第13話 〜弓矢〜
「まずは必須スキル、『弓術 10級』を覚えるよ!」
「『弓術 10級』ってなにー?」
「簡単に言うと、弓の使い方が上手くなるって感じかな」
このゲームには体を思うように動かすという機能は、最初から付いているが、弓術と剣術とかそういうものはちゃんとスキルを取らないと体は勝手に動いてくれない。
だからこそ、『弓術 10級』以上のものを取れば、体が勝手に動き、DEX値が少なくとも弓矢は必ず当たるようになる。
それ故、月詩はDEXは上げるなと言ったのだ。余談だが、『弓術 10級』などのスキルは《錬金術師》には全くない。
スキルがないせいで《錬金術師》は本当に、ネタジョブとして扱われている。
「そして、ここは1番簡単なモンスターが居る場所! そう! スライムだよ!」
月詩達が居る場所は初期スポーン、シンテ街のすぐ外の場所。ここの草原にはスライムなどがスポーンする場所だ。
スライムは、ジェル状の中にある核を壊せば直ぐに死ぬ。攻撃は一切してこないという、本当に初心者の為だけにあるモンスターだ。
「もう倒していいの?」
「うん。いいよ!」
月詩の承諾を受け、傘比は弓を構える。『弓術 10級』はモンスターを10体弓矢を放って倒せば得られるスキルだ。
ただ、それを覚えるまでが難題。
剣などの刃物系ならば、切ったりしたりしたらいいが、弓矢となれば最初は、やり方も補整もかかっていないため、スキルを手に入れるまではモンスターを倒すのは難しい。
それも相まって《射手》は、不人気な職業なのだ。
よりによってゲームが苦手な傘比に、弓矢を当てるなんてことが出来るはずがない。まずは着々と進んでいこうと、月詩は思っていた。
「………………ん?」
月詩は目を疑った。弓矢1発で10メートル先に居る、敵を容易に殺してしまった。
月詩はゴシゴシと目を擦る。そして、目を開き、目の前のスライムの死体を見て、開いた口が塞がらないかった。
「やったーーー! 」
傘比は無邪気に喜び飛び跳ねる。月詩はこんな事例は、聞いたことがない。例えば、日本の古来からある弓道なんてものがある。確かに弓道をやっていれば、弓は放てるだろうが、この世界の弓と現実世界の弓の特性は全く非になるものだ。
どうやっても今、5億人以上やっているこのゲームで、初手で弓矢を10メートル以上離れたとこらから、スライムの小さい核を1発で射抜く。
確かにDEXは今のところ全振りだ。それも理由としてはあると思う。傘比の今の事例は世界では初めてだ。
どんな天才プレイヤーの月詩、無難であっても絶対に出来ない。
何故、それが出来たのか?
傘比は勉強も出来なければ運動も出来ない。その分、コミュニケーション能力に全振りしている。そう、確信していた詩。ただ、もしたしたらという1個の仮説を月詩は立てる。
「………………傘比……あと、どれくらい離れられる?」
これは興味本位。もし。この仮説が正しければ異常なことが起こるはずと、月詩は心を躍らせる。
「うーーーーん。あと30メートルぐらい?」
「じゃあ、それやってみて」
「うん、分かったー!」
スライム一体 死亡
「次は40メートル」
スライム一体 死亡
「次は50メートル」
スライム一体 死亡
60、70、80、90、100
「200……メートルは?」
「スライム……死亡……」
傘比ってなんですの? いや……ちょっと傘比の潜在能力やばいでしょって感じの第13話でした。マジで戦闘シーンに行かないな〜、次、次、次でちゃんと戦闘します。
まぁ私の投稿させる文字数によるのですが……。
by この間もこんなこと書いたなと思った犬三郎




