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「異世界帰りの錬金術師は、祈る彼女と契約関係を交わして――世界を救う。」  作者: Lark224a


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第24話 拠点の拡張と時期。《中編》

俺の一日は祈との「おはよう」の言葉から始まる。


俺たちが出会ってから日が経っていないのに、数年ぐらい長い時間を共にした本当の「パートナー」に思ってしまうことがあるが、俺達のこの関係は本物ではなく偽物だ。


互いの目的の為の契約関係である。その契約は破られるまで永久に続いていく。


「おはよう、正人。」


「おはよう、祈。」


と、この関係に愛はないと分かっているが、どうしても考えてしまう。


俺達は契約関係から本物の関係に変われるのではないかと。人が人を好きになるのに時間は関係ない。あるテレビの企画で初対面でキスを数回してカップルになれるのか?という番組をやっているのを見たことがある。


結果として、いくつものカップルを生み出していたことから、人が人を好きになるのに時間は関係なく、一瞬のトキメキと高鳴りによって人を好きになるのだ。


つまり、何が言いたいのかというと‥‥俺は、本気で祈に惚れているということが言いたい。


祈との関係を本物にして、本物の恋人になり、さらには結婚したいと本気で思っているが‥‥その先に進む自信がない。俺が一方的に思っているだけなのではないかと思ってしまっている。


だから、今日も――勇気が出ずに同じ日々を過ごしてしまう。


「今日は何をする予定なの?昨日は‥‥畑の準備をしていたよね。どうなの?畑は?」


「今日も同じかな。午前中は畑の準備をして‥‥午後からリタを連れて周辺のゾンビの排除かな。」


「そう。じゃあ、今日も朝食の後でいい?」


「うん、それでいいよ。」


と朝の会話を済ませて着替えてから2人で朝食を済ませて、朝の日課の訓練へと向かう。


祈は初日以降、毎日近接戦の訓練をしている。自分が守られるだけの存在にならないよう、自分で戦えるようになる為に努力している。実際、その努力はしっかりと身になっている。


この間の役所への探索の時にいきなりの近接戦になったが、臆することなく訓練通りに動けていた。俺は感心したし、そして、自分が嫌になったね。「俺が信じないでどうするんだ」って思ったね。


――祈は、弱くない。と気づかされたよ。


そうして朝の祈との訓練が終われば、次は子供たちの様子を確認しに行く。



子供たちの様子は特に変わりない。仲が良いし、協力的だし、午後からの授業もしっかりと受けているしと文句のつけようがない、真面目な子たちだよ。


とは思っているのだけど、これはあくまでも仕事とか勉学には全く関係ない問題で、やっぱり、俺に対してそれなりの恐怖?というか固さを感じる。


そのせいで、朝の様子見もこうして影からバレないように見る羽目になっている。俺が姿を出すと皆、手を止めて軍人のように綺麗なお辞儀をしてくるから、俺もやりにくくなった。


それが特にひどいのが――彼女(西園寺)さんだ。彼女は俺を見るだけで泣きそうな表情をするのだ。俺が一体何をしたって言うんだ。もしかしてだけど”追い出される”とか思っているのかな?そんなことしないのにね。


でも、全員が恐怖しているわけではない。俺に対しても友達のように接してくる奴はいる。それが、「森下くん」と「神谷くん」だ。


二人には畑の準備の仕事を手伝ってもらっているので、そこで少し打ち解ける機会もあった。もちろん、俺は喋らないのでジェスチャーや文字で会話をした。


最初はガチガチだったけど、今は――そのガチガチもなくなって呼び方も「固いリーヴァさん」から「軽いリーヴァさん」になっているから、関係は良くなっていると思う。


「おはようございます。リーヴァさん。今日はどうするっすか?」


と、森下くんが尋ねてきたので、俺は事前に用意していたメモを渡した。いつも、仕事の指示はメモでやり取りをしている。


「なるほど。土の耕しっすか‥‥了解っす。陸と作業を始めるっす。」


「コクン。」


――と森下くんを見送った。


俺が今、行っているのは畑を行う為の土作りを行っている。畑にとって土は命と言っていい。土がゴミなら実る作物も品質は悪いゴミになる。だから一ヶ月ほどの時間を掛けて最高の土壌を用意するのが、農家にとっては当たり前だが、俺は錬金術師だからね。


――時間が掛かる物を短くするのが錬金術師の腕の見せ所よ。

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