第92話 〜新敵〜
「ミミミミイイイイイィィィィィィィンンンンンンンン!」
1発の弾でテルセウスのHPを1割削ったことによって、テルセウスの今、観測出来ている第2の行動。
触手を縦横無尽に暴走させる動きをテルセウスが始める。
「ほいっとっ!」
テルセウスの全ての触手を月詩は受け流し続ける。
これまで見たパーティーでは考えられなかった光景に、全サーバー達のプレイヤーは気づき始める。
こいつらはエグいと。
「ペルくん!」
「はい!」
スナイパーライフルの弾が直撃。
それを2発、3発と繰り返す。
5発目。テルセウスのHPが半分を切った時、例の攻撃が始まる。
左下の触手が硬直、右上硬直、真ん中常に動く……くる!
「ペルくん! 来るよ!」
これまでの戦闘を見ていて、光線の発動条件は1つ。触手を2つ落とすことで、テルセウスのHPの3割は削られ、光線を放ってくる。なら、本体に攻撃をしまくったらどうなるのか?
月詩が立てた仮説は1個。触手に一切攻撃をしないで、本体に攻撃をしたらもしかしたら、3割以上削っても光線をしてこない。この仮説は3割削った所から確証に変わった。
淡くば光線を撃っては欲しくはなかったが、それは仕方がないと諦め、月詩は触手の攻撃を避けつつ後退をし、ペルは月詩へと近づく。
「ミミミミイイイイイィィィィィィィンンンンンンンン!」
テルセウスの顔部分、深紅の宝石が輝き出す。この行動、あの赤い光線だ。何もかもをぶち壊し、殺してきた、血に塗られた光線。光線に辿り着いたのは第200陣の中では初めて。
現在の視聴者数は100万人。
「ミミミミイイイイイィィィィィィィンンンンンンンン!」
ペル、月詩が合流した時、深紅の光線が放たれる。月詩は 【千変万化の指輪】の指輪を———
いや、その前に————
【千変万化の指輪】それは性質も変えられることも出来る最高の失われた技術。この世界で誰も作ったことの無いような武器を生成出来るのだ。
「武器変形 『大鏡の盾』!」
光線。字のとおり、光の線。光ならばもしかしたら、鏡で光線を跳ね返させることが出来るのではないか?
仮説を立てた月詩。仮説は立証された。
「ミミミミイイイイイィィィィィィィンンンンンンンン」
跳ね返った光線はテルセウスに直撃をし、超大爆発をする。
「いった……?」
光線は撃ち止み、白かった体は腐ったかのように、腐食していく。触手は落ち、宝石も落ちる。
テルセウスの緑色のHPバーは底を尽き、空になる。
勝利、勝利をしたのだ。
「ヘラさん! 勝ちましたよ! 勝ちました! やったああああぁぁぁぁぁぁぁ!」
ペルは図体と見た目に合わない、ジャンプと喜び方をする。詩は冷静に、地面に落ち、未だ輝きが落ちていない深紅の宝石を見る。
「あ、ペルくんに言い忘れたってか、可能性がものっそい低かったから言い忘れてたけど……。まだ終わりじゃないらしいよ」
深紅の宝石にヒビが入る。
宝石が砕け散り、そこから人が出てくる。
「ふあ〜。我の偽りの物を倒したのは……お主たちか?」
お洒落な白装束を着た、青髪の人。いや……あれはモンスターだ。普通の人にも見えるが、圧倒的な風格と、額に目玉が付いている事と、明らかな敵意を感じる。
月詩は今から繰り広げらる激戦をイメージする。
「…………あーーー、戦いたくないな〜」
現在の視聴者数———
【500万人】




