表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/199

第11話 ユキオス潜入作戦①

 リーダーゴブリンのアントニウスさんに状況を説明し出してから五分ほどがだった。最初、うわの空で俺の話を聴いていた彼も事態が少々深刻だというのを肌で感じたのかシリアスな表情をしている。

「ユキオスさんなかなか危険なことに首を突っ込んだのですね」

 アントニウスさんは首を傾けながら俺にそう言った。たしかにその通りだ。この件は危険を要する事案でもある。だからこそ現場のことをより深く知る彼の協力が不可欠なのであった。


「よし、僕も協力するよ。なんでも言ってよ!」


 その瞬間、リーダーゴブリンのアントニウスが仲間になった。


 ***


 出荷場内はとても広々としている。まるで大きな工場のようだ。その中を魔界大根を満載した馬車が行き来している。場内は大きく分けて三つの管理区で構成されている。一つは中央事務区。ここではもっぱら出荷に関する事務手続きを職員の人達が行っている。

 二つ目は選別区。ここでは近隣から働きに来ているゴブリン達が魔界大根を各等級別に分ける作業をしている。ちなみに最高等級の『S+』は高級品で高額で取引されているそうだ。ちなみに高額すぎて俺は未だに食べたことがない。

 そして三つ目は出発場区。ここだけは俺達の管理区ではなく魔王軍第109輸送大隊がここでの業務全体を統括している。ちなみに彼らの指揮官はバルム中尉というのだが、アントニウスさんによるとどうも評判が悪くないらしい。お金好きで性格も横暴。そして、私腹を肥やすことにも熱心。そんな彼率いる輸送大隊なら横流しという裏仕事にも手を伸ばすような気がしてきた。

 俺はまずアントニウスさんと打ち合わせをしてから中央事務区へと向かった。二人が限られた時間で練りに練った計画では夕方まで使われてないロッカー内へと隠れて皆が帰るのを待つ。そして、アントニウスさんの合図と共に出発場区へ潜入して横流しの証拠を見つけるという感じだ。


「それじゃあユキオスさんこの中で隠れててくださいね。もう少ししたらみんな帰るからそれまでの辛抱です!」

 アントニウスさんに励まされながら俺はロッカーの中に身を潜めた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ