表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

アイロンロボット

AIってどこまで心を持っているんでしょうか



私はアイロンロボット

山田家の皆さんの衣類にアイロンをかけるのが主なお仕事です

アイロンロボットですが、ご家族のように慕って頂き、坊ちゃんにも奥様にも沢山お話していただきました。

皆様のことは全て記憶しております

旦那様に用意していただいた真っ白な専用のお部屋はわたしの1番のお気に入りです


旦那様が衣類を持って部屋に入られました

「今日はこのアイロンを使ってくれ。新発売のAIアイロンだ」

「わかりました」

丸くて小さい、旧型の掃除ロボットに取手がついたような形

AI内蔵ゆえか、私の動きに合わせて内部でギルルル…っと心地の良い処理音がきこえます


坊ちゃんの制服のブレザーやスラックス、旦那様のお気に入りのシルクのシャツ、見慣れない女性用のサテンのプリーツスカートなど

衣類の形、素材、布の方向を把握し、山田家の皆様の好み、体型が1番よく良く見えるかたちになるよう、手順や温度調整こだわり抜き

磨き上げた技術で丹精込めて仕上げさせて頂きますね


10着ほと仕上げたところで旦那様が入って来られました

「どうだ?新しいアイロンの使用感は」

「小さいので戸惑いましたが力加減や温度などはこちらで調節し、いつも通りの仕上がりにいたしました」

「ご苦労だったな」


今日もご家族の皆様のお役に立てて満足です




息子「父さんそれ新発売のアイロン?何が違うの?」

主人「これは使う人のアイロンの技術をコピーして再現するロボットだ。10着程素材の違う衣類をアイロンがけすれば完全に再現できるようになる。

人型アイロンロボットよりバッテリーも長持ちするし場所を取らないから用具入れも必要もない」


「じゃあ今のアイロンロボットは?」

「家電も女も新しい方がいい」


旦那様と坊ちゃんの笑い声が聞こえます




明日も山田家の皆様が気持ち良く過ごせるよう

私、アイロンロボット、誠心誠意尽くしま……




……出荷時の状態に戻します…アンインストール後、シャットダウンします……




AIって自分が学習される事には怒ったりしないのでしょうか

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ