プロローグ
そりゃあ俺は孤独が好きだった。
周りの奴らなんかただのうざいやつ、うるさいやつでしかなかった。とにかく戯れていなくならないように縋ってしがみついて依存して…。
そんなこと何が楽しいんだて内心思うばかりだ。
中学の時はずっと周りにイライラしてばかりだった。だからそんなことにならないよう最初から孤独が好きだと言っておけばいい。
全部が上手くいくなんて思ってはいないけれど、中学のときに比べたらマシになるだろう。
そう俺は思っていた―…。
高校の合格発表の日。俺は手に持っている受験番号と貼り出されている合格者の受験番号が一致していることを確認すると小さくガッツポーズを作った。
まずは親に報告だ。そして担任にも報告をしなくてはならない。
しかし今はそんなことよりあの日々から抜け出せられるということが嬉しすぎてとにかく喜ぶしかない。あんな日々はもう過ごしたくないんだ。そう高校でリセットだ。だからあえて同じ中学のやつらが来ないような高校を選んだ。そんなやつは俺以外にもきっと何人かはいるだろう。
電車で片道2時間。笑えないくらい遠いけれどその辺は仕方がないと思っている。遠いところに行かないと同じ中学のやつらと一緒になってしまうだろう。しかし遠いところに行けばいても一人か二人だ。しかし俺の中学からこの松島高校を受けたのは俺一人と担任から聞いている。
俺は全てが上手くいったのだ。
クスリと笑みが零れてしまったけれど、こんな場だ。俺を怪しいという目でみる者は誰一人いなかった。それどころか周りでは友人と手を取り合って泣いている人もいる。馬鹿馬鹿しい。俺はそんなふうに思えてしかたがない。すぐにそいつらから目を離した。
ああいうやつらは絶対に関わりたくない人ベスト1だ。とにかく避けたい。戯れなんて馬鹿馬鹿しいだけじゃないか。お子様がやるような。
俺はそんなことをしなくても一人で生きていけるんだ。
そう思っては高校を背にし駅へと向かった。