番外編 第1話 〜タピオカ〜
「無難くん! 一緒に帰ろーーーー!」
————いつからだろうか?
「…………」
「あー、無難くん無視って酷くない!?」
「……何が酷いんだ?」
俺が当たり前のことを言うと、こいつは頭を傾げる。
「う……う〜ん、なにが酷いって言われると……なにも答えられないけど」
「あははは〜。無難くんはそれがスタンダードだから、で! 美少女2人と帰ることになにか不満でも?」
「…………」
「無言ってことはオーケーってことだよね。ってことで一緒に帰ろう」
◇◇◇◇◇
「……どこに行ってるんだ?」
「駅前だよー」
「……駅前? 駅前に何しに行くんだ?」
「無難くんってタピオカ飲んだことないでしょ? そして私も傘比も飲んだことがない! ってことで、これを期に飲もうという話なってさ」
「私もタピオカってなんか、カエルの卵みたいな感じたがら毛嫌いしてたんだー」
————本当にいつからだろうか?
俺はゲームをする奴らというだけの枠だったはずの2人が、いつの間にか友達みたいに、あのテーベとの戦いを終え仲が深まり、ロボットとの戦いでまた仲が深まった。
これでいいのだろうか? 昔の俺はこれを望んでいたのだろうか?
「私は黒糖ミルクティーで!」
「私もー!」
「無難くんは何にする?」
この2人の無邪気な顔を見て俺は昔の記憶が蘇る。
いつから罵倒をし始めたのか、いつから毒舌王子と呼ばれるようになったのか。
「お前らと同じので」
「じゃあそれ3つで」
————いつからだろうか?
あの日、こいつにゲームを誘われ、あの憎らしいヘラだと気がついた時は面白いと感じた。こいつとなら世界1位になれる、ライバルだと思っていた奴と世界1位だ。
あの時のよりも違う景色が見れる、あの時以上のモノが見れると思ってしまった。
「え、なにこれうまっ!?」
「ほんとだー! 凄いうまーーい!」
だが、過去はどうあれそれは過去だ。俺はそれを知っている。世界1位だった頃も、過去のライバルだと思っていたやつも今は昔。
俺の決意だって……今は緩くなっている。
「うまっ……」
「あー無難くんがうまって言った!」
「え、本当!? あちゃ〜聞き取れなかった〜」
こいつらと一緒に寄り道をするなんて思いもしなかった。
こいつらが2人で笑ってるところを見ると何故か最近、心が暖かくなる。冷めきった俺の心を暖かくし、汚してくる。
それが何故か、気分が良く、気分が悪い。
でも一つだけ言えるのは———
「悪くない」
「お、無難くんタピオカにハマっちゃった?」
「……黙って飲んでろ」
でも確かなことはある。この3人ならば圧倒的な1位に
————世界1位になれる。
ふふふふふふふふふふふふふふふ!
結構、上手く書けました。番外編がこんなにもなにか伏線を張るような感じになるとは私は思いませんでした。
そしてご要望の、寄り道、そして無難が感動するの感動するをギリギリ実現出来ました
そして無難の昔に何があったのか……本当に何があったんでしょうね?
私も知りたい。
あ、番外編のリクエストは常時募集中です。
何回でも可です!




