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第22話 感謝の結末

「グッ――。ハッ!」

 さっきまで真っ暗だった視界が急に開け俺の瞳に二人の人物が映る。一人はゴルヌス隊長。そして、もう一人は……。あれ、こんな人この農場にいただろうか?


「ほれ、ゴルヌス隊長言った通りじゃろ。魔界ヘビの融合シンクロエネルギーはユキオスの中から消え去ったぞ!」


「さすがです、マシニッサ先生。先生の御見識ごけんしきとその御高配ごこうはいには心から感服致します。まさに恐悦至極きょうえつしごくでございます」

 えっ……。あの適当な隊長が敬語を使ってる。俺、隊長のそんな姿を始めてみたぞ。目が覚めて早々、俺は隊長の変わりぶりを見てしまった。

 まさに人生とは驚きと発見の連続である。


「ゴルヌス隊長よ、今回の診療報酬は収穫後払しゅうかくあとばらいでいいぞ。今は農休期じゃろうからな。また美味しい地獄大根、ワシの元へ届けてくれよ」


「わかりました。今回は先生のその言葉に甘えます」


「何言っとるか。グルムエリオスハフスフフスシスフフ砦攻防戦時の恩を返したまでよ」


「グルムエリオスハフスフフスシスフ砦てますか。いやはや懐かしいですね。なんだか私、過去の思い出に浸りたくなりました」


「のぅ、ゴルヌス隊長。今日は夜通しで語り尽くすかの。実はワシ、今日は酒を持ってきとるんじゃ」


「いいですね。今夜はマシニッサ先生のメルコメシスバンニシスフシスス城防衛戦時の武勇伝を聞かせてくださいよ!」


 こうして、意気投合したゴルヌス隊長と初老の老人はどこかへと向かった。


 ――あれれ俺は何で医務室のベッドに横になってるのだろう。ダメだ。今日の記憶が一部分だけスッポリない。魔界ヘビと見つめ逢ったとこまでは覚えているが……。でもなぜだろう。眠りから覚めた今はすこぶる体調が良い。まるで空を翔べそうなそんな心境だ。まぁ、よくわからないがこれはこれで良しとしよう。


「そろそろ自分の部屋に帰るか……。この医務室は本来、優しいゴーレムさんが使ってるところだし」

 そして俺はベッドからむくりと起き上がり自分の部屋へと歩みを進めた。


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