表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/199

第72話 光満ちる可能性の剣

「こ、これは……」

 みるみる内に歪んだ極地地場空間が俺の手に集約されていく。暖かい。とても心が落ち着く暖かさだ。


「な、なんだそれは手品かマジックか!?」

 ガルシアヌスは動揺を隠せていない。同じ意味のことを二回言っている。反撃に出るなら今かもしれない。


「聴こえるか……。ユキオス……」


「えっ!?」

 光が喋ってくる。いや、この声は……。ゴルヌス隊長の声のような……。


「ユキオスよ時間がないから手短に話す。ちなみにこのメッセージは極地空間地場集束エビデンスエネルギーガンマを応用した記録メッセージだ。では始める。これより君の元へ可能性の剣を送る。使え。以上」

 ここで微かな声のメッセージは終わった。いや、ダメだ。まるで要領を得ないメッセージだ。全然理解できない。そうこうする内に俺の目の前に出現した光が集まりあるものになった。


「こ、これは――!?」

 大根だ。それも大きな。隊長は大根で戦えというのだろうか……。


「ハッハッハッ――。大根で俺と戦うだと……。笑止!!」

 そう言いながらガルシアヌスは突撃してきた。それを俺は大根で受け止める。


「な、なんだ……。その大根は!?」

 その声に反応するように大根はまた輝き始めた。すさまじい光だ。これはもはや大根を超えた大根だ。そして、俺には見える。大根が銀色に輝くソードに!


「お、お前はまさか……。伝説の農産物応用活用騎士なのか!?」


「さぁ、こいガルシアヌス。ケリをつけよう」

 俺は静かにそう言うとそっと大根を構えた。


 ***


「グッ……。グッ!」

 大根剣の重みに耐えられなくなったガルシアヌスが苦しそうな声を上げる。スピードではジェット推進機構を装備したやつに分があるのだが、それにも増して大根剣から満ち溢れる光がやつを圧倒している。


「お、おのれ……」


「これで終わりだガルシアヌス!」

 その時、ついに俺の大根剣がやつをとらえた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ