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第40話 続・隊長の恋③

「そう言えば隊長。ゴールハウス・ハヤシマ先生ってこの前、新聞に載ってましたよね?」


「そう……。だな。もしかして魔界新聞のことか?」


「はいそうです」


「さすがユキオス君。新聞もしっかりと読んでるのだな。俺は読者投稿欄しか読んでないぞ」

 隊長はなぜか少し自信をもってそう言った。ゴールハウス・ハヤシマ先生といえば教育熱心で知られる先生である。他にも何か情報がないかと必死にその新聞記事を思い出そうとしたのだが、無理だった。


「まぁ、会ってみればどんな先生ティーチャーか分かるさ。たしかハヤシマ先生は今、魔界大根品種改良実験室にいるはずだ。さっき農場ゴブリンのラゴーハが彼女の姿を見たそうだ。よし、さっそく行ってみよう!」

 こうして、俺と隊長は魔界大根品種改良実験室に向かって歩みを進めた。


 ***


 宿舎を横目に見ながら俺達は目的地へと進む。魔界大根を拡大発展させるために必要なのはズバリ品種改良である。現在の主力商品である魔界大根『備丘礼伝煌白跡びきゅうらいでんこうはくせき』は喉ごしの良い後味とかじった時のシャキシャキ感が特徴なのだが、管理が難しく大量生産には向いていない。そこでその問題点を解決するために産み出されたのは改良型魔界大根『超備丘礼伝煌白跡ちょうびきゅうらいでんこうはくせき』である。備丘礼伝煌白跡の欠点を拡大的に解決しつつ味の品質も落ちてない。まさに理想的な『魔界大根』である。ちなみにまだ大量生産は行っていないが、今現在鋭意研究中である。


 ***


「おぅ――。先生ここにいましたか。ごきげんよう。探しましたぞ!」

 隊長は敬語を使おうかそれとも普段通りに話そうか迷った挙げ句、謎の話し方になっている。


「なにかしら。あなた達誰なのよ?」


「紹介が遅くなりました。私は農業スタッフのユキオスといいます。ちなみに横にいるのはゴルヌス隊長です」


「あらそう。それにしても自己紹介遅すぎよ。あなた達、社交マナーっていうものを知ってるの――。まったくもう。ちょっとこっち来なさい!」


 その時、俺と隊長は思った。『何てこった――。この先生、とっても恐いな……』と。


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