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第56話 朝。そして――。
眠れない夜を過ごした次の朝、俺はとりあえず騒乱後の元首庁舎を訪れた。
一見すると何の変鉄もない建物。昨日と違うのは五階部分が焼けているといったところか。近づけば近づくほどその悲惨な状況がよくわかる。
中に入ろうと思ったのだが、規制線が張られており近づくことができない。それに一歩近づくだけで警備中の兵士にギロリと睨まれてしまう。
「打つ手なし――か」
そう思ったその時だった。
「ユッッッッキオース! 探したぞまったく」
知ってる顔が近づいてくる。その名はマチウス・町衣紋である。このオシャレな町に似合わないような大きな弓を持っている。
「町衣紋さん どうしたんですか急に!」
「お――。積もる話の前に……。元首は無事か?」
「いえ……。それが生死不明です。まだたしかな情報は掴めてません」
「そうか。遅かったか。無念、本当に諸行無常の世の中だぜまったく」
「はぁ――。そうですか」
諸行無常かどうかはわからないが今回の出来事は謎が多すぎる。別に俺が首を突っ込む必要はないのかもしれない。でも気になるのだ。目に見えない謀略の糸が俺をその気にさせていた。
「ユキオス、ホテルはチェックインしたままか?」
「はい。そのままですが」
「なら、一旦君の部屋に行こう。ここは人が多すぎる」
俺の耳元で町衣紋さんはそう囁いた。




