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ホノオノケン  作者: 海宮 ユキ
第一章 「太陽はまた昇る」
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第一話 「最悪の夏休み」 1-3

「ハハッ。本格的に化け物だなこりゃ」


 仁は恐怖のあまり、謎の笑いが立ち込めてきた。


 ガァァァァッッ


 女性、いや化け物は唸る。そしえ黒い腕だけが真っすぐ仁の元へ向かってくる。そのスピードに成す術がなく、仁はあっという間に首を絞められる。必死に首に取り付いた手を放そうとするがびくともしない。仁は徐々に意識が遠のいていく。

 意識がなくなるギリギリのところで女性の手が外れた。身体は勢いよく、不足していた酸素を取り込み、せき込んでしまう。仁は喉をさすりながら女性が立っていたところを見るが女性はおらず、そこには30手前の男が立っていた。男はジーパンに黒のジャケットを着て髪は仁と同じく赤い髪を生やしていた。


「大丈夫か少年⁉俺が来たからもう安心だ。下がってろ」


 男はグーサインを仁に見せる。何故かそのサインに仁は安心してまう。女性は男性に向かって謎の黒い腕を伸ばしていく、仁から見たら凄まじいスピードなのだが男は軽々と避けていく、そして黒い腕よりも早く男は女性の懐まで近づく。


「今日は早めに終わらせてもらうぞ」


 そう男は話すと両手が赤い炎に包まれる。


「はぁぁあ。炎楼拳‼」


 男は燃える拳で女性の頬に正拳突きを食らわす。その威力は離れている仁まで伝わってきた。女性はまるでゴムボールのようにはじけ飛んだ。そして女性は動かなくなった。男はそれを確認すると懐から携帯を取り出し、どこかに連絡を入れる。


「こちらアカ。目標の制圧に成功した。あと処理は任せる」


 男は連絡を終え携帯を懐に戻すと仁の方に近づいてきた。腰を抜かしている仁を立たせるとズボンに着いた汚れを手で払っていく。


「大丈夫か少年?俺の名は神大 隆太。怪我はなかったか?」


「あっ・・・はい。大丈夫です」


「なら良かった。君の名は?」


「・・・片桐仁です。さっきの奴は何だったんですか?」


「そうか仁か・・・仁。今日の事はあまり考えるな。このまま真っすぐ帰るんだぞ」


 神大は仁の頭をわしゃわしゃと撫で、まるで少年のような笑顔を向けてきた。仁は質問に答えてくれないことに少し疑問を呈したがうなずくことしか出来なかった。仁はボロボロになったコンビニ弁当を広い家路につく。すれ違い様、武装をされた軍人たちがいたが気にすることなく歩いていった。



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