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「異世界帰りの錬金術師は、祈る彼女と契約関係を交わして――世界を救う。」  作者: Lark224a


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第37話 リーダーとして決断の時。

「‥‥本当にやり遂げるとはなぁ。お前、一体何者なんだ?」


堂島さんが開口一番でそう尋ねて来た。


外から見た俺はかなりおかしいと思う。どこからともなくやってきて命を救い、関係のない病院のことまで解決する、その行動力は普通じゃない。


「‥‥何者か。俺は普通の人だ。ただ、少し戦うことが出来るだけだ。」


「少しって。大量のゾンビがいる場所をたった二人で行って、無傷で大量の物資を持って帰ってくる奴を、少し戦えるとは言わないぞ。」


「そんな驚くことじゃない。父が元軍人でサバイバルを得意としてたんだ。そんな父から何が起こってもいいように大抵の技術を教わったお陰で、今をこうして生きているだけで、そんな驚くことじゃない。」


「‥‥なるほどな、軍人が父だったのか。だったら、その強さにも納得がいくな。でも、大変だったんじゃないか?ほら、軍って厳しい訓練だってあっただろ?」


「そうだな。多少は‥‥あった。でも、今はこうして生きているから、その厳しさにも感謝している。雑談はこれぐらいにして‥‥頼んでいた件は?」


「一つ目の人に関しては残りちょっとって感じだ。監視の方については、やっぱりお前の言う通り‥‥何人かに声を掛けて‥‥事を起こそうとしていることが分かった。」


「そうか。で、実際に事は起きそうなのか?」


「いや、そこまでは分からない。ただ、お前が持ってきた物資を見て‥‥賛同する者が出る可能性は全然、あると思うぞ。」


「このまま監視を続けてくれ。俺は神崎さんと今後のことを話してくる。」


「あぁ、分かったが‥‥一つだけ答えてくれ。仮にお前のことを襲ったり、物資を奪おうとする者が、この場所から現れたら‥‥お前は俺たちを見捨てるか?」


この世界で人を襲うという行為は‥‥元の世界より罪が重い。結局、秩序が保たれた世界では法があり、罪を犯した人間にも命と最低限の食事は確保されているが、このゾンビがいる世界には、そんな生ぬるい温情などない。


裏切りは‥‥死だ。人の道を一度外れれば二度と人の道に戻る機会は訪れないし、その蛮行は許されない。なら、俺の下す決断も‥‥それに準じて死を宣告する。


「‥‥そうなるだろうな。人が人を信用する為には、それなりの結果と時間のどちらかが必要になる。今回の俺だって同じだ。俺は外からやってきたよそ者で、その言葉に誰も信用などしない。だから、自分の命を懸けて信用してもらう為に――結果を出した。


もし仮にあのクズ共が裏切ったとしよう。その時の俺が君達に下す評価は”信用するほどの仕事”はしていないだ。」


「‥‥なるほどな。つまり‥‥助けられたいなら、それに見合うだけの仕事を熟せってことだな。」


「そうだ。人が人を信用するには”見せる”しかない。幸い、お前達にはまだ時間がある。この時間をどう過ごすのかが‥‥大事になる。


まぁ、それ以前に、あのクズに余計な邪魔などさせなければいい話だけどな――なら、俺は行く。」


「‥‥あぁ、そうだな。それが一番だ。」


堂島さんとの会話を終わらせて神崎さんの所へと向かった。



「‥‥こっちは約束を果たしましたよ。これで問題ないですよね?」


「‥‥はい。この写真を見れば救助は無理でしょうね。向こうにいた人達はどうなりました?どこへと逃げられていましたか?」


「いや、誰も逃げていなかった。」


「それは‥‥つまり、みんな‥‥ゾンビになったということですか?」


「いや、違う。みんな自殺した。」


俺は言葉を包むことなく見たこと全てを語った。この人にはそれを知る権利があり、知らないといけない。この場所として何人かの人は向こうに渡したはずだ。そして、その人たちも全員もれなく死んでいる。


つまり、あの地獄に送る決断をしたのは――神崎さんだ。もちろん、その判断が間違っていたと言えるのは全て過去になったからで、あの時は正しいと思って決断したのだろう。


全てを彼女一人のせいにすることは出来ない。でも、誰かを責めなきゃ失った者の”喪失感”は消えない。それら全ての言葉を受けるのはリーダーである‥‥神崎の務めだ。


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