げんちょうかや?-仲良し五人組に黒一点でカラオケ大会!
「いえーい! カラオケ大会はっじっめっるっよぉ~~♪」
緑髪が眩しい、明るすぎる声と首振り。
彼女はイリスだ。
それに続く形で、他女性陣も疎らに盛大にそれぞれに拍手でこたえる。
今日、俺は五人の女性人に混じって遊ぶことになった。
朝九時集合、そして十時に此処に到達、みんな何考えてるんだろうね、俺には予想つかないよ。
「タンバリンあるよぉ~ばんばんばん!!」
ハシャギまくるイリス、彼女はこの中でも一際子供っぽいと言うか、幼児性が高い。
他の四人は、ああ俺も含めて、彼女のそういう所はまったく嫌いじゃないので、むしろ歓迎ムードだ。
俺はシャルに話しかけてみる、他の三人がイリスを囲って愛で始めたからだ。
「おお、何飲んでる?」
「そりゃ、メロンソーダでしょ?」
さも当然の摂理を語るような、なんとなく哲学者のような真理を語るような口調。
彼女は金髪碧眼の美少女だ、なんとなく知的な感じがする少女。
しかし微妙に天然疑惑を抱けるくらいには、アレである、まあそれが、とても親しみ易い感じを相手に与えていると思う。
「ねえねえ、貴方なに歌う気?」
「ふふん、何だと思う?」
ちょっとカラカイ気味に言うと、スルー、ってか黙って何も聞いてませんみたいな感じにされた。
「めんごめんご、シャルさんは何歌うの?」
「何だと、思う?」
うわぁ、これって彼女と同じ様にスルーすりゃいいのか?
「はっは、何でも歌うよ、私って何でも歌えるからねぇ」
微笑んで控えめな笑い声をあげる彼女、くわぁー萌えるわぁ~。
「うぅ~その顔、私が何でも歌えないと思ってるなぁ~?」
「いやいや、信じてるよ、シャルさんって高スペック少女だからね」
「分かればよろしいのよ、はっはっは」
ワザとらしく笑って、ふんぞり返るようにソファーに凭れる。
「やあやあぁ~やってるぅ~」
ああ(此処から会話文の先頭に発言者の名前を挿入します)、煩いのが介入してきた。
俺・やってるぅぜぇ! イリス!
リリー・あんた! 私のことビッチって思ってるでしょ!この!
俺・うるせえ! お前は見た目からしてビッチだろうが! このビッチが!くわぁ!!
突然変な言い掛かりをつけて、俺の首をロックしてこようとする少女、この展開前にもありまくった。
彼女、長い青髪が麗しい、しかし軽そうな表情と声色で、そのなんだ、軽そうなのである。
レイア・まあまあ、尻が軽いというのも、それはそれで個性になるんだぜ?
フォローするように介入する、黒髪の美女。
こちらは大人の雰囲気を醸し出す、貞淑だが華やかな印象の女性である。
俺は一時、ビッチ論争に巻き込まれる。
イリスは”こういう話”に疎いのか苦手なのか、向こうの方のレイルに話しかける。
イリス・やってるぅ? レイル!
レイル・なになに? イリスうんこ?
イリス・はぇ!!? なにそれ!
レイル・なんか響きがよくない? ねえねえ! 新しいニックネームてか愛称にしようよ! あんたの!
イリス・うえぇ~~ん! やだよ!!
レイル・わっはっはぁ! イリスうんこイリスうんこぉ!!
黒茶髪の一見清楚で、まるで深窓の令嬢のような美少女が、アレなワードを連呼してるのを見ると、なんとなく残念である。
陽気な笑い声を上げながら、無茶な話題をイリスに展開している。
あれは恐らく、天然を装った確信犯ってか意識的、皆の人気者であるイリスに嫉妬でもしているのだろうか?
リリー・ねえねえぇええ! イツキ! この中で誰と一番セックスしたい!!
コーラ噴いた、流石ビッチだ、下ネタがストレートすぎる、ビッチ関係ないかもしれんが。
俺・しらんわ! んな質問してんじゃねよぉ! このビッチがぁ!
リリー・うわぁああ、またビッチ扱いされたぁ!!
笑い声で話すような特徴的な声、まったくどこまでもノリも何もかも軽い奴だぜ。
シャル・ちょっとちょっと、そういう会話自重しようよ。
リリー・うーんそうだねシャル! こんな場所でイツキを発情させたら大変だし、この変でやめとこかぁ!
シャル・うん、帰りにイツキを連れ出してから、ヤッてね。
俺・ちょ、シャル、変なこと言わないでくれよぉ!
はぁ、こいつらは何を考えているんだ、貞操観念ゼロかぁ。
イリス・みんなみんな~トップバッタァーは私たちのデュエットでいいかなぁ↑
レイル・オーケーオーッケー! ア○カツおじさん行っちゃうよぉ!
俺・おーいけいけ!
この二人の歌唱力はそれなりである。
特にレイルは歌が大好きで、毎日歌ってもいるらしく、とても上手く聞きごえたがあるのだ
そして案の定、即刻アイドルで売り出せるくらい(見た目的にも二人はハイレベルである)と思わせる、素晴らしいカラオケが披露されて、みんなのテンションが更に上がる。
リリー・よぉ~し、次は私とシャルだねぇ!
シャル・しょうがないな、真打登場といこうかぁ。
シャルがカッコつけて、リリーが浮き浮きとマイクを受け取る。
この二人は特に仲良しである、仲間内で百合疑惑が沸く位には、である。
だからか、とても息のあった、傍目から見てなんとなく仲の良さが滲み出る、微笑ましい感じであった。
レイア・それじゃ、余りモノ同士でやる? デュエット?
俺・レイアが一人で歌うのも、ありだぜ?
レイア・ふたりで歌いましょう、○執事知ってるわよね?
まじか、コイツとアレを歌うと、なんとなくBLな雰囲気になるんだが、まあいいか。
レイアは美女だが、まずハスキーボイス、さらに宝塚の男役のような感じがするので。
そして案の定、というかレイアが意図的に、そういう流れに持って行った感だ。
レイア・どうして僕を、、、こんなに惹きつけるぅ!
俺・あくまで、、、執事ですから。
他の四人・キャぁあああああーーーー!!!!
黄色い声が煩いってか超絶に恥ずかしいんだが、、、。
レイア・はぁっは、満足だったね? イツキくん。
先ほどのショタボイスを改め、普段の声で声を掛けてくる。
その声音はなんとなく、やってしまった感のある感じで、こちらを窺うようなタイプだ。
はぁ、しゃーねえな、こんなコイツじゃ駄目だぜ駄目駄目。
俺・おおぉ!! 最高だったよなぁ!! ベーコンレタス最高!!!
リリー・うわぁ!! ホモだホモだ! 真夏の夜の淫夢! うわっはっは!
レイア・ちょ、それはちょっと、ごめん。
レイル・イツキ君ホモだったの? キモぉ。
シャル・えと、、強く生きろ。
イリス・ねえねえぇ、次何歌うぅ?? 、、、ああえと、ホモも場合によっては良いと思うよ!
全員が流れるように、上手い具合に重なるように、ハイレベルな突込みをくれる。
俺・うるせえ! レイアのフォローで言っただけだっつの!
リリー・はっはぁ! そうだよなぁ! イツキは生粋の女誑しだもんなぁ!
俺・おいおい! 俺の何処が女誑しなんだぁ!!
リリー・なんだよなんだよぉ~~、ここの皆とセフレな癖にぃ~~~!
あっけらかんと語るリリー、、、まあ、そこら辺は伏線として、ずっと秘密にしとくか? 末永くお蔵入りさせておこう。
てかっなにかを察したイリスの号令で、他の奴が俺とリリーを隔離する布陣を敷いてきた。
おいおい、こりゃ不味いぞ、調子に乗ったビッチリリーを俺に嗾けてくるパターンだぞこりゃ。
リリー・おいおいぃーイツキぃ~、私とエッチしたいよなぁ!!
俺・うわぁ、やめろ! 抱きついてくるなぁ!!
ふかふか椅子だから大丈夫だが、柔らかい少女の身体が大胆に覆い被さってくれると、マジで色々ヤバイ!!
リリー・普段いろいろ頑張ってるイツキにご褒美だぁ~、ベロチュゥーしてやるぅ~深くなぁ~~。
俺・うぎゃぁあああ!!!
唇を窄めて、顔を超接近させてくる、ヤバイヤバイ! やばいよぉやばいよぉ!!!
リリー・なんだよぉ~発情しないかぁ? 興奮しないかぁ? しょうがないなぁ~裸マント位にはならないと駄目かぁ~。
そう言って椅子から立ち上がり、ついに服を脱ぎだしたので、四人のレフリーに止められ抑え付けられる、もっと早く止めんかぁ!
シャル・あっはっは、羨ましいくらい、よい見世物だったよ?
俺・シャル、リリーを教育、もとい、ちゃんと調教してくれよぉ。
リリー・やったぁ!!! シャルになら私! 調教されてもいいよ!!
シャル・うぅ~~ん、おことわり申し上げますぅ。
またも毎度お馴染みアレな話題になっている。
しかし多少難易度が高いのか、他の三人はちょっと引き気味で、別に何か話している。
レイア・さてさて、君達の百合は、いつ頃見られるのかねぇ?
ああ、あんま変わらんのかもしれない。
レイル・そうだねぇ~それはちょっとタダじゃ~見せられないねぇ~。
レイルがニヤッとしながら、冗談な口調で流すようにする、イリスは見守りの姿勢だ。
レイア・そう? それじゃ幾らくらい出せばいい? お金あげるからさぁ~。
ちょ、大人の女性っぽい彼女、つまり経済力のあるタイプのキャリアウーマンが言うと、なんか冗談っぽくなくて怖いぜ。
レイル・あ~そうだねぇ~それじゃ大体、一回ひゃくまんえん位かなぁ~↑
絶対に冗談にしか聞こえない、上擦り過ぎた変な声で応える。
レイルはこういう応酬に慣れているのかもしれないね。
コスプレとかで、夏と年末のアレとかに行ってるとか言うし、あしらい方にこ慣れているのかも?
そういう節がまま垣間見えるから、こういう展開でも安心感がある、だからみんな無茶振り心を彼女にはアンマ抑制しない、とういか止められないのか?
イリス・私はノーギャラで百合るよぉ~レイル大好きぃ~~!
なんとなく緊迫した空気が漂いだした場を読んだか、イリスがレイルに抱きついた。
レイル・イリスうんこ臭い。
イリス・むぅ~~ひどいよぉ! でもレイルは凄く良い匂いするよぉ~!
レイア・あれぇ? これってギャラ払ったほうが良い?
そんな漫才的なやり取りが、こちらの大立ち回りの向こうで平和的に行われていた。
リリー・イツキ! もういいわ! 貴方を殺して私も死ぬ!
シャル・ふん、それじゃ、私も二人の後を追うよ!
俺・おいおい、どっから昼ドラ展開になったぁ!
途中からまるで口調が演劇的になり、この二人ツーカーで特有の声劇的なノリになっていた。
リリー・あっはっはぁ! イツキが大好き! イツキも私のこと大好きだよなぁ!!
俺・ああ、まあ、俺も好きっちゃ好きだよぉ。
おいおい、こんな風に無垢でまっすぐな好意をぶつけられたら、こちらは弱いぜまったく。
シャル・むぅぅぅぅ、、、。
シャルは恥ずかしがりや、というかムッツリというか、なので、こういう時に乗ってこない、というか来れない、だから。
俺・おいシャル、こっち来たいなら、こっち来いよ。
俺がそんな事を、気を使って言うと、シャルはハッとしたような顔で目を丸くした。
シャル・むかぁ~~つくぅ~~!!!
こちらの鳩尾を狙って突撃したかと思うと、頭を腹に埋めたまま、すすっと近づきピトっとくっ付いてきた。
俺・ははは、可愛いやつめ、愛いやつめ。
シャル・この、調子にのって、何時か凄く痛い目をみますよぉ?
俺・シャルは妹キャラが映えるよなぁ~俺のことお兄ちゃんって呼んでよぉ?
シャル・お・に・い・ちゃ・ん!!! 死ねぇ☆!!!
シャルは凄く明るい声で言ってくれた、アンマシ受けなかったぽいぞぉ? これは。
イリス・まだまだカラオケ大会続くよぉ~! 二週目行ってみよx~~!!!
イリスが、みんなの雑談がひと段落したのを見計らい、そのように号令をかける、カラオケ大会はまだまだ終わらない。