第93話 〜圧倒的強者感〜
「ふぁ〜。長い眠りから開放されるというのはいいものだな。まぁ、我はどっかの誰かに創られたようなもなのだが」
人型モンスターなど聞いたことがない。盗賊や山賊などを討ち、捕まえるというクエストはあるものの、人型のモンスター。
このゲーム史上で初めての登場だろう。
「……そういうことか」
月詩は、この戦闘中ずっと頭に引っかかっていた疑問を解決できた。普通ならば、モンスターのHPバーの横には名前が書いてあるはず、それはボスも、NPCも例外ではない。名前がこのテルセウスには書いてなかったのだ。目の前の人型モンスターのHPバーの横には【テルセウス】という文字が書いている。
さっきのテルセウスはただの序章に過ぎないのにあんな強かったの!? はあ〜、マジで辛い。
月詩は目の前のテルセウス見て、どういう行動をするか推察をする。
「我はお主達を殺す........それが我の役割か」
役割。なにか悟ったような。テルセウスの設定は未だ分からない。月詩は頭超回転させ、相手の行動をじっくり観察する。
「我の主武器の槍がないとすると、体術に頼るしかないと」
テルセウスは独り言を零しながら首を回し初める。月詩とペルは今までの経験で、絶対に何も言わずに何かをしてくると確信する。
来ると分かっていたらそんな攻撃は避けきれるはず。
「かはっっっっっっっ!?」
見えない。全く見えなかった。テルセウスは、ペルのお腹に蹴りを入れていたが、ペルには鎧がある。効くはずがない。なのにペルは、地面に膝を着く。
「なん……で?」
「分かるぞ、分かる。この原理を知りたいのだろう? 原理は簡単だ。蹴りの衝撃を鎧を突き抜けさせ、本体にぶち当たてた。ほら、簡単だろう?」
そんなチート技、簡単な訳がないでしょ! とペル、月詩は心の中で怒号を放ちながら、2人は冷静にテルセウスを確認する。テルセウスの攻撃でペルのHPバーは対して減っていない。攻撃力は弱いようだと、月詩は考察する。




