表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/25

第二十五話 基礎、スタートライン

 

最早、何回目か分からない掃除の確認に嫌気がさしていたが、ダイガの自信満々な態度に俺は今度こそと思いつつ確認する。


「どうだ! ナオユキ。これで文句ないだろ」


「うん。百点だ」


「やった!」と三人は大喜びするが、ダイガは違った。


「お前たち! たかが掃除の課題をクリアしたくらいではしゃぐな。スタートラインに立ったに過ぎない」


「その通りだ。この課題は本来、出来て当たり前のこと。それで喜ぶなんてどれだけ頭の中はお花畑なんだよ」と、俺はポリポリと頭の後ろを掻く。


「それでナオユキ。ようやく指導してくれるってことでいいんだな?」


「あぁ、ここからは基礎を学んでもらうぞ。当たり前と思うことが多いが、これらは意外と出来ていないことが多い。その辺を含めて学ぶことだな」


 ダイガたちが勇者アカデミアに入って七日目。

 ついに本当のスタートラインに入ったと言える。だが、大変なのはこれからであることを四人は知らない。


「それでまずは何をすればいい?」


「そうだな。まずは剣の素振りをするか」


「素振り? そんなこといつもやっている」


「お前がやっていても他の三人はどうだ?」


「いや、特には……」


「同じく」


「汗掻きたくないし」


 三人は全くやっていないと言っているようなものである。

 素振りをやる意味が一層高まった。


「ちっ。だが、俺は別のメニューでもいいだろ。次の指導をさせてくれ」


「別に構わないが、リーダーとしてメンバーを置いてけぼりにしていいのか?」


「何?」


「お前一人ならドンドン先のメニューをこなしても構わないが、同じメンバーもどのみちお前と同じことをする。だったら一緒にやるべきだと思うんだが」


「ぐっ。どうして俺が合わせてやらないといけないんだ」


「自分さえよければそれでいい。そう言う考えでいるといつまで経っても成長しない。まずはメンバーの状況をしっかりと把握することが大事なんじゃないのか?」


「そ、そうか。分かった。同じメニューをすればいいんだろ」


「では素振りを百回。そしてサンドバックに向かって左右、正面に向けて五十回ずつだ」


「そんなにやるんですか?」


「コースケ。その程度で根を上げているようではダメだ。俺の生徒は皆、これくらい毎日やっているんだ」


「ま、毎日?」


「基礎が大事って言うのはそう言うことだ。さぁ、全員で回数を数えながらやるんだ」


 その後。ダイガの掛け声と共に剣の素振りが始まった。

 普段、ここまでのトレーニングをして来なかったのか、皆辛そうだった。

 特にアミカゼは序盤から限界だった。


「もう無理!」


「おいおい。まだ半分も終わっていないぞ」


「無理なものは無理!」


 そう言うと思った。


「よし! 休憩だ。五分後に再開しよう」


「休憩? いいのか?」


「無理に続けても続かない。適度な休憩が効果的なんだ」


「そ、そうか」


 水分補給を取りつつ、四人は精神を落ち着かせる。


「ナオユキ。本当にお前についていけば強くなれるのか?」


「それはお前ら次第だ。俺が出来ることは基礎のみ。それをどう使いこなせるかお前たち次第だ」


「俺は勇者として英雄になりたい。そのためにはこいつらと強くならなくちゃならないんだ」


「英雄か。大きく出たな。だが、今のお前には無理だ」


「ちっ。分かっているよ。そのためにはお前を利用するだけ利用してやる」


「上等だ。キッチリ利用してみろ」


 俺とダイガが言い合っている時、コースケは遠くの方を見ながら呟く。


「あれって亜人族ですか?」


「亜人族? 亜人族がいるのか? どこだ?」


「ほら、あそこ」


「見えない」


 コースケの視力でしか見えないようだ。

 遠距離タイプを得意とするコースケならではの才能であるが、ゴーリキやアミカゼでは捉えきれない。


「あぁ、俺の生徒に一人いるぞ。亜人族」


「やっぱりいるんだ。亜人族でも勇者になれるんですか?」


「種族は関係ない。なりたい気持ちがあれば誰でも勇者にはなれる」


「そうですか。それはそうだとして。あの子、少し様子が変じゃないですか?」


「様子が変?」


「なんか、荷物をいっぱい持たされているけど。動きも少し不自然だし」


 コースケの発言で俺は嫌な予感がした。


「お前ら、俺は少し席を外す。しっかりと課題をこなすんだぞ」


 そう言い残して俺は走った。


「ルリディア!」


「ん? あ、ナオユキ先生」


 ルリディアは両手いっぱいに荷物を抱えて辛そうに歩いていた。


「それは?」


「課題で使った武器や道具です。今、倉庫に戻そうと思いまして」


「お前一人でか?」


「は、はい。私が率先して一人でやっているんです」


 ルリディアは少し後ろめたさがあるのか、視線をソッと下げた。


「一人で持てる量ではないだろ。俺が持つから半分よこせ」


「だ、大丈夫です。これは私が頼まれたことなんです」


「頼まれた?」


「は、はい」


「『押し付けられた』の間違いじゃないのか? ルリディア」


「そ、そんなことありません。これは私が進んでやっていることです」


 ルリディアは元々、身体に傷があったが、以前より少し増えている気がした。

 ルリディアの態度、そして身体の傷を見て俺は一つの結論を出した。


「ルリディア。お前、虐められているのか?」


「……………………っ!」




ーー作者からの大切なお願いーー

「面白い!」

「続きが気になる!」

「早く次を更新希望!」


少しでも思ってくれた読者の皆様。

報告下の評価ポイントを


【⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎】を【★★★★★】


にして【ブックマーク】もして頂ければ最高にテンション爆上がりします!

少しでも「気になる」と思われた方も【⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎】のどこでも構いませんのでポチッと頂ければ感謝感激で嬉し泣きします。

モチベーションUPへ繋がりますので何卒よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ