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第15話 前向きスタンダード

 ヘルムートアイアンヘルムカイザーまさるさんの活躍によって俺は助かった。突然の再開ではあったが、窮地に陥った俺にとって彼の助けほどありがたいものはなかった。その後、バルム中尉とその一派は魔界軍立法守護憲兵隊まおうぐんりっぽうしゅごけんめいたいの隊員に連れていかれた。これで横流し事件の全容が解明されればいいのだが……。


「ユキオス。キミによって彼らを捕まえることができた礼を言うぞ」

 ヘルムートアイアンヘルムカイザーまさるさんは魔界珈琲まかいこーひーのダブルミルクスタンダードを飲みながら俺にそう言った。


「いやそんな……。礼を言わなければいけないのは俺の方です。正直危ないところでした」


「フッ……。人生というのは運命危険ディステニーデンジャーの連続だ。しかし、回避する計画プランは必ず存在している。まるで散歩中の子犬のようにな。さぁ、天使歌エンジェルハーモニーだ!」


 よく分からない用語をり混ぜながらヘルムートアイアンヘルムカイザーまさるさんは俺にそう言う。正直、彼が言いたいことが何かはわからないのではあるが、まぁ今日はそれでも良しとしよう。


「そうですね。俺も天使歌エンジェルハーモニーです。とりあえず今日はありがとうございました!」

 この言葉を最後にして二人は別れた。ちなみにヘルムートアイアンヘルムカイザーまさるさんは事務所に帰るらしい。しかし、今回の件がこれで終わったとは思えない。まだ黒幕が誰なのかが判明していないからだ。それにしてもアントニウスさんが奴等の仲間だったのには驚いた。正直、予想外だ。

 そんなことを考えながら、俺は出荷場を後にした。


 ***


「ふぅ――」

 農場宿舎に帰宅後、自室の黒ソファーに座り一息つく。丸テーブルの上には冷えた麦茶。一仕事した後に飲む麦茶は最高に美味しい。一応、フランソワ上級大佐にはことの顛末てんまつ魔界電報まかいでんぽうで伝えている。彼女からの返事はまだないが。


 その時だ。


 ――ドンドン!

 誰かが部屋のドアを叩いている。はて、誰だろう。こんな時間に。俺は不審に思いつつもドアを開けた。そこには真剣な顔をしたゴルヌス隊長がいた。


「おう、ユキオス。一仕事終わったばかりで申し訳ないのだがちょっと来てくれないか?」


「えっどうしたんですか、隊長。こんな時間に」


「おう、それがなポンプ室に何かいるんだ。魔界ヘビかも知れん。ちょっと見てきてくれないか?」


「えぇ――。いやそんな怖いですよ。隊長が見に行って下さいよ」


「いや、俺ヘビ苦手なんだよ」


「えぇ――!?」


 今日の夜は長くなりそうだ。


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