151. 再会
「ひっ! アシ様がやられた!」
「う、、嘘だ! 嘘だ嘘だ!!」
≪アシ サマァアアア!!≫
≪アアア! バカナ!!≫
『地を砕く脚』が俺に斬られて消滅した後、ビスラ軍は恐慌状態に陥り、魔族達は呆然としていた。
[ フミオ様!! アユミです! ご無事ですか!!]
アユミが『以心伝心』で連絡を入れて来た。
「アユミ! よく来てくれた!
この機を逃すな!! 魔族と魔獣は1匹たりとも逃すな、殲滅しろ!!
ビスラ兵にも容赦はいらん!」
[ はい! フミオ様!!]
「あと、ヒーラーを寄越してくれ、
ヒナコが酷い怪我を負ってる。」
[ ヒナコさんが!!
良かったぁ、、生きてるんですね
わかりました! とびっきりの優秀なヒーラーを送りますね!]
「? あ、ああ、よろしく頼む」
アユミの『以心伝心』により、テレシア騎士団が動き出す!
[ ディーエさん! ヒューレ騎馬隊全部隊を率いて戦場の東側を南下して下さい! ]
「軍師殿! 了解した!! 行くぞ! ヒューレ騎馬隊!」
「「「ゥオオォォオーー!!」」」
[ セルンドさん! デルハルト軍を率いて戦場の西側から南下、敵を包囲します! ]
「了解した! アユミさん!!
行くぞ! デルハルト隊!」
「「「オォーー!!」」」
[ ギルファングさん! 11時の方向その先にケビンさんと大陸軍がいます!
合流し、疲弊した大陸軍を支援して下さい!! ]
「了解したァ! 軍師殿ォ!」
[ レオル、ルルは2時の方向へ!
足長と戦闘後のソウジ先生たち3人が居るから守りに行って!!
特にユウキさんの容体に気をつけて! ]
「 ……おい、、ルル、2時ってこっちか? 」
「んー、こっち? 」
[2人とも違う!!
ええい『道標!!』
視界に映る矢印の方向へ進んで!! ]
「おお、なんだこりゃ? こっちへ行けばいいのか、」
「べんりー、敵にもしるしがついてるのー」
自軍の会話も俺に聞かせてくれるだけじゃなく、ここに来て新しい力に目覚めたか、、
アユミ、恐ろしい子、、
≪ニンゲン、ドモガァァァアア!!≫
≪ズニ、ノルナァァァアア!!≫
≪アシサマオォー、ヨクモ!≫
魔族たちが我に帰り、反攻に移ろうとする!
北寄りにいた魔族達は戦場の北側に陣を張っているテレシア騎士団本陣へ、南寄りにいた魔族達は南の丘の上にいる俺の方へと飛んでくる!
≪オォォオ!≫
≪ヨクモ、アシサマヲ!≫
魔族達が火球や氷柱を放ちながら突っ込んでくる!
「フッ!!」
リィィィインーー
フィオナを振るう。
ボッ! ボボッ! ボッ!!
弧を描き飛ぶ光の糸が、突撃してくる魔族を、放たれた魔法ごと切り裂き、塵に変えていく!
後ろには傷ついたヒナコと、レパーラがいるんだ、
ここは通さんよ。
「ふう、テレシア様は、大丈夫かな?」
戦場の反対側に陣取る、テレシア騎士団本陣に目をやる。
テレシア騎士団本陣では、騎乗したゼノラウト王妃テレシアと、アユミ、シェリー、ロイスとロドニーをはじめとした数名の神官達を中心に囲んだ状態で、グドルトの率いる200名のドワーフ重装歩兵がぶ厚い盾を組み鉄壁の方陣で構えていた。
神官達の光魔法で1人ライトアップされ、白馬に騎乗したテレシアは、白銀のプレートが貼られた青いドレス鎧を着込み、その輝く金髪とこれまた白金のティアラを輝かせ、この戦場の誰より一際目立っていた。
「オホホホ! さあ!! かかって来なさい!」
青と金で装飾された剣を抜き、高く掲げて魔族達を挑発するテレシア
だがその頬を冷や汗が伝っていく
(ちょ、ちょっと、、大丈夫なんでしょうね、アユミちゃん、、)
(えーと、多分、、、
ロドニーさん自信満々なので、、)
≪シネェェェエエ!!≫
一体の魔族が、空中から人よりも大きい火炎球を撃って来た!
それはグドルト達の防御陣の上から、真っ直ぐテレシアを狙って飛んでくる!
「構えるんじゃ! 王妃の盾たるドワーフ兵!
次元魔法奥義、
『セーブ ザ クィーン!!』」
白髪白髭の神官、ロドニーが杖を掲げて叫ぶ!
ドシュウゥ、、
魔族が渾身の魔力を込めて放った火球がテレシアの数メートル手前で消え去る。その瞬間、数名のドワーフ兵が構えていた盾を若干動かしただけであった。
さすが大陸随一の次元魔法の使い手、ロドニー
テレシアに放たれた魔法を、次元魔法を使って分散、移し替えを行い、鉄壁のドワーフ兵の全員に割り振った。しかもドワーフ兵は、対魔法防御の高い装備に身を包んだ上に腰を入れて防御体制をとっている。
逆の言い方をすれば、ただでさえ高いドワーフ兵の防御力の200人分が、テレシア王妃1人に集められているようなものだ。
「オホホ!
魔族の火魔法とやらは、ローソクのようね、本を読むのにちょうどいいくらいだわ!」
調子にのるテレシア、、
≪!! ガァァァアア!!≫
≪ウガァアアア!!≫
≪ニンゲン、ガァアア!!≫
ドン! ドドドン!
バシュウウ!
ヒュヒュッ!!
激昂する魔族達! 地上から、空中から、テレシアめがけて放たれる数多の、火球、氷柱、風刃!
「え、ちょ、ちょっと、
うひゃああ!
ご、ごめんなさーい!」
ドドドドドドドシュウウウ、、、
凄まじい集中砲火を受けたテレシアは、、
だが、無傷!!
「、、う、
う、、
うふ、
うふふふふ、、
うふふふふふふ!
さあかかって来なさい!!
へっぽこ魔族達!!!」
≪ウガァアアア!!≫
完全に我を忘れた魔族達が拳を振り上げて突進する!
バゴン! ベゴン!
走ってきた大型の魔族が二体、落とし穴にはまる!
「今じゃ!! 魔法陣を起動させよ!」
「「「ホーリー、アッパー!!」」」
神官達が魔力を込めて叫ぶと、落とし穴の中から光がほとばしった!!
光は巨大な拳の形をしており、落とし穴に落ちた魔族を消し去った後、さらに上昇し上空の魔族をも襲う!
≪ガァアッ!≫
≪グガッ!≫
一体は直撃を受けて消滅、一体は翼を消されて落ちてくる!
「どうじゃあ! ゼンの神殿に伝わるセントレオン様直伝の魔法陣の威力は!!」
どうやら落とし穴の下に魔方陣を用意していたらしい。
グーパンなのはセントレオンの趣味なのか、、
「ビリディエット! 『稲妻ァ!』」
ヒュドッ!!
シェリーがすかさず弓精霊ビリディエットの矢で落ちてくる魔族を射抜き、トドメを刺す。
『くれいばれっと!!』
≪ギャ!≫
接近して来た飛行型の魔族をロイスが土魔法で撃ち落とす!
テレシアが『煽りスキル』で敵を引きつけ、ロドニーの魔法とグドルトの重装歩兵隊で鉄壁の防御陣を張り、近づいた魔族は罠と神官団の魔法でダメージを与え、シェリーの矢とロイスの魔法でトドメを刺していく、テレシア騎士団の本陣は見事なコンビネーションで魔族を駆逐していった。
包囲され、混乱しているビスラ軍の中を縫うように駆けていく数騎の騎馬がいた。先頭の騎馬が槍を振るい、次々と敵陣を突破していく!
やがて騎馬隊は敵陣を突き抜け、反対側のヤマナの元へとたどり着く。
「団長!!」
「おお! ハルバルト!
よくテイヤマまで来てくれた!」
「私よりも、、」
そう言ってハルバルトが後ろを振り返り、一騎の騎馬に目をやると、そこには、、
「あなた!」
「エリス!」
エリスが馬を下りて、手を広げた俺の胸に飛び込んでくる!
ああ、エリス、、
最愛の人をギュッと抱きしめ、生を噛みしめる。
数秒だけ身を任せた後、エリスがそっと俺を突き放す。
「エリス?」
「あなた、ヒナコさんはどこ?」
「!!
あ、、アユミが寄こした優秀なヒーラーって、
こっちだ! 頼む、見てやってくれ!」
救急箱と毛布を持ってヒナコの元へと駆け寄るエリス、草の上に毛布を敷いてその上にヒナコを寝かせる。
「ごめん、、、エリスさん、、」
「ううん、ヒナコさんはよく頑張ったわ、みんなを守ってくれてありがとう、
後はみんなに任せてゆっくり休んで」
「うん、、ありがとう、、」
そう言って、ふう、と息を吐き、やっと体の力を抜いてエリスの治療を受け入れるヒナコ。
「…ハルバルト、レパーラ、ここを頼む」
「了解しました」「任せるニャ」
そうしてヒナコを治療しているところから離れ、戦場へと近づいていく。
「フィオナ、」
-- 了解、あるじさま
「はぁぁぁあああ!!」
フィオナの白い刀身を前に掲げ、聖の気を注ぐ!
真っ白に輝くその刀身は、戦場をあまねく照らし、魔獣達は怯えてうずくまり、数の減った魔族達は憎悪の目で睨む、
≪ギザマァ!!≫
≪アシサマオォー!≫
残った魔族達は顔を歪め、狂ったように突撃をかけて来た!
必死には必死で応えてやろう!
フィオナを振るい全身全霊で迎え撃つ!
10体あまりを切ったところで、戦場から魔族はいなくなっていた。
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10/15 ロドニーの魔法名を変更しました、




