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「異世界帰りの錬金術師は、祈る彼女と契約関係を交わして――世界を救う。」  作者: Lark224a


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第14話 マンションお掃除。《中編》

何もなかったところから急に小学生ぐらいの女の子が生まれて来て、祈はたいそう驚いていた。


「ど、どういうことですか?何で、女の子が!?どういうことですか?」


「まぁまぁ、落ち着いて。理論の説明は出来るんだけど長くなるから、俺の力の一つぐらいの認識でいいから。」


「い、いや‥‥えぇ?それは無理があると思いますが‥‥とりあえずは飲み込みます。」


「うん、それでいいよ。また時間が出来た時にちゃんと説明する。それじゃあ、君に名を与えよう。君の名は――リタ。これから我が僕として働いてくれ。」


と名を与えて命令をすると、リタは膝を折って「かしこまりました。マイマスター」と深く頭を下げた。


これでホムンクルスの契約は完了。本来ならリタ専用の防具と武器を渡してやりたいが、今は急造品の防具と武器で我慢して欲しい。


「リタ。まず紹介からしておこう。彼女は俺の仲間の「宮坂 祈」で、俺と同じで守る対象になると覚えておくこと。」


「はい、マスター。宮坂 祈を保護対象に設定しました。」


「よし、なら初めて命令を出す。これから、この扉の先にいるゾンビという化け物を排除して、この場所の安全を確保する。リタには俺の代わりにゾンビと戦ってもらう。これは――その為の武器だ。」


リタに二本のダガーを渡した。


「ありがとうございます、マスター。その命令‥‥承りました。」


「ごめんな。本当だったら専用の武器を渡してやりたいが、急なことだったから準備してないんだ。でも、これが終わって落ち着いたら、ちゃんと専用の服と武器を用意してやるから。」


「はい、私はこの武器でも問題ありません。」


そうして戦闘の準備を整えた俺は、戦う前の最後の準備として祈にポーションを渡した。


「そのポーションを飲んでおいて。そのポーションは精神力を一時的に強くしてくれるポーションだ。


これから大量のゾンビと戦う時に、恐怖で『足がすくんだり』『引き金が引けなくなったり』するのを防ぐことが出来る。つまり、恐怖を感じづらくさせる為のものだ。」


「あ、ありがとうございます。」


これで全ての準備が整ったので、「行くぞ!!」と気合を入れて、扉を開けた。



《正人――視点。》


扉を開けると、右に4体、左に3体のゾンビが確認できた。


まだ、こっちに気付いてないな。


「祈は左の3体を相手にして、俺達は右の4体をやる。」


俺達は背中を合わせ、それぞれのゾンビと対峙する。


「リタ。あいつらが”ゾンビ”だ。奴らの弱点は頭だ。首から上を飛ばすか、頭にそれなりの攻撃を入れれば倒せる。行けるか??」


「もちろんです。マスター。」


リタは姿勢を低くして2本のダガーを構え、攻撃態勢を取った。すると、4体の内の1体のゾンビがこちらの存在に気付いて「ウァー!!」と向かってきた。


「なら、行けッ!!俺は後ろから援護する。」


「はいッ!!」


――ゾンビに向かって全力で駆け出した。


リタの能力は「速度」と「身軽さ」を重視したホムンクルスで、このような狭い場所の戦闘はリタのホームグラウンドだ。その速度と身軽さを使って相手を翻弄し、暗殺者のような一撃で相手の命を狩り取る。


その言葉通り、床→壁→天井へと3段高速ジャンプをしてゾンビの背後を取ると、2本のダガーを×を描くように振るい、首を跳ね飛ばした。


その姿は「蝶のように舞い、蜂のように刺す」という言葉が相応しいスタイルだった。


そして残りのゾンビには、俺の魔法の「バインド」を発動させて動きを完全に止めた。そして、その後はリタが処理をするのだった。


俺達の初めての戦闘は問題ない形で終わった。ゾンビは人から見れば脅威ではあるが、異世界帰りの俺にとっては特に警戒する相手ではないし、リタもゾンビとの戦闘で後れを取ることはないだろう。


さて、祈はどうかな?と確認するのだった。

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