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「異世界帰りの錬金術師は、祈る彼女と契約関係を交わして――世界を救う。」  作者: Lark224a


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第10話 最高の美少女。

「‥‥‥‥」


「‥‥‥‥」


完全にやってしまった。あまりの可愛さに本音が漏れてしまった。いや、絶望するのはあとだ。まだ、取り返しがつくぞ。誤魔化すんだ。


「い、いや‥‥その、なんて言うか、ちょっと本音が漏れたって言うか。ただ可愛いなって思ったらつい出ちゃったというか、ま、間違え?間違えではないんだけど‥‥そのミス?的な‥‥ね。


あーごめん‥‥さっきのは忘れて??その、体調は大丈夫?ゾンビに噛まれたところは?」


俺は誤魔化すことは諦めて話を変えることにした。もともとは”大丈夫?”と体調の具合を聞きたかったから、あれはミスみたいなものだ。うん、そう思うことにしよう。


「か、噛まれた‥‥私が‥‥」と彼女の表情はみるみると白くなり、最後は「いやだ!!死にたくない!!」と泣き始めてしまった。


俺は彼女を落ち着かせる為に彼女を抱きしめた。


「大丈夫!!大丈夫だから!!君は死なない。俺がちゃんと治したから、ほら、噛み傷だってなくなっているでしょ?」


「え?‥‥ほんとだ。傷が無くなってる。」


「うん。だから、ちょっとだけ話を聞かせて欲しいんだけど‥‥今、何が起こってるの?」


俺が暮らした日本にはゾンビなど存在しない。なのに、この世界にゾンビがいるということは、何かしらの発生となる”原因”があったはずだ。


俺は彼女から、この世界で何が起こっているのかを聞いた。


結論から言うと‥‥今、この地球ではゾンビ映画のようなパンデミックが起きているとのことだった。


パンデミックが日本でも発生したのが一ヶ月前で、空港で起きて、その数日後には日本中がゾンビ世界になってしまったとのことだったが、全滅したわけではないらしい。


まだ生き残りはいるらしく、彼女‥‥じゃなくて「宮坂 祈」は学校の友達と一緒に、人が集まっている場所で暮らしていたが、つい先日、水が完全に止まったことで外に出て探索をすることになった。


宮坂さんを含めた何名かの人で探索に出るが、ゾンビに襲われて、宮坂さんだけ逸れてしまったらしい。そして逃げる為に、このマンションに逃げ込んだ。


で、逃げたけど結局、ゾンビに噛まれて死にかけているところを、俺に救われた。というのが経緯だった。



「なるほど‥‥パンデミックか。」


なら、こいつら喰種ではなくゾンビなのか。パンデミックが起きたということが発生の原因となっているのは、”ウィルス”か”細菌兵器”のどっちと考えるのが妥当か。


パンデミックが発生したのが一ヶ月前ってことは、生き残っている人類は三分の一程度と考えるか。こういう世界で怖いのはゾンビではなく、思考を持った人間だ。


だが、まだ人同士の争いが起きるほど人は壊れていないはずだ。壊れた世界で生きると、そこに住む人もだんだんと壊れていくのが‥‥まだ、再起は出来る。


なら、優先するべきは”家族の安否”だな。せっかく戻って来たのに‥‥全滅とかマジで笑えない。


と、これからの目標を決めた。


「あの‥‥私からも質問いいですか?」


「うん、いいよ。」


「私‥‥噛まれたのにあなたが助けてくれたんですよね?どうやったんですか?ゾンビに噛まれた人は全員ゾンビになってました。どうやって私を助けたんですか!!」


彼女の目は、救いの神でも見るような目で見て来た。そんな目で見られたらねぇ‥‥嘘吐き辛いじゃない。まぁ、彼女になら言っても大丈夫でしょ‥‥口、固そうだし。


「俺‥‥実は、異世界から帰って来た元勇者なの。まぁ、こんな話、信じられないかもだけど事実で、俺が暮らしていた異世界じゃあ、こういうゾンビ?喰種っていうけど、珍しい物でもなくて、何なら少しだけ戦ったこともある。


で、俺はそんな化け物と戦って傷を負った時用に、こういった「ポーション」っていう、人の傷を癒す薬を持っていて、それを使って君を助けた。」


「じゃあ!!他のゾンビになった人も‥‥その薬で助けられるってことですよね!?」


「あぁ‥‥残念だけどそれは無理かな。ポーションは傷は治すことは出来るけど、命までは癒すことは出来ない。その魂が喰種になってしまったら、今の俺では治すことは出来ない‥‥ごめんね。」


「あぁ‥‥いや、その‥‥すいません。私も我儘を言ってしまって‥‥」


宮坂さんは誰が見ても分かるほど落ち込んでいた。人がゾンビになる世界だ。きっと、彼女にも助けたい人がいたのだろう‥‥俺にとって家族みたいな大切な存在がね。

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