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安易にモテたいと願った結果、人外にしかモテなくなった俺の日常  作者: ヤマグチケン


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第8話 隠蔽工作なんて考えるものじゃない

「なあ、今度いつあの二人に会えるかな。ミオさんもいいけど、おとなしめな顔して急に冷たく突き放すリエさんがたまらないよな」


 どうやら罵られたいらしい大林に同意を求められても、そこは俺とは相容れない。すまない。

 そんなことより、週末と言っていたのに母さんだけ今晩先に帰ってくると、さっき連絡があった。ミオさんは影の中に隠れてもらうとして、リエさんはどうするんだ。連絡手段がないんだぞ。しかも今日からバイトだ。


「なあなあ、お前ならどんな風に見下されたい? やっぱりミオさんなら軍隊っぽい感じがいいかな」

「そうだな。アレで結構ベタベタしてきて」

「は? お前従姉妹だろ?」


 しまった。いらないことを言った。一方的にベタベタくっつかれているだけだし、今もどうせ影の中に潜んでいるのだろうけど。


「違う違う! スキンシップが過剰なんだって!」

「ふーん……? まあ、そんな感じはあるな。なんか陽キャって感じ。たまらんよな、馬鹿にされながら(以下検閲削除)」


 周りの女子たちがドン引きしている。俺も変態の仲間だと思われたくないので、自重してほしい。


 大林にドン引きしていても、時計の針は正確に回っていく。母さんはいつ帰ってくるのか。リエさんは古本屋のバイトをちゃんと出来ているのか。心配でならない。

 リエさんへの連絡は昼休みに古本屋に電話するのがいいかな。母さんは夜と言ってるし、リエさんさえ隠せたらなんとかなるだろう。


  ***


 昼休みに古本屋に電話をした。インターネットは人類の叡智。あんな寂れた店でもすぐに電話番号が出てきた。


「おー、あの天使の子な、ちゃんとやっとるぞ」


 バレてるうううう!!

 おい待て、なにしたんだよ。


「飛べるのは便利じゃな。もう脚立に乗るのも怖くて、高いところの掃除も出来なくてな」


 あの駄天使、なにやってやがる。


「天使とか久々に見たわい。あれはわしが腹膜炎で死にかけたときじゃったかのう……」

「あの、昔話はいいんで早めに上がらせてやってもらえませんか。それと他言無用で」

「おーおー、お前さんが本物の本を買っていって悪魔の召喚に成功したことも黙っておいてやる。で、可愛い天使ちゃんに早く会いたいんじゃな?」


 バレてるうううう!!

 あの駄天使、全部しゃべってんじゃねえか! ていうか、ツッコミが追いつかねえ。確かに可愛いけど、そうじゃない。そういう関係じゃない。


「どうやって召喚を成功させたのか、悪魔に会わせるのとセットでわしに教えてくれんかの。その代わりに黙っておいてやる」

「ああ、はい……わかりました。また今度行きます……」


 短い時間ですごく疲れた。

 ていうか、調べて初めてブックセンター田崎という店であることを知った。古本としか看板が出てなかったけど、店名をちゃんと出さないって商売する気あるのか?


   ***


「お待たせしました」

「よし、さっさと帰りましょう。掃除して存在を隠蔽しないと」


 駅で落ち合った俺たちは、足早に家へと向かう。歩いてもそんなにかからないが、時短のためにバスに乗りたい。しかしリエさんの交通費を出す余裕がない。先日パフェを奢ったからだ。

 まあ、俺の家方面のバスは一時間に二本しかないし、ギリギリ徒歩圏内だからいいんだけど。


「あの、とりあえず私はどうしたら」

「俺の部屋のクローゼットに隠れていてください」

「よかったのう。押し入れの秘密基地だぞ」

「影から出てこないくせに馬鹿にしないでください! でも、秘密基地ですか。いいですね……」


 腕を組んで考え込むリエさん。こんな時にも全力で中二病だ。


「そんなことより大事な話があります。出来れば母さんが帰ってくる前に済ませましょう」

「それは母上に我を紹介するための……?」 

「そんなわけないでしょう! なんで悪魔が当たり前のように正之助さんとの関係を進めようとするんですか!」


 うん、天使も違うけどね。


   ***


「それで、どうするんですか?」


 リエさんの質問に答えるように、全員に指示を出す。この家に人間は俺だけだ。仕切らなければ母さんになにを言われるかわかったものではない。


「マリーさんは普通の行動を心がけて。普通のお手伝いロボットだよ。工場出荷時。いいね?」

『お任せください。完璧なまでにそこらの量産モデルを演じてみせます』

「うん、まあマリーさんもそこらの量産モデルなんだけど。で、ミオさんは影に隠れてください。問題はリエさん」

「は、はい! なんでもやってみせます!」

「リエさんが出てくると場がかき回されるので、クローゼットから一切出てこないでください」

「本気……ですか?」


 絶望極まれりと言った顔だ。


「自分の胸に手を当てて考えてください」

「その申し訳程度の胸にな」

「うるさいですね! Cありま……えっと……正之助さん、今のは聞かなかったことになりませんか……?」


 俺は無言で首を振った。

 彼女らのコントに付き合っていたら時間がない。もう古本屋にバレた経緯をリエさんから聞き出すのは難しそうだ。

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