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第19話 ユキオス救出作戦①

「ユキオス大丈夫か!?」

 そう言いながら俺はドアノブを必死に回す。しかし、扉は開かない。ほんの一瞬の出来事だった。俺が現場から目を離したのは。それがこのような結果に繋がるなんて。中からユキオスの悲鳴が聞こえたと思い急いで現場に戻ったのだが、少し手遅れだったようだ。


「チッ――。修復万能錠ヒーリングオールマイティーキーさえあれば……」

 しかし、残念なことにそんなものはこの現場にはない。ドアが開かない原因は今だ不明だが、そんなことを今さら考えても仕方がない。


 ――現実を受け入れて次のステップを考える。

 これが俺の方針ポリシーだ。


 ***


 相変わらず内部からドタドタと物音がするが、俺には打つ手はない。愛刀の魔剣フラガラックスも今回ばかりは出番がない。


「やむ終えんな。ボルグハフトゥルバルの槍を使う!」

 そう決心した俺は付近にある隠し扉からその槍を取り出した。


 ――ボルグハフトゥルバルの槍。それは時空を歪める力を持つ魔界七宝器まかいしちほうきの一つ。なぜそんなすごいものがこの農場にあるのかはまた後日、俺の口から語るとしよう。


「てぃ――!」

 封印を解き放ち槍先をドアに突き立てる。頑丈な鉄の扉はまるでその空間が溶けたように大きく歪み穴が開いた。そこにはぐったりとしたユキオスがいた。


「おい、大丈夫か!?」

 ふわりと抱き抱え彼の様子を確かめる。幸いにも息はある。しかし、不思議なことにエネミーである魔界ヘビがいない。


「ん――。どういうことだ……。まさか!」

 その時、俺は一つの可能性に行き着いた。――融合シンクロだ。きっとユキオスは魔界ヘビと心がかよいあったのだろう。だとしたら今、魔界ヘビは彼の中にいることになる。


「これはヤバいな。異なる種族間での融合シンクロは時として両方の命を危うくしてしまう。早急な処置が必要だ。仕方がない。マシニッサ先生を呼ぶか……!」

 そう決断した俺は昏睡こんすい状態のユキオスを抱き抱えてとりあえず医務室へと運んだ。


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