第78話 〜無駄な思考〜
ウーマンが6本ある触手の1つ、平らい触手によって的確に吹き飛ばされる。10体居た分身は、本体がスキル効果範囲内から離れた為、消えてしまう。
「あれが……テルセウスか……!」
パーティーのプレイヤー達は、映像では分からなかったテルセウスの本体の形をマジマジと見る。
テルセウスはワイングラスの様な形。足は無く、下半身が地面に引っ付いている。
体はワイングラスの器を支える部分の様に細く長い。
そこから左右に均等に6本の触手が生えている。
上には、ナイフ型の触手が左右に1本。
真ん中には、平らな触手左右に1本。
下には斧型の触手が左右に1本。
そして、テルセウスの顔部分。
そこだけはワイングラスと違く、チューリップの蕾の様に丸みを帯びている。真ん中にはダイア型の赤く、美しく、大きい石がハマっている。
今のテルセウスの行動を見る限り、地面に立っているプレイヤーを斧型の触手で攻撃し、ジャンプである程度の高さに達したプレイヤーには平らい触手で、そして、1番上のナイフ型の触手は未だ未知数。
各所の触手の長さは分からない。触手の長さ次第で攻撃の仕方は変わる。
「勝てるのか......?」
パーティーメンバーは絶望という無駄な思考に囚われそうになる。パーティーメンバーの《重戦士》のクレタが大声でパーティーメンバーに声をかける。
「お前らぁぁぁぁぁ! 前を向けええぇぇぇ!」
「「「ッッッッッッ—————!?」」」
クレタのおかげで無駄な思考は取り除け、すぐさま計画通りの陣形になる。《付与魔術士》のオリミス、《聖職者》のスルが後ろへ下がりつつ、後ろへ飛ばされたウーマンへの方へ移動し、回復範囲内に入ったと同時に回復魔法を行う。
「『上級治癒』!」
回復魔法を施す。ウーマンは自分の7割以上も削られた、HPが半分以上回復したのを見て前線へ走る。




