ノールマテリアル-何でもない?休日の話1
カツンカンと螺旋階段を下りてくる甲高い音がする。
聖なるを体現する豪奢な黄金色の長髪、幻想の女神のような非現実的とすら思える存在がそこには居た。
「あら、貴方は」
最後の後、地面に降り立った女を、待っていた対手がいた。
「貴方の命運も、ここまでです」
閉鎖空間に響き渡る威圧的な声音。
そこに立つ黒茶髪の女は、空気粒子すらも切り裂くような鋭い眼光を眼前の敵に向けていた。
「はっは、私の命運を? 貴方が? 笑わせてくれるわね」
「無軌道なる最悪足る、貴方を滅ぼすために、私はあの人との誓約を果たす為にも、立ちはだかります」
「まあいいけど、それじゃ、さっさと散ってね」
その声とともに手元に剣が現れて、、、。
「カァッット!!!!」
「うるさいわね」
「うるさいとはなんだぁ!! 俺は監督だぞぉ!げぼあぁ!」
「はいはい、それでなんですかぁー」
「ちょっとぉ♪ シャルちゃん! お兄ちゃんを苛めすぎだよ♪」
「いいのよ、コイツは常に全力で調子に乗ってるから、鼻柱へし折る感じで凹ませないと駄目だわ」
「ぐぐぅうう、貴様ぁぁあ」
「あっはっはぁ!!なんだか楽しい気分になってきたわぁ!あーはっはっは!」
「うわぁー、なんだろうこれぇ、レイルも変な気分になってきたよぉ♪」
ところ変わって場所変わって。
まだ昼を回って幾ばくもない、都市の雑然としながらもスッキリとした喫茶店内にて先程の三人が居た。
今日は彼女達にとって休日であった。
だから映画研究同好会はその部活動名に相応しく、雰囲気のある場所で先程のようなモノを撮っていたのだが、、。
「あーあ、休日返上で付き合っていたのだが、思っていたよりも楽しくないわね」
「お前がやりたいって言ったんだろう、俺は別に悪いとは思わんかったぞ」
「作るのと見るのは、やっぱり違うねぇ♪ でもレイルは楽しかったよぉ!」
差し込む陽光にもキラキラと反射を返す金の長髪の少女は、コーヒーを啜りながら気だるげに言い。
それに対して少年は青汁を、少女は大好物のオレンジジュースを飲みながら反応を返す。
三人が三人とも、まったく違った飲み物を嗜みながら今日を批評していた。
「意外とコレ不味くないぜぇ」
少年はニヤリと意地の悪い笑みを演出し、黄金の少女を流し見るようにする。
「残念だわ、あと今思ったのだけれど、貴方の原作が悪いと気づいたの」
「ならお前が作っとけばよかったな」
「あれ? そんな反抗的な態度とっていいの?」
「なにしてくんだ」
「力任せに引っぱたくわ、その歳でお尻ぺんぺんされたい?」
「横暴すぎるだろ」
「二人ともぉ♪ なんだか面白そうな話してるねぇ♪」
「いやいや、面白くないだろ」
「貴方どうせ変態だろうし、きっと面白い話になるわよ」
「ならんわ、変態扱いやめろ、俺はまとも過ぎるくらいの人間だ」
「ふーん、だったら開発するまでよ、問題なし」
「はぁーあぁ?意味の分からない話止めろ、、それで? 飽きたんだろ、これから何すんだ?」
「愚問ね、貴方を苛めて遊ぶまでよ、最高のエンターテイメントよコレ」
「駄目すぎるだろそれ、ちゃんと考えろよ」
「私は本気よ、レイルも、この憎らしい兄貴を蹂躙したいわよね?」
「うーん、、、、、面白い話だとレイル思うかなぁ♪!」
「おいおい、やめろやめろ!」
「それじゃ、とりあえずホテルでも取って、そこでお楽しみと洒落込みますか」
「ばか、やめろ、既に決まったみたいに席を立とうとするなぁ!」
「往生際の悪い、それじゃ貴方がビックリするくらいに面白い代替案を提示しなさい」
「そんなん簡単に思いつくかよ、適当に駄弁ってりゃいいだろう」
彼は若干拗ねたような声音で、言い捨てるように言った。
「はーあ、ガッカリね、貴方全然駄目だわ」
「なんとでも言え」
「心の底では、私を変態的に蹂躙したいって思ってるくせにクールぶっちゃって、最低なるクズの分際で、、、」
「お前がそう思ってるんだろ、この変態」
「なっなんですってぇ!」
「シャルちゃん♪ お店で大声は控えないとだめだよぉ♪」
「ぐぅっそうね、、。
それにしても貴方、最近わたしに対して態度が大きいんじゃないの?」
「そんなつもりないしぃー、だいたい俺とお前同い年ぃー、訳わかんない事言うなしぃー」
「やっぱりこの男調教しないと駄目だわ」
「はぁっ、誰がそんなことされてやるもんか」
「マジでとんでもなくムカつくわぁ!」
「お前、そんなに怒ってて、疲れないか?」
「はぁーはぁっはぁ、こいつ、、、こいつはぁ、、思い知らせないとぉ!」
「ふん、なにしてくるつもりだ」
「美人局で貴方の人生終わらすわ」
「逆に訴えてお前の人生終了させてやんよ」
「二人ともぉ♪ 凄いラブラブだねぇ! レイル羨ましくなっちゃうよ♪」
「はぁ!?? こんなゴミ興味ないわ! 嫌いよぉ!」
「なんだとこのやろう! 好き放題いつも言いたい放題、何時か痛い目みるぞ」
「あ!!その発言!女性に対する性的暴行を脅迫する発言!貴方を警察に連行するわ!」
「うるさいんだよ!おまえは!」
「あっはっは♪ おもしろいおもしろい♪」
「ふんだぁ! どうせ貴方なんてぇ! 家に帰ったら、私を陵辱するようなクソみたいな変態妄想でオナニー、自慰してんでしょうがぁ!」
「はぁ?! 馬鹿かお前はぁ、てか、お前がそういう妄想で家でやってんだろ」
「汚らわしい奴! だいたい私はそういう事と無縁な、潔癖な女よ」
「知るか、だいたいんなこと聞いてない!」
「はぁーやだやだ、男はみんなそう、グラマラスで類稀な美貌の私を好き放題したいって思ってるのよ、汚いったらありゃしない」
「自意識過剰過ぎだろ、常識的に考えろ、そももっと肩の力ぬけよ」
「クールぶってんじゃないわ、私のこと犯したいと思ってるくせにぃ!」
「お前、、いったい何がしたいんだよ、、、」
彼が剣幕に唖然としていると、肩を定間隔でぽんぽん陽気な声。
「つまりねシャルちゃんは、欲求不満なんだよぉ!お兄ちゃん♪」
「そ、そうか、つまり日照ってんのか、、」
「分かった風な事いわないでぇ、私の事なんて、みんな真には分かってくれないんだから」
「そりゃお前、、」
「もういい帰る!」
「溜まったからか?」
「馬鹿にしてんのかぁ!オマエハァあああ!」
「いや悪い、ちょっとおちょくっただけだ、お前なんか最近かわいそうだなっと」
「クソっクソがぁ!
貴方だって、どうせ私と同じ!
いえそれ以下のくそゴミみたいなどうしようもない奴のくせにぃ!偉そうにぃ!!」
「別に俺は偉い偉くないとか、そういう事に興味ないんだが、、」
「はん!ふん! 余裕ぶっちゃって!?? なにそれ!!?
貴方なんてわたしみたいな絶世の美女が目の前に居るのに何も出来ない、ヘタレっヘタレチキンなんだからぁ!!!」
「おい、このやろう、、マジで一体今日はなんだぁ? 厄日かぁ? 女難なのかぁ?」
またも肩を叩かれて能天気な声。
「お兄ちゃん、気づいてあげなよ」
「んあぁ?」
「誘ってるんだよ、シャルちゃんはぁ♪」
「はぁ、誘ってんのか、おまえは?」
「はあぁ!!そんなわけないでしょうがぁ!!身の程を知りなさいっ!このゴミっ!ゴミい!!」
「だよな」
「ふぅ、、そうよ、勘違いしてるとぶっ飛ばすわよっはぁ、はぁ、、」
「、、、、スッキリしたか?」
「けっ!蹴っ飛ばすわよ!!!」
「おいおい、悪い悪い、からかい甲斐のある奴め、落ち着けよ」
「はぁっはぁ、、ふぅ、ふぅ、、、」
「なんだかシャルちゃん気持ち良さそうだねぇ♪」
「ばっ、ばか、なに馬鹿なこといってるのぉ! そんなわけないぃ!」
「さて、シャルがスッキリしたところで、そろそろ出るか」
「そうね、貴方をどっか軟禁して、どうにかこうにかしないといけないしね」
「あはは、怖いこと言うなよ」
「ふっふん♪ ふっふん♪」
「レイルどうした?」
「べつになんでもないよぉ♪ ただ機嫌良く鼻歌をうたってただけぇ!」
「そうか、お前はいつも愉快だな」
「はっ見習いなさいよ貴方、いつもカッコつけてムカつくのよぉ!」
「おまえ、実は俺に苛めらでもしたいのかぁ?」
「なっなによ威圧してぇ、ぶっ飛ばすわよっ」
「言っとくが、俺にエスの気はないから、あんまそういうこと、期待しないでくれよ?」
「ばっか!ばっか! マジでばかぁ!!
あんたなんて超絶ドエムの人間の屑でしょうがぁ!なに言っちゃってんのぉ!マジお笑い種なんですけどぉぉお!!」
「こいつの泣き顔がみたい」
「わたしは貴方の白め剥いてアヘッてる顔拝みたいわよぉ!!」
「シャルちゃん♪ 小さい子供も居るからねぇ♪ 多少は過剰で刺激的な表現は抑えよぉ♪」
三人はとりあえず喫茶店を出た。
それから、午後をどう過ごすか、議論に値するほどに長々となにかと言い合ってから、決めることになったのだった。




