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第70話 つかの間の静寂と衝撃

「来ませんね」


「あぁ……。どういうことだ」

 アグリスⅥを撃破してから早くも三十分がたった。ガルシアヌス達は来ない。


「……。撤退したのでしょうか?」


「ユキオス油断するな。もしかしたらこちらの出方を伺っているのかもしれん。満遠会長はこの現状をどう思いますか?」


「うむ、ワシが倒したのは先鋒を任された一般隊員のみじゃ。ガルシアヌスが直接率いているエリート隊員の行方は知らん。奴等、何かやるつもりじゃぞ」

 会長は怪訝けげんそうな面持ちでそう言った。俺もそんな会長の『違和感』に共感をもつ。


「ドラガゼス元首は無事ですよね?」


「もちろんじゃ。周囲にはアクト・メガスの隊員とパトリキオスもいる」

 会長がそう答えたまさにその時だった。


 ――ガチャーン!

 窓ガラスが割れる音が周囲に響き渡る。その瞬間、周囲に緊張が走る。


「こ、この音の発生場所は!?」


「恐らく二階じゃ。何かが侵入してきたのかもしれん。ユキオスよ見に行ってもらえるか?」


「えっ俺がですか――」


「敵の陽動という可能性もある。正面玄関付近はワシと町衣紋が死守する。お主は二階へ走れ。ワシはなんだか元首の身が心配じゃ」

 満遠会長からの指示を受けて俺は二階へと急いだ。


 ***


 二階へ上がるとすぐに俺は音の発生場所を探し回る。比較的大きな洋館内はまるで迷路のようになっている。


「やはり……。元首がいる部屋か!」

 そう確信した俺は元首がいる貴賓室きひんしつへと向かった。


 ――ガチャ!

 ドアを開ける。その瞬間、目を疑うような光景が俺の目に飛び込んできた。

 アクト・メガスの隊員が倒れている。それも全員が。部屋の中の調度品もメチャメチャになっている。

 そして奥には俗に言うジェット推進機構並行装備型重装備に身を固めたガルシアヌスが誰かを探していた。


「チッ――。どこだ、ドラガゼスはどこだ?」

 怒りの表情を浮かべながら奴はそう言う。恐らく紙一重のところでパトリキオスが違う場所に避難させたのだろう。


「お前がガルシアヌスか!?」


「そうだ。ジェット推進機構を備え確実にパワーアップした俺はもはや無敵だ。お前に勝ち目はない!」


「やってみないとわからないさ」

 俺は鞘から暗黒歩兵専用ソードを抜いた。


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