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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

腐ったこの王国をぶっ潰してのんびりライフをしますわ

作者: 吉瀬実晴


突然ですが、異世界転生して王女様になりました。

きっとなろう小説の読者であろう貴方にはこの状況は定番で驚くことはないでしょうね。


私の前世は地球の日本という国で生まれたごく平凡な女性。

名前は思い出せないのだけれど、オタクで生真面目な性格だったわ。

漫画と料理が好きで、父子家庭で育って小さな頃から仕事人間の父の代わりに家事は私がこなしていた。

高校を卒業して社会人になってからはひたすら仕事漬けの日々。

いつか素敵な人と結婚したいな、なんて夢見つつ、真面目にほぼブラック同然の仕事量をこなして、たまの休日は大好きな漫画を読んだり凝った料理をしたりする、そんな独身生活も悪くなかったわね。

そんな平凡な私は25歳の時に交通事故に遭ってしまい生涯を終えた。

短い人生だわ。

人生まだまだこれから、という時に…。


そんな記憶を持って目が覚めた私は、突然巨人に抱きかかえられたこと、自分が大泣きすることを止められなくて、まあビックリ。

抱きかかえられることも大泣きすることも大人になってからはなかったもの。

その上、ベルサイユ宮殿のような豪華な場所に、美男美女揃いの外国の方々に囲まれていることでビックリの上のビックリで山を超えたし、銀河をギャランドゥしたわ。

あら?

どういうことか、ですって?

パッションで話してまして、正直、自分でもよく分からないのです。

要するに言葉がおかしくなるくらい混乱していたということですわ。


大きな大人達と私の体の小ささとこの状況から部屋の鏡に映る赤ちゃんが自分であることに気付きました。

そこから、地球とは違う魔法のある異世界に転生したこと、自分が王女様になったことに気付いたのはそう遅くなかったわね。


私は転生したとはいえ、25歳の意識があったせいか本能的に泣いてしまうことはあれど、あまり泣かなかった。

かつ、情報を知りたくてつい周りをジーッと見つめてしまっていたことが赤ちゃんらしくない不気味な子と評されていました。

私が転生してすぐ風邪を引いたり、病気になったこともあり、「病気をうつされたくない!!」と親も親族も会いに来なかった、というか近寄りもしなかったわ。


それでも王族だからか王城から離れた別邸が住まいとはいえ、使用人は周りにいっぱいいた。

体が大きくなって喋れるようになってからはなんとか仲良くなれたし、楽しく過ごしていたわ。

今は使用人のみんなが私の家族だと思ってる。


そんな平和に過ごして7歳になった頃、とある事実を知ったのよ。

この国の()()()()()()()()()()()()を…。


周りから王女様と呼ばれるから、自分が王女ってことは生まれてすぐ分かったの。

そして、この世界では身分の差というものがあることも。

だから使用人のみんなとフレンドリーにできないのは仕方のないことか、と思ってた。

けれど、それにしたって、心の壁が分厚いし高すぎるの。

だって、使用人のみんなは基本的に必要最低限しか喋らないし、お世話の時以外姿を見せないし、基本の姿勢は土下座で顔を伏せる。(すぐに止めてもらいました。)

エーティーフィールドを張っているの?と疑う位ガードが固く、無表情無口で目も滅多に合わないし、感情のないロボットとお話してるみたいな感覚だったの。

そこから、仲良くなるのは本当に大変でしたわ。

子供であることを利用して「仲良くして!」「一緒にご飯食べて!」なんて我儘を言ったり、お菓子や色々なものをプレゼントしたり、抱っこを強制したり、距離を詰めようとしたりと、もう色々したわ。


騎士団の皆さんもそう。

生まれた時から私の護衛として騎士団の人も近くにいてくれて、私としては仲良くしたいと思って積極的に声をかけたりしたけれど、みんないつも片膝をついて我々あなたの下僕です!って感じで、従順なアンドロイドみたいに動く。

人によっては時折こう滲み出る恨み、殺気のような怖い視線もあったり、王族を守る為に自分の身を犠牲にして当たり前だなんていう風潮なんかもあるみたいで。

兎に角、使用人のみんなと仲良くなるより難しかったわ。

ある事件がきっかけでみんなと仲良くなれたのだけど、これはいつかの機会にお話するとしましょう。

ほっっんと仲良くなれて良かったですわー!!


と、話が脱線してしまったのだけど、要するに歳を重ね、色んな人達と関わっていく中でずっと身分の差の大きさと違和感を感じてたの。


その理由が判明したのはつい先日、新たに始まった歴史の授業でのこと。

これまで座学というと、文字の練習や算数、小学生低学年くらいのレベルのものだったの。

そして、歴史書は王城の地下保管庫にしかないので見ることができず、初めてこの国の歴史を知れる機会だった。

だから、本好きの私はワクワクしていたわ。

ところが、顔が青ざめる程の仰天。

血みどろの残酷かつ酷い歴史ばかり!

この国の王様は皆戦争したり、他国を侵略して奴隷地にしたり、国民を数え切れない程処刑して…。


(ひ、酷い…。

酷すぎる…。)


この聞くに堪えない歴史を授業の教師が誇らしげに伝えてくるのも酷い。


こんな最悪の圧政に国民も暴動を起こしたり、他国からの報復もあったりと様々な国の危機があっても、この国が滅ばず、長い歴史を歩めてきたのは、一部の王族が持つ神の力と呼ばれる力のおかげ。


この力は前世でいうチートで、例えば戦争に絶対勝てた最強の力や国民全員を健康にしちゃう治癒魔法とかね。

人によってどんな力かは違うけれど、50年〜80年に一人はこんな力を持って生まれてくるらしい。

こんな凄い力を持つ王族は昔から圧倒的かつ絶対的な存在だってわけね。

で、王族はなんでもやっていいという特権階級と呼ばれる身分を持つようになり、人殺し?犯罪?何してもOKOK!王族以外は皆命令に従え!なんていう恐ろしいことに。


ワン○ースの天○人か!!!

語尾にえなんてつけませんわよ!!


そんな王族に生まれたんですもの。

そりゃあ壁は分厚く高いですし、恨まれて当然ですわ。


現世の親族ももう最悪ですしね。


父親は女遊び(オブラートに包んでいますわ)をして酒に溺れるクズ。

母親は人を処刑して楽しむ残忍な人殺し。

叔父は無能で税金を取り上げ私腹を肥やすばかりの最低野郎。

伯母は似た感じなので以下略…。

ってまともな人いないんかこの国は!!!?

王族は私を除いて15人程。

あ、まだ二歳の弟は染まってないでしょうから、14人ですわね。

皆揃って最低で人でなしのクズクソ野郎どもですわ。


そのせいで重税と身分の差で苦しめられるこの国の民は生きる屍のように過ごしている。

酷過ぎる…。


だから、私は決意したの。


この国、潰す!!!って。


オホホ。

やだ私ったら。

失礼、訂正しますわね。


ブッ潰してやりますわ!!!!


ブッ潰すって簡単に言うじゃんって思ったそこの貴方!

フフフ!私には簡単なのよ!

何故なら私、すべての魔法を扱えるし、無限に魔法を出せるの!!

そう!!

私が50〜80年に1人現れる、神の力を持つ王族ですのよ!!

あんなヤツらの血を引いてるなんて最悪だけれど、チートよ!!チート!!

この力で、王族を八つ裂きにしてやりましょう!!

それか穏便に闇魔法の洗脳で自殺してもらうことにしましょうか!!

これなら、誰の手も汚さないですし!!

……………。

オホホ。

ヤダ、私ったら物騒…。

失礼、テンション上がってましたわ。

……ええ、自覚しますわ。

私、ヤツらの血を引いてるわね。

ショックですけれど、方法はなんであれ、これまでの悪行はちゃんと償わせましょう。

それが亡くなった方への遺族へのせめてもの償いでしょう。


ちなみに、現在もう一人神の力を持つ人がいるのだけれど、彼はもうヨボヨボのジジ…いえ、クソジジイ。

剣の才能がチート級に恵まれて、若い頃は戦争に負けなしでしたが、今の私の敵ではありませんわ!!


やってみなければ分からないっですって?

オホホ!!

確かにそうかもしれませんね。

しかし、分かるのです。

直感ですが絶対に格下だと。

例えばクソジジイのスキル名は剣豪とでも言いましょうか。

しかし、私はその上位互換である剣聖みたいなもので、明らかに格上なんです。

先日、偶然会ってすぐに分かりましたわ。


とはいえ、もちろん、油断は禁物ですから、鍛錬は怠らず、実戦経験を積み、このチートな力を更に使いこなし、余裕でぶっ潰してくれるわ!!

オッホホホホホホホー!!!!


とはいえ、物理的にブッ潰しても、その後のこの国は上手くいかないでしょう。

まずは良い国になるための基盤を作らないといけないことは馬鹿な私でも分かります。

今の本国は王族の身近にいる者も腐っている者がかなり多い。

そんな中、王族だけを倒しても、王族に媚びて甘い汁を吸っている奴らはここぞとばかりに国を乗っ取って、国を動かすでしょうね。

悪いことにしかならない。

もちろん、そいつらも王族諸共倒すつもりですが、その後は?

上がいないと混乱がおきます。

そんなすぐに国を立て直せないでしょう。

そして、国の状態を他国に知られたら? 

他国から恨みつらみを買っている本国が王族がいない、神の力を持つ王族のクソジジイがいないと知られたら、どうなるか!

私の存在はまだ知られていないので…、はい!すぐに攻め込まれて焼け野原ー!!

国内でいざこざを起こしていたら、どうなるか!

はい!すぐに攻め込まれてさようならー!!

となるでしょう。

私が最強で神の力を持つとはいえ、複数の国に攻め込まれてはジ・エンド。

何より私の浅はかな行動で多くの人々が巻き込まれてしまうのは絶対にイヤですから、私の実力行使のみで動くのは最後の最後。


では、どうするか。

無い頭をフル回転させ、一番に考えたのは未来より今ですわ!

そもそも今の民の生活は最低辺です。

それを変えねば、明日死んでしまう民もいるのです。

少しずつでも改善を図り、良い国にするための準備をしなくては。


そう思い、まずは行政と軍事のリーダー、宰相なる方と騎士団長となる方を決めることにしました。

国のリーダーはとっても大事だから、慎重に選ばなければ。


え?


私がリーダーにならないのかって?

あー、王女ですものね、一応。

お世辞にも頭が良いとは言えない私は良い国作れんぼんくら頭ですわ!!

頭を使う?ノンノン!行動あるのみ!派のバカな私にはとても無理です。

物理的に潰そうとする時点でお察しのことと思いますが!!

知略?政治?ないない!!

しかも、今の私は子供。

子供が政治なんて他国から見れば絶好の機会。

え?この国、子供がやってんの!?攻め込んだろ!ってね。

まあ、真面目な話、民の王族への恨みは計り知れない。

これまでの所業を考えたら当たり前です。

こんな王族の血をひいた私がリーダーなんて、不満しかないでしょうし、前世の日本のように身分なんて関係なく、能力のある方が統治するのが一番だと思いますわ。


ごほん。

話が逸れましたが、いつ実行するかも既に考えてますの。


王族は12歳になると、成人の儀と呼ばれる伝統儀式を行いますわ。

これは全ての王族が参加するもので、この儀式は神の力を更に強化することができると云われてますの。

力はいくらあっても助かりますものね!

そこで、儀式が終わってから一網打尽にしてしまえば…!と考えてますの。

だから、12歳までは私の実力行…、アクションを起こさないで時期を待ちます。

待つと言っても、もちろん何もしないわけではありませんわ。

12歳、つまり残り5年のうちに王族が倒れても他国に攻め込まれないかつ良い国、より良い生活を民が過ごせるように土台を作らなければ。


まずはリーダーの選定ですわね!

その後はリーダーのサポートをしつつ、優秀な人材を仲間にして力をつけ、私は他の王族の横暴を(物理で)抑える。

民の生活が良くなるよう5年、兎に角必死に動くしかない。

成人の儀が終わり次第、周りに相談し様子を見てから、王族と腐った最低な野郎共をブッ○すッ!!!

あら、言葉が汚くなってしまったわ!

オホホ!!


それが終わったら…。

うん、前世の私の希望と今世の私の希望は同じですわね。

王族なんてやめて、平穏にのんびりと読書したり料理したりスローライフを送りたい。


その為にも、頑張りますわよ…!!


――――――


そう決意してからもうすぐ5年。

少しスクロールしたら5年も経った、なんてお思いのあなた!!

語るには短編では収まらない位色んな出来事がありましたから、この5年の記憶はざっくりと説明しますわね。


5年の結果として、まず民の生活基盤は上々です。

街には活気が出て、人々の笑顔が絶えない国になりました。


オホホ!!

スゴイでしょう〜!

どんな方法を使ったかですって?

私がしたことは簡単。

私が法!な王女様ですから、私がすることは命令するだけ!

あと私がしたことといえば、時折入る他の王族からの邪魔にぶん殴って言う事聞かせた位かしら。


苦しい重税も真面目に働けば楽々払える税になりましたし、これまでの法の整備やより良い法の制定をしました。

賄賂や横領をしていた者を洗い出し、厳しく処罰。

その過程で、身分問わず将来の国を支える優秀な者を募集して、どんどん雇ったわ。


と、さも全部私がやりましたと言うように言ったけれど、命令したって話した通り、優秀な人にやってもらっただけ。

私の身分からどうしても命令という形になってしまいましたが、心優しい皆様のご協力・尽力により、こうしてより良い国になったと思います。

不甲斐ない王女ですみません。

改めて感謝を。

皆様いつもありがとうございます…!!

そんな国のために尽力くださる大切な皆様を引っ張るリーダーをご紹介させてください。


スッ(サングラスを装着した)

「ここで、行政のリイィーダアァー!!

我らが宰相を紹介しまSHOW!!

PON!POOOON!

頼れる政治の天才ー!!

その名もーッ!!

ラァァイディバスウゥゥ!!!」

スッ(サングラスを外した)


ライディバスさんとは元々宰相の補佐をしていたのだけど、民を想い、最低のクズ宰相に反発しまくった結果、地方に飛ばされてしまった方なのだけど、頭の回転が早く仕事がデキるし、国民思いでリーダーに相応しい人材!

ってことで、宰相はライディバスさん!

君に決めたー!!

本当に良い人材を見つけられて運が良かった…!


ただ、この方と接してると困るのが、やたら私を尊敬してる!女神!なんて称えてくるの。

彼が私を持て囃すもんだから、周りも同調圧力で褒めてくるのよ。

止めてほしい、切実に。

私は何もしてないの。

彼らが頑張っててやってくれたことなのに、ことあるごとに私をこれでもかと褒めてくるのは、かなり居心地悪かったわ。

たまに前世のアイディアを出したことはあったけど、それにしたって、なんというか手柄を横取りした気分で…。

まあ、とはいえ、最初は色々あったけど、結果こうして皆と仲良くなれてよかったわ。

ただ、王女様文官隊と名乗っていたのは謎なのだけれど。


スッ(サングラスを装着した)

「お次は!!

恐れなしの騎士団団長ォー!!

アライド団長ーッ!!!!

PON!POOOON!

優しく、格好良く、強く、イケメン!!!

悪いとこなしの男前団長のお出ましだー!!」

スッ(サングラスを外した)


アライド団長との出会いはとても鮮明に思い出せますわ。

まず、アライド団長に会うことが大変でしたのよね。

団長自ら魔物の討伐や街の巡回やらもうお忙しくて。

なので、待ち伏せしたらストーカーと勘違いされて、挙げ句、すっ転んでスカートの中を晒すという恥ずかしい思いをしました。

うう…恥ずかしい…。


と、とにかく仕事熱心で頼りになる人格者の団長は王族と国への恨みがあって、というか騎士団ほぼ全員が王族に恨みがありましたので、信用されるまで長かったですわ…。

とある事件のおかげでなんとか誤解も解け今は仲良くなれましたので良かったです。


騎士団の話が出たので、ここ数年の騎士団の変化についてもお話しませんとね!


微力ながら全員のパワーアップをお手伝いしまして、アライド団長だけでなく騎士団全員が力をつけましたわ。

要するに、強かったのが更に強くなったということですわ!

また個の強さだけではなく、騎士団全体の増強に力を入れました。

要するに、更に強くなったのが、更に更に強くなったということですわ!!

フフフフ、計画通り!!


竜を半殺…いえ、テイムして竜に乗る騎士を育成したり、武器の開発ですとか身分問わず騎士団員の募集をして集めたり。

前世でいうブラックな労働環境を良くするために休日を増やしたりお給料を増やしたり食堂の御飯を美味しくしたりだとか色々と手を打ちましたのよ。


強く逞しく信頼できる騎士団との協力体制はとても有り難く、必要不可欠で、本当に仲良くなれて良かったですわ!

ただ、姫様護衛隊と名乗るのだけはやめていただきたい。


あとは騎士団だけでなく王宮・行政に関わるあらゆる機関に勤める全ての者の業務及び福利厚生の改善に努めました。

おかげで働きやすくなったとの声が増えて嬉しい限りですわ。

最も王族からの横暴もよくあったものですから、割に合わない方もいらっしゃったかと思います。

そういう方々へのアフターケアも充実させたつもりですが、心の傷は治りにくい、なかなか治らないものですから、しっかりサポートせねばと固く決心すると共に、そうなる前に私が止められるよう常に目を光らせていますわ。


それから、土魔法と聖魔法で、土壌の改善をして農作物の育てやすいかつ美味しく育つ土地に変えたり、治癒魔法で国民全員を健康にしたり、街の衛生管理、水道や道路の整備、不労者への仕事の斡旋、孤児院への支援、学問の充実など様々なことを行い、この国も大分良くなりましたわ。


そうそう、これもお伝えしたほうがいいわね!

他国との関係がどうか。

やはりこれまでの悪行は他国にも根強く、交流を持とうにも罵られるか怯えられるか嫌味たっぷりに拒否されるか。

地道にとしか言いようがありませんわ。

本当に地道に改善をはかりました。

個人的に得た資金で支援物資を送ったり、多くの外交イベントに積極的に参加してなんとか信頼を得られるまで努力をおしまなかったわ。

おかげで、他国との関係は完全とはいかないけれど、普通に交流できるまでになったわ。


と、5年間の出来事はこの位でしょうか。


宰相補佐ライディバスさん、騎士団副団長のアライドさんは本当に頼りになって、他にも沢山優秀な方々がいるこの国の未来はもう安泰!!

なので、あとは成人の儀をすませて、パパッと王族諸共ぶっ潰すだけ!

そして、いつかは王族なんて身分をなくし、私は王女ではなく、普通の女性として過ごすんです!!


ライディバスさんには話していた。

将来、身分制をなくしたいと。

私が去った後のことになるとは思いますが、いつか身分なんてない国になるでしょう。


優秀な皆さんに国を任せて、役目の終わった私は辺境にある別荘で自給自足の生活をするんです!!


ちなみに、辺境にある別荘っていうのは私がクソお父様に脅し…いえ、おねだりして、もらった私所有の隠れ別荘なのです。

この国の魔の森と呼ばれる魔物の多い森の中に作ってもらった結界魔法や隠蔽魔法、生活魔法と快適な生活をするために沢山の魔法をかけたわ。

この別荘の存在を知ってるのは私とクソお父様と家を作った大工さんのみ。

元々、静かな所が好きなので、あまり人が寄りつかない(魔物も寄りつかないように魔法をかけまくったわ)森の中心に作ったの。

ほとんどの人が知らない森の中の別荘なんて、もう秘密基地みたいで、私ワクワク!!


私の一生を過ごす場所ですから、家のデザインもインテリアも全てこだわって自分で決めたのよ!

お気に入りの一点物ばかり!

本当にこれからの生活がワクワクだわ!!


そういえば、一度お話した気がするのだけど、弟がいるのよ。

現在、弟はまだ七歳。

弟、可愛いわよ〜!!

少し生意気になってきたけど、クソ両親に似ず人のことを思いやれる優しい子なの!

唯一の血の繋がった家族(だと私が思ってる)だから、王族ぶっ潰したら、信頼しているライディバスさんの息子にしてもらえるようめっちゃお願いしたわ。

スライディング土下座って難しいのね!!


そして、私、王女もこの王城から去れば王族はいなくなる。

元王女の私が王城に残る理由はないし、未練もない。仲良くなった皆と離れるのは寂しいけど。

このチートが必要な時は冒険者として活動するつもりだから


仕方ないわ。

笑顔でお別れして、心残りがないようにしないと!



さて、そんなこんなで私も12歳になったわ。

時が経つのは早いわね。

今日、成人の儀が行われる。

宝石がジャラジャラついた伝統衣装を着て、普段あまりメイクをしないので、もう侍女達は大興奮でメイクしてくれたわ。

まあ、今世の私めちゃめちゃ美女だからね。


「シエリ王女様、ご準備が整いました。」


フフ、ついに来たわね!!

この時が!!

後ろには私の信頼する使用人の皆、ライディバス、アライド。

これだけ心強い仲間がいてくれるのですから、今の私に一切の敵無し!


「皆、ぶっ潰しに行くわよッ!!!」

「「「「「「「「「「「おおーー!!!!」」」」」」」」」」」


―――――――――


キゥユ歴1月6日。

とある国の歴史が大きく変わった。

その国の王女が謀反を起こした。

悪行三昧の他の王族や貴族を一生表舞台に出ないよう一網打尽にしたという。

若干13歳の王女は腐敗していたその国を豊かで明るい国に変えたのだ。

民を想い、心優しく、美しく、最強の賢王として、()()国を支え、数多くの歴史書に名を残した。


「え?賢王…?何それオイシイノ?

ん?長くって何?

私の理想ののんびりライフは何処へいった…!?」

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