ぜます。パルメザンチーズを粉にして振りかけて出来上がりです。トッピングとして、きざみ海苔、ゴマ、ワサビ、マヨネーズ、ケチャップなんかを入れればお好みの味が楽しめますよ」

 エキストラ料理を食べ終わった後、5種類のデザートの盛り合わせがコーヒーと一緒に出された。追加注文のエキストラデザートも食べ終わった。4人とも料理には大満足だった。

 「早速バターを作ってみたいんですが、私でもできますか」栄子は明日にでも作ってみようと思った。

 「安定剤の入った生クリームではバターは出来ませんから、必ず無添加のものを使ってくださいね。生クリームを冷蔵庫から出してすぐ使っても出来ますが、温度が低いとパックを振り続ける時間が長くなるから、冷蔵庫から出して30分くらいして使ってください。塩は1度に入れないで、味見をしながら少しずつ加えてください。塩を入れすぎるとしょっぱくなってしまいますよ。無塩バターに砂糖を入れればバタークリーム、レーズンを入れればレーズンバターが出来るんです」

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