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「異世界帰りの錬金術師は、祈る彼女と契約関係を交わして――世界を救う。」  作者: Lark224a


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第36話 死の果てに思いは固まる。

軍キャンプに残っていた「武器類・弾薬・医療品・車両・食料・その他」の物資を適当に分けて、空間にしまい、残りは軍用トラックに乗せていく。


そして、全ての物資の積み込みが終わり、残りは脱出だけとなった。外には音に引き寄せられたゾンビが大量にいるので、このトラックで突っ込めば足が止まるのは目に見えている。


なので、一度トラックは空間にしまってバイクで突破することにした。屋上からジャンプしたときと同じ感じで建物から鉄橋を繋いで最後は大ジャンプを決めて――軍キャンプを脱出した。



『そろそろ病院に着くな。どうだ、トラックの運転は少しは慣れたか?』


『そ、そうですね‥‥う"っ‥‥完璧じゃあないですけど‥‥何とかやれそうです。』


『運転できるなら問題ないよ。リタが運転できるようになれば、俺も楽できるからな。』


『はい。マスターの為に頑張ります。』


トラックの運転をリタに任せて、俺は荷台に乗って景色を眺めながら黄昏れていた。


目を瞑れば”軍キャンプの最後の人達の光景”が浮かぶ。人の死に関しては異世界で何度も経験して慣れているはずなのに、こっちの世界での死に何でか心が大きく揺らいだ。同じ死なのにな。


どうしてなのか?その理由は‥‥多分、だけど‥‥祈の存在だと思う。


向こうの世界ではここまでハッキリとした人の繋がりは持っていなかったし、異世界に行く前だって友達は数人はいたけど、命を懸けてまで助けたいと思う存在ではなかった。


だから、祈と出会い‥‥その思いが強くなったことで、あそこの死を祈にも起こると考えた時に‥‥心が大きく揺らいたんだ。


――あぁ‥‥早く祈に会いたいな。


と、正人の心にあるのは病院の未来ではなく、家で帰りを待つ”祈”のことであった。


ここまで一緒に命懸けでやってきたことと、あの人たちの死を見たことで、正人は祈という存在は”契約関係”の枠を完全に超えていることに気付いたのだ。故に、この問題が終わったら”正式な立場になってもらう”為に言葉にすることを決意するのだった。



《――病院視点》


「‥‥お、おいっ!!あれって‥‥あの二人じゃないか?」


「はぁ?見間違いだろ?出発したのは今日の朝だぞ?いくら何でも帰ってくるのが速すぎるだろ。」


「いや、見間違いじゃない。絶対にあの二人だ!!見てみろよ。」


「‥‥たく。どれ――本当だ!!あの二人だ。すげー!!軍のトラックに乗っていることは、そういうことだよな?」


「あぁ!!俺は堂島さんに連絡してくる。ここはお前に任せる。」


「おう!!」



俺達は病院へと戻って来た。


初めてここに来た時に俺に銃を向けてきた人が、今は、媚びを売るように下手に出て接してきた。恐らく、トラックの荷台にある物資を見たからだろう。


今、ここで俺に嫌われるようなことになれば、苦しむのは自分になると分かっているからだろう。


理屈は分かるし、気持ちも理解できるけど‥‥人としてすごく気持ち悪い。


「どうでしたか?探索の方は上手く行きましたか?」


「その話は堂島さんにするよ。」


「そ、そうですか。」


と会話をシャットダウンする。こういう人の利益しか見ていない人を見ていると、異世界の貴族たちを思い出すから嫌になる。もっと、普通に接してきてくれたらいいのに。


とまぁ、堂島さんたちを待っていると、神崎さんと堂島さんの二人がやってきた。

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