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「異世界帰りの錬金術師は、祈る彼女と契約関係を交わして――世界を救う。」  作者: Lark224a


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第1話 始まりは当然に。

俺の名前は白石(しらいし)正人(まさと) 私立桜ノ宮高校に通う高校2年生だ。自分の言うことでもないが、俺という人間は”平凡”であると自認している。


クラスの中心人物になれるようなコミュニケーション能力や周りが羨むようなルックスをしているわけでもなし、勉強もスポーツも中ぐらいで、平凡という字は自分の為にある言葉だと思うぐらいには”平凡”である。


だが、別にこの平凡に生き、平凡として死ぬ人生が嫌になったことはない。


なぜなら、学校には数名の友達はいるし、家族との関係も悪くないので、何不自由なく暮らせているだけで割と満足出来ている。


だから、これからもこんな平凡な人生を歩むと思っていた。


そう、この時までは―――。



今、俺の目の前ではとんでもないことが起きている。


この日はいつも通りに学校に行き、いつも通りの時間を過ごして家に帰って来た――。ここまではいつも通りだった。だが、部屋に入って宿題をしている時だった。


急に目の前がピカーッと光り出して眩しいと目を閉じて‥‥次に、目を開けた時は‥‥中世の映画とかでよく見る石造りの建物の中だった。


なぁ?意味が分からないだろ?目を瞑って次に目を開けたら、自分が”異世界”にいるなんて理解できるか?仮にこの事実を理解できる奴がいるなら、今すぐ俺の所に来て説明してくれ。頼む。


そして出来れば代わってくれ!!俺は平凡な人生を送りたいだけなんだ!!


あ、因みにこの場所が”異世界”だと思ったワケだが。


実は、俺以外にも俺と同じようにこの場所に連れて来られた人達がいて、その内の一人が「この場所はきっと異世界で、俺達は召喚されたんだ!!」と言っていたからだ。


そんな感じで俺とその人達は、どうしたらいいの?と戸惑っていると、バン!!と部屋の扉が開けられて、たくさんの人が部屋の中へと入って来た。


その人物たちは鎧を身にまとい、腰には剣を携えており、明らかに普通の人という感じではなかった。そして最後に部屋に入って来たのは、鎧ではなく華やかなマントと豪華な服を着た、如何にも王様って感じの人だった。


その王様は俺達に向かって


「良くぞ!!召喚に応じてくれた‥‥()()()()()()よ。」


――と宣言するのだった。



でだ。そこからの王様の話はこうだ。


まず、この世界は地球という星ではなく”アルカナ”という星で、そして自分達がいる場所は”帝都 ナヴォリ”という国で、ナヴォリは地球で言うところのアメリカみたいなもので、要は中心国だ。


でだ、問題のそんなアメリカみたいな国に俺達が呼ばれた理由だが。


実は、このアルカナには人間以外にも、エルフ、ドワーフ、獣人族といった多数の種族が暮らしているのだが、その種族の内の一つである魔族と戦争になっている。戦況は魔族側が有利で、このままでは人族が負けてしまうので、それを解決する為に異世界から俺達を召喚したとのことだった。


でも、俺達は地球という安全で平和な世界で暮らしており、いきなり戦えと言われても普通は無理なのだが、なんとこの異世界で召喚された勇者はそれぞれに特殊な力が備わっているらしく、その力を使えばいきなり戦うことも出来るとのことだった。


はい、説明終了。そして今は‥‥その力とやらを知る為に”鑑定”とやらを使って力を調べているところだ。


「これはッ!!Sランクの聖女です!!」


「こっちも同じSランクの勇者です!!」


「Aランクの魔術士です!!」「Aランクの聖騎士です!!」


あちらこちらで声を荒げている中、とうとう俺の番が回って来た。


周りと同じように鑑定を受けて、出た結果は「れ、錬金術師。」と、その声質で理解できた。


あ、俺‥‥ハズレ引いたわ。


そして俺の鑑定結果を聞いた王様は、気まずそうな顔をしながら錬金術師について話し始めた。


「そうかお主は‥‥錬金術師か。錬金術師は別にハズレではない。ランクだけで見ればSSランクなのだが、その力を使うには幼き頃から適切な教育を受け、膨大な知識を持って初めて使い熟せる物なのだ。


お主はこの世界の知識を持っておらんし、今から学ぶとしても全部の工程が終わるのは、今から20年後になってしまうのだ。」


「あーーなるほどね。要は今すぐに戦力が欲しいのに‥‥今すぐは使えない力ってことですね。」


「まぁ‥‥そうなるの。」


その言葉を聞いて俺は安心した。だって、この力を理由に”戦争に行かなくてもいい”のだから。そして、王様が言っていたことが本当なら、20年の勉強をすればこの力を使い熟せるようになるのだろう。しかも勇者や聖女よりもランクが高いこの力を。


だって、悲しいことなんてないじゃないか!!戦争には行かなくてもいい!!でも、将来は安定してる!!オールハッピーじゃないか!!


「王様!!お願いがあります!!今の自分では戦争には役立つことは出来ません。だが、今から必死に勉強をして錬金術をマスターした時は”異世界の文明”をこの世界にもたらすことを約束します!!ですので、自分に錬金術を学ぶ場所と時間をくれませんでしょうか?」


「ふむ‥‥その異世界の文明とはどういう物なのだ?」


「そうですね。まずは生活用品の進化ですかね。この世界には温度の変化はあると思います。そこで家の中を快適な温度に維持する為の‥‥エアコン。


魔族との戦争が終わっても、この先を見ればいつ戦争が始まるかは誰にも分かりません。そこで、戦争の時にどんな距離からも連絡が取れるようにする為の‥‥ケータイや無線機。


食べ物の腐敗を遅らせる為の‥‥冷蔵庫。食という文化を促進させる為の‥‥オーブンやコンロと、様々な便利な物が異世界にはあるのです!!その便利な物を自分がこの国に発展させて見せます!!ですので、どうかお願いを聞いてはもらえませんでしょうか?」


俺は持てる知識を使って王様にお願いをすると、王様は「それは良い!!よかろう!!お前に場所と知識をくれてやる!!だから、必ず‥‥その道具を完成させるのだ!!」と言ってくれた。


「はい!!ありがとうございます。」と頭を下げるのだった。


ふぅ~~これで戦争にも行かなくていいし、それどころか王様の援助までもらっちゃったよ。いや~~錬金術師は最高の力だ。


俺の錬金術師への道は、ここから始まるのであった。

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