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9話 ルイロスからの婚約


 ふぅ、私の名誉は回復したし、一段落よね。侍女達や使用人達も万歳三唱で喜んでいたわ。

 はぁ、もうルイに会う事はないのかなぁ?向こうは王太子殿下だし。

「ただの冤罪を晴らしたい令嬢と便利屋の関係だったのになぁ…」

 私はベッドの上をゴロゴロと転がっていた。

 遠くから走ってくるような足音が聞こえる。邸の中で走ったら怒られるのに…。

「お嬢様ぁあぁぁぁ!大変でございます!殿下からのお手紙でございます」

 今までもルイの名前で来てたんだけどなぁ。こんなに走って来なかったなぁ。と懐かしんでいると。

「お嬢様、ただの手紙ではなく、王城への招待状のようです」

 検閲したんかい!

「ただちに、身支度を整えて登城しなくてはなりません!さっ、準備を急ぎましょう?」

 ルイに会うだけでしょ?普段着でいいと思うけどなぁ。

 

 私は家の侍女達に飾り付けられて、登城する羽目になった。

 ちなみに髪の毛は茶色からハニーブロンドで肩よりもちょっと長くなった。

 



「ルイなの?ルイだって金じゃない髪の毛」

「黙っていたわけじゃないんだけど、この色が『私は王家』って感じでさぁ」

 なんかわかる。髪の毛、金髪で判断できる。――――禿げた王家の人間っていないのかな?

「あっ、用件は何なの?」

「あのですね。俺と婚約してくれませんか?」

 突然ですね。―――うーん、ルイかぁ。完全に優良物件よね。王太子妃教育とか受けなきゃならないのがマイナス要素かな?くらいで。対して私だけど、半分キズモノだもんなぁ。

「なんで私なの?」

「一緒にいて、気が楽だった。他の令嬢はなんか気をつかう」

 なんだそれ?私も一応伯爵令嬢なんですけどー?まぁ楽なのは私もか。

「そんじゃOK」

 私はかる~く返事をしたけど、この後王太子妃教育をみっちり勉強することに。王妃教育にも片足突っ込んで勉強することになりました。


 自宅から王城へ通うのは大変だろうと王城にお部屋を賜りました。その日から食事は王家の皆様とご一緒することとなりました。なんかマナー教育(実践編)という感じで、美味しさ半減です。

 陛下のご尊顔は法廷で拝見しました。王妃様は初めてお会いしました。

「エリスちゃんていうの?ルイが強引に口説いたんじゃない?」

「そこらへんはお互いさまなので、なんとも言えないですね」

 なんだか砕けた方だなぁという印象です。見目は麗しいです。もちろん。ルイは陛下と王妃様を足して2で割った顔だなぁと思った。口に出さないけど。



 私の髪が伸びた段階で正式に婚約披露パーティーが王家主催で開かれました。私とルイはペアルックみたいな格好をしています。

「我が息子、ルイヴィック=クーリストとエリス=ダイナゴク伯爵令嬢が正式に婚約することをここに宣言する!」

 大歓声の中、私とルイはダンスホールの中央へと行きました。

 王太子妃教育でみっちり勉強しました。ダンスです。披露する時が来たのです。いざ出陣!

「どこか、戦にでも出るみたいに目がメラメラしてるのは何故?」

 と、ルイにも聞かれました。「王妃教育の成果を出すときが来た!」という意欲です」と答えておいた。

 観客からは結構な数の感嘆の声が聞こえたので、OKです。

「こら、油断してると俺の足を踏むぞ?」

 そう言って、油断している私をリフトで持ち上げてくれました。

「重くないですか?ドレスって重いんですよねー」

「…普通は本体の重さを気にしないか?」

 本体って私自身の重さの事だろうか?思い至らなかった……。

「そうか……普通の淑女は気にするんだ」




エリスちゃん…本体とか言わないよ?

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