第101話 〜逆転の兆し〜
「レーズン、傘比! あれをやるぞ!」
「承知致しました」
「おっけーー! 今なら出来る気しかしない!」
傘比は後ろへ下がり、レーズンは脚と腕を呼び寄せ、体を元に戻す。レーズンは自分の右腕を無難に渡し、後ろへ後退する。
「次は何をするのかなー!? まあ、今度は確実に殺すけどね……!」
「いや、お前はここで……確実に負ける」
「あ?」
「レーズン!」
「承知致しました。【腕部分 特別武器変形】『回転式拳銃』」
レーズンの右腕が変形し、無難が親の顔よりも見た、最高で、最強の愛用武器。
【回転式拳銃】が無難の手に現れる。
「ふふふふ、はははははは! いいよ! いいよ! 最高だよ!」
テーベは高らかに笑い、無難は微笑を零し、傘比は集中、レーズンは警戒。
テーベ戦、最後の攻防が今始まろうとしている。
◇◇◇◇◇
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「ふぁ〜、眠いな」
圧倒的劣勢。ペルのHPは半分以上を切り、先程の無難のようになる。
「弱気になるな……!」
無難には仲間が居た。傘比、レーズンという最高の仲間がいた。しかし、ペルには仲間が居ない。
月詩は凍ったまま、死んでしまっているのだ。最後の月詩に言われた『信じてる』。あの言葉の意味は分からない。
「信じてると言われた以上、それ以上のことをしないといけない!」
それがこのチームに居られる条件だ。
「お主は弱すぎて、欠伸が止まらぬ。その鎧がお主を未だ、生かしておるが、流石に飽きてきたぞ」
10分。テルセウスがペルに蹴りを入れ続けた時間だ。早すぎるその攻撃に対処も、攻撃も出来なかった。
「武器があればある程度はやれるのに」
今回の戦いではスナイパーライフルしか持ってきていない。自分の得意とする剣がない。それも含めて劣勢という訳だ。
「そろそろ終わりとするか」
テルセウスは首を回し、また消える。
「うっっっっっ!?」
テルセウスの圧倒的な連打。速くて誰も見れない、防ぎきれない。ペルのHPが減り始める。死んでしまう。これで終わりなのか?
【1000万人】の視聴者は全員思った。
だが、ペルにはテーベや、月詩、傘比のような圧倒的な特徴がある。
それを見込んで、月詩はこのチームに誘ったのだ。
「はああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「……!?」
——テルセウスの体が床へ、叩きつけられる。




