第46話 〜気持ち悪〜
私は大いに引いた。なんか、女の子として本当に反吐が出るほど気持ち悪い気分になった。
ねっとりボイスというか、本当に気持ち悪い言い方……!
あれが女子の敵! あれが変態だ!
『まあ、その気持ちは山々なのだが、ここは気持ちを押し殺して……。このダンジョンをクリアした奴には、特別に俺の下級失われた技術をさずけてやろう。感謝するんだな! ははははははは!』
「これで、パン博士の伝言終了です」
「えっ!? これで終了!?」
「はい。これで終了でございます」
私はもうパン博士っていう人が分からなくなった……。いいや、もう分からない!
「………なにパン博士って……。頭が痛くなってたんだけど」
「分かるー! ちょっとパンツ見せてくれの声が背筋が凍るようで怖かったー」
私たちが気持ち悪さに身体を震わせる。レーズンさんは私達の目を見るが、それにより私達は背筋を立たせる。
レーズンさんの目が、見定めをしているような気分にさせられるからだ。
「まずは月詩様。貴方様には主武器がありませんね?」
「は、はい!」
「それは圧倒的強者が現れた時、物凄く不便。貴方様が武器を持たないのは、1つの武器に縛られる戦い方をしたくない。そうですね?」
「うっ……なぜそれを?」
レーズンさんに図星をつかれてしまった。私はその場、その場にあった戦い方をしたかったから、武器を選ばずに錬金術で創るっていう、馬鹿な戦い方をしてきたけど……。無難くんとかは、何も指摘してこなかったからいいけど、武器を持たないで戦うなんて、そんなのヌーブの戦い方。
だから、知られたくはなかった。
「見れば分かります。貴方様の職業《錬金術師》は全ての武器が使用可能です。つまり全ての武器に変形する武器はどうでしょう?」
「え!? めちゃくちゃ嬉しいです!」
「では、決まりですね」
レーズンさんはパチンと指を鳴らす。すると、レーズンさんの目の前に台座と共に指輪が出てくる。
指輪は台座と共に突起物の上からゆっくり下りて、私の前へと下ってくる。
「どうぞお受け取り下さい」
私は台座から指輪を取り指にはめる。私のウインドに指輪の名前が載る。
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【千変万化の指輪】 《失われた技術》
この指輪は使用者が考えた通りの武器に変形する。
だが切れ味、品質共に全て普通。突出している武器にはならない。
しかし、使用者の想像力次第で状況を打破する最高の武器になることだろう。
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全話直しました。めちゃくちゃ大変だったーーーー!
やっとお話書けるーーー!
ってことでクライマックスを書き始めます!




