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第45話 駆け抜ける珈琲~隊長の視点編~

 ユキオスからのヒカリちゃんに関する報告は予想外の内容だった。それにしてもまさか休学してたなんて……。そこまでは考えがいかなかった。彼女の笑顔が見たかったのだが、それもまた今度ということになってしまった。もちろん年齢差があることは痛いほど分かる。でも――。恋に年齢なんて関係ない。大切なのはお互いの心が通い合うかどうかだろう。


「ふぅ――。悲しんでても仕方がない。珈琲コーヒーでも飲むか!」

 そう決めた俺はドシリと立ち上がり給湯室へ向かう。

 俺とコーヒーとのファーストコンタクトはとてもドラマチックなものだった。当時、まだ見習い士官だった俺はマルゴー・誉志男田原よしおだはら特務名誉上級曹長率いる教導強襲小隊に配属された。小隊のみんなはまだ見習い士官だった俺に優しさと強さをもって接してくれた。そして、その誉志男田原特務名誉上級曹長の好きな飲み物こそコーヒーであったのだ。


「ゴルヌス見習い少尉よ。コーヒーは俺達にとっての革命レボリューションだ。なぜ俺達は前に進めるのか。それはその先にコーヒーがあるからだ。悩み悲しみに戸惑う時、思い出せ。コーヒーはいつも俺達、強者きょうしゃと共にあるとな!」


「えっ――。どう言うことですか?」

 正直言うとその時俺は特務名誉上級曹長が話した言葉の内容がよくわからなかった。


「フッ――。青いな若造わかぞう。青すぎだ。お前はまだコーヒーを知らない。コーヒー豆から出直してきな!」

 そう言い終わるなりマルゴー・誉志男田原特務名誉上級曹長は虚空こくうを見つめた。その悲しげな表情が若かりし頃の俺の瞳に深く焼き付いていた……。まるで心に刻まれた刻印のように。


 ***


「マルゴー・誉志男田原特務名誉上級曹長殿……。今ならあなたの言葉の真意が分かります。俺は年齢という壁を打ち破ります。あなたがコーヒーを愛したように私は……」

 クッ――。ダメだ。涙で前が見えない。でも俺には分かる。今日、満天に輝く星空が俺達を祝福していることに。


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