ムゲンゲームワールド物語-??ルート
少し前から、俺はゲームの世界に迷い込んだ。
なぜゲームと分かるかと言えば、このように、、、レベル1、その下に各種ステータスの数値が延々と連なる。
俺のステータスのような、半透明の画面、これを呼び出そうと思って実際に思えば、何時でも簡単に中空に浮かび上がらせる事ができる。
目に見えてゲームっぽいだろう、これがこの世界をゲームと思った始まりの一だ。
このような操作方法は、此処に来た時点で既に頭の中にあった。
ゲームの説明書の内容を、何時の間にか刻み込まれていたのだ。
此処は”最下層”と呼ばれる町だ。
俺は此処、町から離れた事がない。
なぜなら、初めにこの最下層の町の隅、泥の泥濘みたいな所で目覚めて、初めて話した村人にこう言われたからだ。
”町から一歩外に出れば、魔物に襲われるかもしれないから、気をつけろ”だ。
だれが好き好んで外になど出るものか、という話だ。
周囲には沢山の人間がいる。
しかし、俺と同じような奴は一人も居ない。
なんの目的があるのか分からない、何かしらこの世界で意図と意志を持った沢山の人間がいるだけだ。
俺は孤独にずっと、隅の方でボウッとしていた。
「貴方は、浮浪者か?」
「知らないが」
どれくらいそうしていたか、時間の感覚は薄い。
町の中央には時計がある、元の世界と似たような奴だ、だが視界には入れていなかった。
俺は目の前の人間を見る、今まで俯いていた。
「うおぉっ」
「っっう、どうした、いきなり、ビックリするじゃないか」
視界には金髪碧眼の少女がいた。
視界に入れた瞬間に驚愕するくらいだから、彼女の見た目は何かしら相当なモノ、俺にとってインパクトがあったのだろう。
そう客観的に自分を見て、新たに気づいた点。
彼女の服装は、元の世界のモノだったのだ。
「お前、もしかして俺と同じ?」
「何が言いたいのか、概ね分かる。
そうだ、私も先程ここに来た。
貴方は、ここが何なのか知っているか?」
何か高貴な雰囲気と言葉遣いだと思いながら、俺の知る限りの事情を説明した。
「なるほど、ならば、なぜ貴方はこんな場所で蹲っていたのか、最初の問いに戻りたい」
それは俺でもよく分からない話だ。
いきなりこんな場所に放り込まれて、唖然とした心持だったのだろうと思う。
「いきなりだったからな、心を落ち着けていたんだ」
「そうか、元の世界に戻る気は、あるか?」
この口上からして、彼女にはあるのだろう。
俺は今の心情を正直に答えた。
「あるにはあるが、大きな危険を犯したくはない。
元の世界に戻るには、何か、例えばこの町の外に行かなければならないとか、危険が付き纏いそうだ」
彼女は俺の言葉を聞いて、いぶかしんだ。
「町の外には、危険があるのか?」
なるほど、まだ此処に来たばかりだといった、まだ村人から話を聞いてないのか。
「そうだ、村人が言うには、魔物が外には出るらしいんだ」
その事実を聞いて、彼女は一度難しい顔をする、しかし直ぐに元の平常の表情で言う。
「ならば、その魔物を回避するか倒すかして、外には行けないのか?」
「、、、そこら辺は、まだ分からない」
あと、魔物を倒すならともかく、迂回するってのは俺の考えにはない。
ゲームにおけるエンカウンと率が低くても、100%出会う想定で、俺は外に行くなら考える。
「なるほど、貴方はここでどの程度、情報収集をしたのだ?」
「少しだけだ、ここに来たとき、見かけた村人に声を掛けて、それっきりだな」
「ならば、まだ何か知れたり、得られたりするものがあるようだな」
彼女は前向きな声でそう言って、蹲る俺に手を差し伸べる。
「うん?」
「ともに、ここで情報収集しよう」
俺はその希望に溢れる瞳に、心動かされたのだろう。
俺だって元の世界に戻りたいのだ、心の底じゃなくても、そういう思いは生存している。
だから、誰かに背中を押されたりすれば、割と簡単に動けるようだ。
それに、この少女を一人にするのも、男として格好のつかない話だ。
「そうだな、まずは、そこから始めよう」
俺はその少女の手を取って、とりあえず町の隅から腰を上げた。




