第77話 〜兆し〜
第2陣、第3陣、第4陣の全プレイヤーが死亡していく中、第8陣で唯一、生き残ったパーティーがいた。
「おっしゃあ! 行くぞーーーー!」
ギルド【灼熱の下僕達】。討伐型ギルドでランキング14250位。
パーティーメンバーの職業は、《重戦士》、《付与魔術士》、《聖職者》《暗殺者》、《剣士》。
この編成は1〜100レベルの中で1番安定的な構成。
しかも、1番このテルセウス戦で適している《重戦士》がいる。
《重戦士》の高い耐久性でボスの攻撃を防ぐことができるからだ。
「よっしゃあああっっっっ!」
《重戦士》大盾を装備し、テルセウスの攻撃からパーティーメンバー全員の命を守った。テルセウスの初見殺しを守る最大の必勝法。多分だが、これ以外にこのテルセウスの攻撃を防げないだろう。
「行ってこい!」
「任せて!」
《重戦士》のクレタが、テルセウスの攻撃を防いだ時、パーティーメンバーは3つの行動をしていた。
テレポート直後、《付与魔術士》のオリミスが『衝撃消失』を使った。『衝撃消失』は攻撃を受けた時に、ノックバックを受けないバフだ。
『衝撃消失』を使うことによって、《重戦士》のクレタが飛ばされることなく、パーティーメンバーを守ることが出来る。
2つ目。《聖職者》のスルが《重戦士》のクレタを瞬時に回復魔法を施す。
3つ目。|暗殺者》のウーマンがテルセウスに攻撃をする。
「スキル『十影百斬』発動!」
《暗殺者》のウーマンがテルセウスに走り出し、攻撃スキル『十影百斬』発動させる。
「いけ! ウーマン!」
10体のウーマンのキャラクターそっくりの、分身が現れる。分身はテルセウスに向かってジャンプをし、攻撃をする。
第8陣で初めて、テルセウスに攻撃を喰らわせたのはこのパーティーが初めて。絶望に打ち勝つ兆しが見えた筈だった。
「かはっっっっっっっ!?」
「ウーマン!?」




