私のアイドル 2
私は成長したのでしょうか?
疑問ばかりが、こころの中を支配する。
でも、仕方ないことだというのも理解していた。
それは、隣にいる人が原因だということも理解しているつもりだ。
花澄という存在は、私にとってかなり大きな存在だった。
学校で踊っているところを見てしまったときから、私には輝いて見えた花澄のことは今でも、同じように見えている。
だからこそ、隣で一緒に踊っていることを考えると、嬉しくなってしまう。
隣にいなかった時間があるからこそ、余計にそう感じていた。
私はわがままだ。
うまくいかないということがもしあったとしても、何度でも挑戦したいと思わせてくれたのは花澄だった。
多くのことを中途半端にやっていたからこそ、わかっていた。
何か一つのことを完璧に行うというのは難しいということを…
でも、何か一つのことをこなせるようになれば、それはきっと私が成長したといえるようになるだろう。
それをわかっていなかった。
できること、できないこと、得意なことというのは自分自身にはある。
だからこそ、得意ではないことにたいしては努力をしても難しいのでは?
そんな風に、花澄と出会う前は考えていた。
でも、得意ではないことであっても、あきらめないということが、その後の自分に繋がってくるのだということをわからせてくれた。
中途半端であっても、できていなくても、やり遂げるということが大事だということを気づかせてくれた。
だからこそ、花澄と一緒にアイドルになれたということは、私にとって最高の出来事だった。
アイドルというのは、多くは誰かに憧れてなるものだ。
私が最初に憧れた存在というのが、仮面様だった。
確かにアイドルではなかったけれど、ダンスで歌を表現しているということに感動してしまった。
心が動いてしまった。
だからこそ、花澄が仮面様だということを知って、私は思った。
あのとき本当に本能的に声をかけてよかったと…
アイドルを目指したきっかけも、今もアイドルをしているのもすべて花澄のおかげなのだから…
私のアイドルは花澄。
それはアイドルを始めたときから、たぶんやめてもきっと変わらないだろう。
そんなことを考えるのだった。




