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悪役令嬢に百合営業をしかけたら本気にされてペットにされました  作者: らびえ
本編

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死亡フラグふたたび

「はあ……はあ……」

「クゥーン……」


 オリバーを後ろから抱え上げつつ、肩で思い切り息をする。


 やっと追いついた……。

 普段そこまで運動しないツケが……。

 こんなことなら、もう少し運動慣れしておくんだった……いやこんなことが何度もあっても困るんだけど。


「全くもう……」


 それにしても、結構時間が経ってしまった。

 そろそろ出発しなければまずい。


 最低でもこれから何年かは寮生活になるので、結構大荷物だ。

 衣服や身の回りのものを十全に持っておく。


 学園はものすごく遠い場所ってわけではないけれど、それでも歩いて行くのは結構きつい。

 ならどうするかというと……馬車だ。


「……お、きたきた」


 馬車。

 あまり詳しいわけではないが、確か箱馬車ってやつだ。


 ファンタジー系の異世界転生もの御用達の乗り物。

 転生ものは基本的に現代よりは文明が遅れていることが多いので、こいつが登場することは結構多い……気がする。

 前世では私はただの女子高生だったし、転生してからも馬車を使って移動するようなことはなかったので、これが初体験だ。


 結構揺れるらしい……が、あまり乗り物酔いはしない体質だったしまあ大丈夫だろう。

 それにさっき言った通りそんなに距離もないし。

 ご飯もちゃんと食べてるし。


 ……濃厚な死亡フラグの香りがするのは気のせいだ。


 ともあれ、出発の時間が来た。

 両親とオリバーに別れを告げ、荷物を乗せて、いざ出発。

 楽しい学園生活の始まりだ。






 ***






「うっ……うげぇぇぇぇ!」

「おいおい嬢ちゃん、大丈夫か? こいつに乗るのは初めてかい?」


 うん。知ってた。

 そうなる気はしていた。


 まあ乗り物酔いあんましなかったとはいえ、それはあくまで舗装された道路を走る自動車での話。

 この世界での、舗装もろくにされてない道を通る馬車とは揺れのレベルが違った。


 というかそもそもなんだか忘れがちだけど、今の私の体は前世でのそれではないのだ。

 前世でいくら乗り物に乗ってても、それが今世の体に引き継がれるわけもない。


「あ……あと、どれぐらいで着きますか……?」

「あー、もうちょっとだ。あと三十分ぐらいだな」

「うげぇ……」


 ちょっとじゃない。

 全然ちょっとじゃないよそれ。

 まあもう出るものも無いから、吐くことはもう無いだろうけど。



 ……つらい。

 これから馬車に乗るたび、こんな苦痛を味わうのか?

 しかも酔い止めみたいなのもないんだよね。

 なんかこうそれっぽい葉っぱを口の中に含んどけば、プラシーボ的なあれでマシになったりしないだろうか……。


「辛いなら寝てたらどうだ? 着いたら起こすぞ」

「ああ……そうさせてもらいます……」


 ありがとう運転手のおっちゃん。

 めっちゃ強面だが、案外優しいじゃないか。

 お言葉に甘えて寝かせてもらおう。


「うっぷ……」


 荷物をずらし、なんとか体を多少でも寝かせられる場所を作る。

 幸いにもあまり人がいない区間なのか、他に乗客はいない。

 鞄の比較的柔らかい部分を枕にし、ぎりぎり腰が痛くならないくらいの角度で体を傾けた。


 ……うん、寝心地は最悪だな。

 まあ起きてるよりはマシだろう、多分。

 とにかく、これからあまり馬車に乗る機会がないことを願う……。

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