怪奇事変 出会い系アプリ
ちょ~っと今日は色々と濃い話…かも?
第十五怪 出会い系アプリ
『LIME教えてよ~』
『え~、どうしようかな?』
『やっぱりダメ?』
『んー……』
『お願いだよ~、そしたら毎日LIMEできるじゃん』
『毎日はな~……』
『ミナちゃんとご飯行きたいし、ちゃんと良い所抑えてあるから、ね?』
『んー、ユー君カッコイイから教えてあげようかな』
『よっしゃ!』
そうして相手から贈られて来たLIMEのIDを記録し『また明日』と言い、連絡を終えると、念の為、相手が本当にLIMEを教えたか男はLIMEを送る。
『アプリであったユーだけど、名前は?』
『ミナだよ!』
『ありがとう!明日は17時からで良い?』
『OKだよ!楽しみにしてるね♡』
「……ちょろ、馬鹿女」
男はほくそ笑み、新たに得た情報を登録して、再度アプリで次の女性を探していく。
男は自身の美顔を使い、巧みに女性を誑かしている。
目的は1つ、身体の関係――それ以上もそれ以下もあり得ないのだ。
それともう1つ、あとは莫大な資金提供だ。
「身体さえ重ねて優しくしてやりゃ金なんて無限に入るんだよ、バーカ」
「お!またやってんのか?」
別の男が美顔の男に声を掛ける。
「智樹、見ろよ。馬鹿女共がこれから俺に抱かれるってのに、何も分かっちゃいねーよ」
「和希、お前はマジで顔に助けられてるよな~」
「まぁ俺は神に選ばれたってやつだよ、ア?」
そう言って眉間に皺を寄せる、アプリ以外からの連絡先から通知が入っていたのだ。
「チッ!ま~たあの馬鹿女だよ」
「誰だよ、ソレ」
「あ~前にヤッた女、妊娠したとかで子供がどうのこうのってうるせーんだよ」
「あ~ダルイな、それ」
「さっさと墜ろせよっつんだよ、ガキの子守りも、あの女の夫ってのも想像しただけで吐きそう~」
「顔は可愛いんだろう?」
「顔だけだっつうの、自分が面倒な女だって自覚できない認知馬鹿な女だっつううの」
しかし内容は至って心配を装う内容の優しさの文章で送り返した。
「マジさ、ゴムしろよって話だよ、つうかゴムに穴開けてるとかふざけんなっつーの」
「ゲッ、妊娠希望?キモ!」
「キモイだろ?お前も顔だけの女は遊びだけにしといて、適当な所で捨てておけよー」
「OKOK!飯食いに行こうぜ~」
「ああ」
そう言って携帯を放り投げる。
投げた携帯は所謂、2台目の携帯であって本命の携帯は別に持っている。
彼、湊本和樹は所謂、紐男と呼ばれる存在だ。
自身の美顔を利用して、本物としてアプリ内で活動しており、幾人もの気に入った女性にメッセージを送りLIMEを交換し、そして食事を取りつけて、最終的には肉体関係に発展し距離を縮めていく。
和希はこの手法で幾人もの女性を謀り、同性しつつ金を請求して、適当な場所で女性を捨てて行った。
幸いにも被害に遭った女性からの追跡なども合ったが、先ほどの友人である溝口智樹の協力も合って、何度も手助けされている。
手法は至って簡単、和希の元に来た女性は終電までお酒を入れた料理を楽しみ、逃した終電を理由にホテルや家に連れ込み、無理やり身体の関係につなげ、次の日に口約束ではなく、本気で愛していると伝える、その後、何週間か相手の家で同性を始めつつ、様子を見ながら挑戦しようとしてる事業の提案ををする為、予め用意しておいた資料を使って説得力を上げて、軍資金と称した金を巻き上げる、そして適当な所で家を出て連絡を絶つ。
「(もしそこでしつこく捜査をしてくるなら――)」
智樹の出番だ。
過去にしていた営業力を使って弁護士となりすまして、追ってを巻く為の手段を模索する。
結論としては法廷で裁くために必要な費用と、それに伴う証拠が揃っていないと証言を作るのは難しいと言って諦めさせるのが智樹の役割だ。
「(ま、領収書から全ての証拠は俺が持ってるんだけど)」
そう、和希には抜かりが無い。
全ての証拠元を抑えつつ、絶妙な塩梅で金を徴収し、逃げる……それが“欲望に溺れた”男達の最悪な手法だった。
そして今日もその騙し取っている金で飯を食いに行く、それが彼等にとって最高の日常なのだ。
「お前も大概にしとけよ、ストックは1人だけにしとけ」
「良いじゃねーかよ、法律で禁じられてる事を白昼堂々とやれるってのも最高だぜ?」
「跡が付いたらヤバイから、いい加減にしとけ」
「それを言うならお前もだろ?それに、俺の所にくる女は――憎しみに満ちた表情で復讐の為なら肉体だって!って感じがたまんね~んだ」
「キモ!何が良いんだよそれ?」
「良いんだよ、閉まって最高なんだよな、お前の話を出した時とか♪」
「キメ~」
そうして2人は飯を食って食後にそれぞれのこれからの経緯を話し、終わる。
今日捕まえた女を抱いて、そして次の餌も見つかってる状況、あと500ぐらいはほしい、なるべく金持ちの女も捕まえないとっと和希は思考を展開させて眠る。
その傍らに投げ捨てられる様に置いてあった携帯には光が灯り、通知が何十件も入っていた。
――翌朝――
「チッ、ま~たあの馬鹿女から連絡が入ってやがる」
通知には不安そうな内容ばかりであった。
『起きてる?』『不安だよ、ちゃんと産めるかな?』『気持ち悪くて吐いちゃった、ごめんね、食事中だったら』『私、まだお父さんとお母さんに言えてない』
『名前は何にすればいいかな?』『寝てるの~?』『画像で子供用の靴下編んでみました~、暖かいよね?』
「ウッザ」
携帯を放り投げて洗面所に向かい顔を洗い、ワックスを付けイメチェンをしていく。
今日は大事な日だ、女を獲ると言う意味で。
「「乾杯~!!」」
2人は夜景の良いレストランで食事を取っていた。
料理は華やかな物ばかりで、当然、終電を終わらせるためにワインを用いてなるべく遅い時間帯に指定してある。
「(もし途中で帰るとしても、智樹がスタンバイしてる)」
スタンバイっと言うのは言わば数人のメンバーを従えてナンパ師になってもらう役割だ。
そこを和希が登場して救う――が、時刻を見ながらの勝負となる。
「(できる限り、この女を酔わせた状態で抜けるのがベスト、ホテルまで連れていけば後はなし崩しにできる)」
問題はもし途中で時刻を気にする素振りを見せ始め、帰る選択肢をとった場合だ。
智樹が居るとはいえ、ナンパ相手に立ち回ると言っても、本当にその様な場面に直面したら逃げるか、ボコボコにされるか、倒すかの三択しかないだろう。
「(長引けば怪しまれる、それだけは避けねーといけないし、そもそもこの女がその最中に逃亡したら面倒だ)」
目標は時間の拘束、それには話術だって必要だ。
なるべく時間を稼ぐ、時間を。
「今日は一段と綺麗だね?」
「何ソレ~?他の女に言ってる台詞?」
「写真だよ、俺は写真でしかミナちゃんを見た事ないから」
「ユー君も、写真と違ってお洒落だし、カッコイイ!」
「そう?俺としてはミナちゃんを立てられる様な恰好で来たんだけど」
「そうなの!?嬉しい!」
気分は上々、馬鹿女がっと内心ほくそ笑む。
なるべく食事もコース料理にしているので時間的にもまだ余裕がある状況だ、先に帰ると言う事はないだろうから、先に段取りを確認しておこう。
「ごめん、少し手洗いに行ってくるよ」
「うん!待ってるね」
トイレに向かい、個室に入るなり智樹にLIMEで連絡を取る。
『順調、さっき写真撮ったから送る』
『美人じゃん!』
『逃げたら面倒だから、店から出たら確保して予定通りに』
『いつもな、OKOK』
携帯をポケットに入れ、トイレから出ようとすると小柄な男性に当たってしまった。
「……すいません」
「……」
つい暴言を吐きそうになってしまったが止める。
誰が何処でみてるから分からないからな、それにもし向こうが固執するタイプなら面倒だ。
なるべく敵を作らない様に考えようと出て行く中で、微かに嗅いだ香りがある様な匂いがする。
「あの……」
だが小柄な男性はトイレの個室に籠ってしまい、それ以降会話はできない。
「(待つほど余裕もないしな、気のせいか)」
だが間違いじゃなければ、アレはしょっちゅう送られてくる身籠った女が出していた匂いと同じ香りだった。
「ミナちゃんお酒強いんだね?」
「ゆ、ユー君も、のみな…よ~?」
「ハハハ、じゃ頂こうかな」
もう完全に酔いつぶれている、智樹の作戦は必要なさそうだと思うと、店員がこちらに向かい会話に混ざってくる形で警告をしてくる。
「お客様、そろそろ閉店の時間でございます。楽しい時間を満喫できましたでしょうか?」
「|はい、最高の時間でした《チッ!余計な所で来やがって》」
「え?も~お~?」
「ミナちゃん、お店の人にも迷惑がかかっちゃうし、もしミナちゃんが良ければもう一軒行かない?」
「え~でも~」
「まだ飲み足りないんでしょ?俺もまだミナちゃんと一緒に居たいし……」
「ユー君がそう言うなら、どうしよ~かな」
「|大丈夫大丈夫!もし飲みすぎちゃっても酔い冷ましあるし《さっさと行くって言えよ、クソ女!》」
「わ~かった、い~く」
「ふぅ、もうミナちゃんは」
「大変ですね」
「ッ!?え、ええ、全く」
急に声を掛けられたのはまだいた店員だった。
とっくに持ち場に戻ったかと思ったが、まだ即にいた様だ。
「あの……何か?」
「いえ、お気をつけてお帰りなられますようにっと」
「何もないですよ」
笑い飛ばすも、店員は顔色1つ変えずに続ける。
「いえ、階段が急になっている場所があるのでお怪我がない様にっと」
「あ~……はい、わかりました」
いけない、面倒だっと言う気持ちが前に出て思わずダルイやウザイなどと言った言葉が出そうになってしまった。
だが店員の忠告も最もだ。
こんな極上の餌を前に怪我でもされたらたまったもんじゃない。
「会計はクレジットで」
「畏まりました」
伝票差しにクレジットを受け取り、そのまま会計に向かう。
その間、ミナと呼ばれる本名ではない名前を使う女性を介抱していると、向かい側に帽子とコートを着た小柄な人物と目が合った気がする。
アレは先ほどトイレで出会った人物だ。
「(なんだ、気味が悪い)」
警察っと言う線も捨てがたいが、店は1人1人変えてチョイスしている。
やってる事は犯罪者……いや、実際には犯罪に手を染めているからこそ、手法としては完璧なはずだ。
まさか――
「(さっき店員も中々離れようとはしなかった、自然な所作だが目の前にいるコイツとグルの可能性も――いや、バカバカしい)」
警察が関与しているなら何故この閉店のタイミングで来ない?
それが理由だ、万に1つのミスも許されない入念な計画だからこそ、絶対に失敗はしない様に細工してきたのだ。
「ユー君?」
「え?うん、なに?」
「はやくいこ~」
「はいはい」
席を立つと既に目の前の人物は消えていた。
作戦通り、今はホテルでシャワーを浴びている。
既に色々物事を片づけた後で、作戦は概ね成功っと言った所だろ。
口に着いた女の口紅を落とす。
「チ!無理やり口づけしやがって、酒くせぇんだよ、クソ女!」
吐き捨てる様に言い、汚れと言う汚れを落としていく。
言質も取れたし、あとは朝起きた時の楽しみって事だ、心配なのは――
「チッ!また通知か、しつこい女だな」
シャワーの蛇口を止め、フカフカの毛布の様なバスタオルで身体を拭きつつ、携帯を確認するとやはりあの女からだ。
『今日はお腹の子の為に健康の良い料理を作りました』っと最後に顔文字を入れてきやがった。
「いちいちしつこいんだよ、おまえは、とっとと墜ろせってんだ、んなクソガキ」
吐き捨てる様に言い放ち、まだ生まれた姿のままの女性の横に入り、今日の一連の報告を写真と共に添付し、智樹に送信。
『作戦成功!』
『おめ、ってかお前ばかり良い想いすんな!』
『時期にいらなくなったらやるよ、それまで搾り取るから宜しく頼むぜ、相棒』
『了解、ゲストもたまってるみたいだから消化頼むぜ?』
『はいはい』
そう返信して、横に居る幸せそうな女を見て不敵に笑う。
さて、コイツから幾ら巻き上げられるだろうか?っと。
「ユー君、ううん、和希君、またね!」
「愛優ちゃんもまたね!」
朝、2人とも起きて昨日の出来事が本当の事で、俺が本気で彼女に惚れて生涯一生幸せにすると近い、最後に電車の駅まで送った。
「色男~」
「おう、来たな、こっち来いよ」
そうして人気のない所に近づき約束の報酬を渡す。
「10万って所だな、あとは適当な配分にしといてくれ」
「了解ところで――」
「ああ、コレ?」
そうして手に持っていた物を見せる。
高級なネックスレスだろう、念の為調べた所相当な額の金額なのを確認できた。
「購入時の価格50万はする、マジたかがデートで気合入れ過ぎんなよな」
「ハハ、こりゃ良い!ついでにもう1品盗んでおけば――」
「そりゃダメだ。バレない為の策なんだからな、丁度“無くした”程度が収まりが良いんだよ、2つ3つとなると後々面倒になる」
「それもそうか、まぁ分け前はまた後で――」
「……そう言えば、俺が店から出て行く前に帽子にコートの小柄な男を見なかったか?」
「小柄な男?いや、見てないな……」
「……そうか」
「なんか気になるのか?」
「一度お前と連絡を取る為にトイレですれ違って、その後、酔った馬鹿女を介抱してたら前の席に座っててな、ずっと見られてた」
「マジか、察か?」
「あんな変な恰好でか?ハ!ありえないな、第一閉店マジかなら堂々と調査すれば良いだけの話だろうに」
「それも……そうか……」
「けど、店員もおかしかった」
「おいおい、なんか憑りついてるんじゃないか?」
「違うと否定したいが、そうかもな……会計の時にずっと居て、不気味だったわ」
思えば昨日の店での出来事は不可解な事ばかりだった。
この仕事は合うと思ってたがそろそろ潮時か?
別のビジネスの方向を模索した方が良いかもしれないっと考えていると、また携帯の通知がくる。
「毎回思うけど、そんだけ愛されてたら俺だったら大喜びだけどな」
「ばーか、コイツは自分の腹に飼ってるガキの報告が嬉しくて自分に酔ってる馬鹿女なだけだっつうの、本当」
『今日起きたら体調悪かったの、でもね、この子が動いたかだと思う』
「マジ……キモイわ」
ゴミを捨てる様に携帯をソファーに放り投げ、着替えの準備を済ませる。
「そう言えば、そっちの進捗は聞いてなかったな、訴え起こした馬鹿はどうなった?」
「あ?ああ、折れそうだぜ?探偵の調査依頼まで出しやがったからこっちで根回ししてそれっぽい奴を雇ったけど――」
「昨日はソイツか?」
「そしたら俺がその時そう答えてるだろうよ、ちげーよ。こちらから激安で頼み込んで調査依頼を出しとくって所で止めてある、それと――」
「ああ、もう良い」
「んだよ、ここからがいい所なのに……」
「どうせ抱いた話だろ?他の野郎の抱いた経験なんて聞かされてもキモイだけだって」
「それもそうか」
そう言って、智樹はホテルに置いてあったフルーツを齧り、一方和希は証拠が残らない様に徹底的に綺麗に清掃を済ませて行く。
締め切ったカーテンを開けると日差しが刺し、気持ちの良い天候が身体に降り注ぐが、そこでおかしなモノを見た。
「ん?」
向こうのタワーマンションからだ、何やら双眼鏡の様な物で、こちらを見ている様な――
「和希~?そろそろ出ようぜ?」
「……ああ」
気のせいか、腹部が少し膨らんでいた様な気がする、特徴的には昨日会ったコートの男と似ているが、腹部があんなに膨れていたかっと思う。
準備をすませて部屋を出る。
――数週間後――
ターゲットにした愛優は良い女で、身体を重ねて行くうちに自分が事業を始めようとしている事、それに参加しないか?っと言う誘いを受け取った事、それから彼女の自宅や実家に上がり金目の物を幾つか拝借できた事は、計画が順調に進んでいる証拠だった。
「そろそろか……」
頃合いを見て、彼女の連絡先をブロック状態にし、姿を眩ます。
何度か連絡か着信が着ていたが、ブロックしてからは音沙汰ない、多分そろそろ気づく頃だろう。
もう一本の電話から連絡がかかってくる、智樹だ。
「もしもし」
「和希か?愛優ちゃ……愛優さんが来たぜ?詐欺に遭ったって泣きながら」
「ハ!ばーか、詐欺に遭うお前の脳みそが足りねーって伝えとけ」
「んな事言えるかよ、段取り通り進むぜ」
「おう、楽しめよ」
そう言って連絡を切り、自宅、アジトで寛ぐと、また通知が入る。
流石に子供居ると言う証拠がある以上、コイツとの関係は切れないと踏んでいたが、そろそろコイツとの関係も見直さなきゃならないっと考え、携帯を手に取り通知を確認すると、そこには――
『良かったね!あの馬鹿女を騙せて!』
「は?」
『これで私達の赤ちゃんの養育費にもなるし、流石だよ、和希!愛してる♡』
「なん…だ、コレ」
頭がフリーズする、一体いつからこの事に気づいていた?
始末するべきだったか?いや、それはリスキー、流石に死人を出せば面倒事じゃすまなくなる、だから生かして来たし、放置してきた……それがダメだった。
「コイツ……!!」
携帯をぶん投げるも通知は続く。
拾い上げると更に不気味な文章が続けて送られていた。
『和希怒らないで!携帯を投げたら壊れちゃうよ!』
「ッ!?」
咄嗟に周りを見るも、誰も居る訳はない。
恐る恐る部屋の中を探すも、やはり誰も――
『そこじゃないよ』
淡泊なメッセージ、のあとに不気味な文章でこう書かれていた。
「後ろだよ♡」
――いや、囁かれた――
「ああ、和希との連絡も取れなくなっちまって、あの日以来、神隠しにあった様で見つからねーんだ」
そう仲間に話す智樹はこれまで仕事を受けて来た依頼人から、先々の仕事の予約の事で詰め寄られていた。
「知らねーんじゃねーんだよ!」
「お友達なんだろ?居場所ぐらい知ってるだろうが!」
その言葉が引き金となり、拳や蹴りと言った暴力を振るわれ、路地裏にゴミの様に捨てられる。
「ペッ!調子乗ってんじゃねーぞクソガキ」
「女抱けねーとかもう用ないわ~」
「死ね、馬鹿が」
思い思いの掃き溜めた言葉を吐き捨てその場を後にする。
ゴミに埋もれながら智樹は空を見て思う。
「マジ、何処いっち待ったんだよ」
その時、着信が鳴る、ただの通知だが――その通知の主は、和希だった。
「か、和希!?」
跳ね上がり、今どこにいるのか問いただそうとした所で、路地から腹部が膨れた帽子とコートを着た人物が現れる。
「な、なんだよ、てめーは……」
さっきの仲間か?っと警戒するも、帽子が滑り落ちると、そこには見慣れた顔の人物がいた。
「か…ずき?」
「と…も…キ」
コートが脱げると、トランクスだけを残し、腹部はボコボコの凹凸が目立つも、一番目立ったのは腹にある縫い目だった。
「タ…す……ケ」
本来肉眼で目視できない縫い目や音が聞こえた気がした。
ブチブチと破られる音と共に、肉が裂ける音、そして――飛散する肉片と共に放たれる無数の石礫。
それが最悪にも智樹の眼球に着弾してしまい、あまりの痛みに鳴き叫ぶ。
そして事を終えた和希は、そのまま力なく倒れ、そのまま流血したままビクビクと痙攣した後、動かなくなった。
「ねぇ?」
「ッ!?……いッてぇ!!…だれ、だよ!」
飛び散った石礫に当たった眼球から血を流しながら声の主に振り向くと、そこには小柄な少女で、お腹を膨らませた状態で見下ろされた。
「アナタも“妊娠”してみる?」
第十五怪 穢された出会い系アプリ
てことで、出会い系は気を付けよう!
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