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「異世界帰りの錬金術師は、祈る彼女と契約関係を交わして――世界を救う。」  作者: Lark224a


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第5話 召喚された他の勇者達 《中編》

王様から許可を貰った俺は、すぐさま開発に取り掛かった。


勇者を覚醒させる為に必要になるのは「人から魔力を奪う」のと「魔力を譲渡する」、この二つの機械だ。


双方で簡単に作れるのが「魔力を奪う」方で、これは錬金術の基礎を熟知していれば制作することが出来るので、後は奪う魔力量の調整機能と、奪った魔力を保管するタンクを大きくするだけで済んだ。


問題なのは「魔力の譲渡」の方だ。


これはヤバい。


魔力とは血液みたいなもので、「A型の人間にB型の血液を輸血すれば体は異常反応を起こす」のと同じで、魔力も合わない魔力を貰えば体が拒絶反応を起こして死に至る可能性がある。


それをどう乗り越えるのかが最大の難所になる。


ポーションをがぶ飲みさせて死なないように耐えさせるか?いや、そんなことをしても勇者が動けない時点で勝負にならない。それに、大量の魔力を受け取ったからといって勇者が覚醒する確証もない。


魔王を倒すには「勇者が全ての魔力を完全にコントロールする」ことが絶対に必要となる。


何か‥‥ないか?魔力を貰っても拒絶反応を起こさない方法は‥‥あるはずだ。


俺は必死に考えた。この戦いは絶対に勇者に勝ってもらう必要があった。それは国の為や人族の為ではなく、俺のこの自由な生活を守る為に俺は必死だったが、どれだけ実験を繰り返しても成果は出なかった。


そして、あれだけあった案もとうとう無くなり、完全に手詰まりになってしまった。


どうすればいいんだ。と、真っ暗な底なし沼を歩いているような感覚だった。今までこんな感覚になったことは一度もなく、最後はいつもどうにかしてきたのに‥‥今回ばかりは何の妙案も浮かんでこなかった。


あ~ダメだ。ちょっと息抜きするか、と久しぶりに部屋を出て街を歩くことにした。


召喚されてから実験と勉強ばかりで城から出たことがなかった俺は、初めて見る異世界の街にちょっとした感動を覚えていた。


ここが異世界の街か‥‥日本とはえらい違いだな。建造物も石や木ばかりで高層ビルなんて一つもない。でも、悪くない。全てから自然を感じられるというか、自然と共に生きている‥‥この感じは悪くない。


と、街を歩いている時だった。俺の横で子供が転んでしまった。流石に手を貸すかと思い、手を差し出そうとした時だった。親らしき人が泣く子供を抱えて、怪我をした箇所に”布”を当てて治療をしたのだ。


俺はその行為を見てハッとした。


そうだ、これは錬金術じゃないんだ。魔力の拒絶反応‥‥これは分類で言うと医学だ。〇は〇に、△は△に入れるように、医学の担当は医者だ。


そして勇者の中には、全ての病を治す”聖女”がいる。


そうか!!そうだったんだ!!勇者だけじゃない‥‥聖女も必要だったんだ!!いつだってそうだ。ゲームだって、アニメだって、小説だって、漫画だって、勇者を救うのは聖女だ!!


何で気付かなかったんだ。こんな簡単なことに。聖女であれば誰から魔力を貰おうとも問題なく活動できる。そして受け取った魔力を、聖女が勇者に渡す。


聖女の魔力と勇者の魔力は相性バッチリだから、絶対に拒絶反応など起きない。


いける!!この方法なら間違いなく‥‥行ける!!いや~~マジで助かったよ。そうと分かれば、急いで準備をしないとな。


そして、そこから一週間が経ち、全ての準備が整い決戦の日を迎えた。人族の全軍が並び、先頭には人類の希望である勇者達が立っていた。


「今日、この戦いに終止符を打つ!!――行くぞ!!」


「おおおおおおお!!!!」


と、すべての兵士が声を出して進軍していく様を、自分の部屋で優雅に眺めていた。俺も小さく「おおー」と声を出して応援すると、勇者と聖女が俺の方を向いてピースサインを出してきた。


あのサインは平和のサインで、絶対に勝ってくるという意思表示だった。


そんなサインを無視するわけにもいかないので、俺も二人にならってピースサインを出して送り出した。

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