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第98話 農場外伝②~町衣紋さんの同窓会~

「ふぅ――。口だけは達者のようだなニコライズ。お前もこのホテルに泊まるのか?」

 奴の言葉を聞いて攻撃を思い直した俺は弓を収めながら今気になってることを聞いてみる。


「もちろんだ。なんたって明日ここで同窓会が開かれるわけだからな。あえて他の場所にいくこともないだろう。どうだ、カフェで一杯飲まないか?」


「カフェか――。いいだろう」

 奴の真意がイマイチよくわからないがここでじたばたしてても仕方がない。俺は奴の提案に乗ることにした。


 ***


「ラマバ・ソゴ・ダジグ・ゴ・コーヒーを二つ」


「かしこまりました」

 店内の席へ着くなりニコライズはテキパキと謎のコーヒーをメニューを見ずに注文してニコニコしている。


「今日は俺の奢りにしとく。だから代金のことは気にするな」


「ニコライズ、お前は今パルメクルにいるのか?」


「俺は傭兵でね。守秘義務というのがあるのさ。だから想像にお任せするよ。ところで町衣紋、お前は今の農場の待遇に満足しているのか?」


「あぁ、満足している。幹部スタッフとして頼りにされてるからな」


「その気持ち本当か――。俺の雇い主のロバート殿は有能な指揮官だ。どうだ、町衣紋。俺達の元へ来ないか?」


「な、なに!?」

 どういうつもりなのだニコライズは。俺を武力で倒せないと感じたから今度は勧誘という手段にやり方を変えたのか……。


「俺が農場を裏切ると思うかニコライズ。それにゴルヌス隊長には借りがある。地位や金では俺は動かんぞ」


「フッ……。そんなに良いところか農場は。本当に羨ましいな」

 ニコライズは運ばれてきたばかりのコーヒーをゴクリと飲みながら俺に対してそう言った。


 ***


「ナターシャは元気にしてるか?」

 コーヒーを飲み終わった後、不意にニコライズはそんなことを口にしてきた。


「ナターシャとは会っていない」


「そうか。てっきり関係が続いてると思ってたのに。まぁ、それが人生というものだ。昨日の友が明日には敵になるようにな」


「そういえばお前には弟がいただろ。今何をしてるんだ?」


「勇勝は俺と同じ道を進んでる。傭兵だよ。きっと今ごろ『ある作戦』を実行して成功しているはずさ」


「お前らは……。何を企んでるんだ!?」


「フッ……。それは言えないな。さぁ、そろそろ時間だ。明日の同窓会でまた会おう」

 そして、俺達はここでいったん別れた。


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