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6話  足立桜花の青春




足立智春には一つ上の姉がいる。

自愛に満ちた穏やかな微笑みは人の心に安らぎとゆとりを与えてくれる。

その優しげな声は人の心を癒やし、つい眠りに誘われてしまう。

まるで聖母のような優しさと包容力をもった少女で男なら誰だってその豊かなおっぱいを前につい赤ん坊に退化してしまう事だろう。


五大女神の1人にして聖女と呼ばれる彼女

足立桜花はそういった少女だ。





「はぁ…今日も聖女様は麗しかったなぁ…」


「俺この前聖女様と一緒に備品整理の手伝いやったんだよ、良い事はするもんだな!」


「くそ!マジかよ…俺もやっとけばよかった…」


「まぁ聖女様はよく何かしら手伝いしてるし機会は簡単に周ってきそうだけどな…」


「でもこの前俺が手伝おうとしたら2組の宮藤の方にいってよ…」


「ああ〜宮藤かぁ…そらしゃーないわ!ドンマイ!」


「くっそ〜アイツまじでふざけてるわ…聖女様だけに飽き足らず…5女神ひとりじめしてよぉ…」


「宮藤めぇ…どうせあの巨乳を好き勝手してんだろうなぁ…あの巨乳で挟まれてぇ…」


「挟まれてぇ?なにおよ?」


「はあ?そんなん決まってんじゃんよぉ!」


「やめろバカども!聖女様を汚すな!聖女様をそんな下品な対象にしてんじゃね〜!」


「いやいやお前あの乳はそのためにあるんだろ!聖女様ってもなぁ男の子の欲望は止められんぜ!」


「お前なぁ…」




どこからか聞こえてくるそんな馬鹿なやり取りをする後輩男子の話を右から左へと聞き流し桜花は心の中だけで溜息をついた。


現在彼女は定期的に行っている教師からの頼まれ事というタスクを消化しながら物思いにふける。



「はぁ…本当お猿さんね…どうして男子というのはこうも……」



彼女は昔から要領が良く大抵の事はそつなく熟せる天才肌の持ち主だった。

おまけに容姿にも恵まれ昔からよく男子から声をかけられていた。

しかしそれは彼女にとって良い事では決してなかった。

まだ聖女なんて皮を被る前の彼女は家と学校の2つの環境でキャラを使い分けたりしていなかった.

中学の頃までは普通にすごしていたが高校に上がる際に彼女は自身のキャラ付をガッチリと固めた。

聖女としてのキャラの基盤となる外行きの八方美人なキャラクターを。


何故そんな事をしなければいけなかったかと問われたなら答えは簡単で他者からの嫉妬されるというよくあるテンプレな内容にに対応する為というのが主な理由だ。

人より恵まれた頭と見た目の彼女は中学の頃に他者からありったけの悪意と逆恨みと嫉妬などの増悪に晒され続けた。

友達の彼氏を寝取ったなんて根も葉もない噂まで流れイジメにもあったりした。 


中学高学年あたりから今のキャラの基盤を作り上げ、信者……仲間を増やしていき元友達のイジメっ子を地獄に叩き落とした。


そのまま高校に入学後もキャラ作りを徹底して続けながら設定を盛っていき、気づけば聖女なんて呼ばれる様になっていた。

先生の手伝いや他者を助けたりはキャラ作りの一貫で彼女の本来の性質ではない。

そんな面倒くさい事は本来の彼女の望む事ではない。

あくまでもキャラ作りの為の手段なのだ。



だか正直疲れていた。

もうやめたいと思っていた。

こんな疲れるだけの面倒くさい事にリソース割きたくない。

他人からの信頼?評価?

どうでもよかった…。

本来の私はダラダラとテキトーに過ごしたいだけだ。

家でゆったりとしたダルダルの服をきて大好きな炭酸飲料をがぶ飲みして駄菓子をむさぼり食いながら弟をテキトーにからかうのだ。

なのに何故こんな事をしないといけない?

馬鹿みたいだ。

そう思ってた私に神様はさらなる試煉を与えてきたのだ。



宮藤雅人君。

彼との出会いは私にとって青天の霹靂にも似た運命的な出会いだった。

神が私に褒美をもたらしたのだと本気で思った。

まず彼は私に媚びない。

私を眼前に置けば大体の男は胸をガン見してくる。

高校生離れした巨乳は服を着ていても内側からその服を押し上げ突き出してかえっていやらしく見える。

ブラやさらしで締め付けては圧迫感で苦しいし長続きしないので普通のブラをしているが年々サイズ合うものがなくなっていくのが悩みだ。

男共はそんな私の悩み事なんて知らずに勝手にイヤらしい妄想の道具にする。

本当に嫌になる…。

でも彼は違う。

私と話してるときはちゃんと顔をみて会話してくれる。

しかも鼻の下を伸ばしてデレデレしない。

下心がまるで感じられない…。

こんなの他の男子では実弟の智春くらいしかいなかった。

これだけでも奇跡的なのに彼の笑顔と声は私に無限大の多幸感と安らぎを提供してくれる。

もはや彼は私にとっての天使だった。

 

今すぐ押し倒して私の愛を彼に知ってもらいたい。

こんな気持ち初めてなんだ。

胸が高鳴りいっぱいになって張り裂けそうだ。

好き過ぎて死んでしまいそうだ。


しかしそれは叶わない。

彼の前には多くの障害が存在する。

それは私と同じくらいの影響力を持った4人の女子達。

私と同じ五大女神と呼ばれている娘達。


彼女達も雅人君を狙っている。

理解出来る話だ。

無才の凡人どもには彼の良さ…魅力を理解は出来ない…でも彼女達は別だ…

私と同等の才能を持った彼女達はしっかりと確実に雅人君の唯一無二の魅力に気づいている。


厄介な話だ。

ライバルとなる子達がどれも非常に厄介なんだから…

でも負ける訳にはいかない。

わたしの青春がようやく…始まるのだから…。

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